家電
空気清浄機
2021/12/19 18:30

わかりやすく時流に乗ったな! シャープ空清最上位モデルの目玉は「ウイルス飛沫」対策だった

冬は暖房によって部屋の空気が暖められ、天井付近に暖気が停滞してしまいます。ホコリよりもはるかに小さい粒子のウイルスも暖められた空気と一緒に舞い上がってしまうので、空気清浄機の能力を発揮させるためには、いかにして室内の空気を循環させるかが決め手となります。シャープはこの課題に改めて挑み、より捕集力を高めた新型空気清浄機「KI-PXシリーズ」3機種を来年1月に発売すると発表しました。

↑KI-PXシリーズ

 

3機種ともに来年1月14日発売で、シャープ史上最高イオン濃度の「プラズマクラスターNEXT」を搭載しています。プラズマクラスター適用床面積の目安が約28畳でフラッグシップのKI-PX100の実売予想価格は14万1000円前後。同約18畳のKI-PX75の実売予想価格は9万2000円前後。同16畳のKI-PX70の実売予想価格は7万7000円前後。

 

ウイルス飛沫粒子の捕集数を高める「飛沫粒子モード」を新搭載

↑「KI-PX75」(左)の外形寸法は幅395×奥行305×高さ650mm、質量約13kg。フラッグシップの「KI-PX100」(中)の外形寸法は幅427×奥行345×高さ700mm、質量約16kg。「KI-PX70」(右)の外形寸法は幅395×奥行265×高さ650mm、質量約12kg

 

シャープは昨年、後ろななめ20°の気流がウイルス飛沫粒子を効果的に捕集することを京都工芸繊維大学との共同研究で確認し、昨年モデルから同気流を搭載してきました。その後さらに同大学と研究を進め、今回新たに「飛沫粒子モード」を開発し、新製品に搭載したものです。同モードは、後ろななめ20°の気流に加えて、天井方向に直接風を送ることで空気の流れを加速させ、天井付近に滞留する飛沫粒子を強制的に循環させます。これにより、捕集数は従来比で約2倍にもなるとのことです。

↑昨年モデルから搭載している、後ろななめ20°気流により、室内の空気を循環させて天井付近に滞留する飛沫粒子を床付近まで下ろし、空気清浄機で吸い込む

 

↑新製品では飛沫粒子モードにより、天井付近に直接風を当てることで空気の循環をさらに促して捕集数を上げる

 

↑飛沫粒子モードはワンボタンで設定可能

 

同社製エアコンとの連携制御で飛沫粒子の捕集をサポート

また、冬場は室内でエアコンを稼働させている影響で、気流が発生しています。室内で効率的に空気を循環させるためには、エアコンの反対側に空気清浄機を置くのが良いとされていますが、部屋の間取り上、セオリー通りに設置できない家庭は多いでしょう。しかし、空気清浄機を置く場所によっては、エアコンの気流と空気清浄機の気流がぶつかり、空気の流れを打ち消しあうことで、室内で循環が起こらずに空気清浄機の能力を発揮できなくなります。

 

そこでKI-PXシリーズでは、シャープ製AIoTエアコンとの連動制御機能を搭載しました。専用のスマートフォンアプリで空気清浄機の設置場所を指定すると、エアコンが空気清浄機の足元に向けて風を送り、空気清浄機の循環気流の手助けをするものです。これにより、エアコン非連携時に比べて飛沫粒子の捕集数が飛躍的に増加しました。

↑専用のスマホアプリでエアコンから見た空気清浄機の位置を入力。空気清浄機の位置は4つから選べます

 

↑エアコン(右上)が空気清浄機(左)の足元に向けて風を送り、室内の空気の循環を作る

 

↑エアコンとの連携制御で飛沫粒子の捕集数が飛躍的に上昇

 

↑空気清浄機をクラウド連携させることで、室内の空気の状態を見える化したり、無駄な加湿運転を省いたり、消耗品の交換時期が分かったりする機能も

 

お手入れの手間を減らす使い捨ての加湿プレフィルターを導入

加湿機能も進化しています。シャープでは以前から加湿フィルターを2重構造にすることで給水量をアップし、さらに加湿集中ガイドにより加湿フィルターに風を集中させることで加湿スピードの大幅アップを実現しています。新製品のKI-PX100ではこれをさらに強化し、業界初の1000mL/hの加湿量を実現しました。

↑フラッグシップのKI-PX100は業界初の1000mL/hの加湿量を実現した

さらに、加湿空気清浄機ユーザーにとって一番の面倒事である加湿フィルターのお手入れに関して、単純ですが画期的な仕組みを導入しています。加湿機能は冬場のエアコン暖房運転時に欠かせないものです。特に昨今、ウイルス対策として部屋の適度な加湿は常識となり、多くの家庭で加湿器を利用しています。しかし、やっかいなのが加湿フィルターのお手入れ。気化式の加湿フィルターは、大量に吸い上げた水道水の水分が蒸発する際にミネラル成分だけがフィルターに残って固まり、それが菌やニオイの温床となります。そのため、基本的には、水タンクに水を補給するタイミングで加湿フィルターも毎回水洗いすることが推奨されています。これを怠るとあっという間にカビだらけになり、部屋中に菌を撒き散らすということになりかねません。

 

この手間を減らすべく、新製品では使い捨ての加湿プレフィルターを導入。このプレフィルターが水中のミネラル成分をキャッチし、水だけを加湿フィルターに送ることで加湿フィルターの清潔性を保つ仕組みです。加湿プレフィルターは1か月に1度の交換でよく、使ったものは捨てるだけ。加湿フィルターの水洗いの手間が省けて便利です。使い捨て加湿プレフィルターは6枚入りで税込1100円。1つのパックで1シーズンを過ごせる計算です。

↑使い捨て加湿プレフィルターがミネラル成分などを事前にキャッチし、加湿フィルターを清潔に保つ

 

↑白い円形の紙のようなものが使い捨て加湿プレフィルター。これが最初に水を吸い上げて加湿フィルターへと水を供給する仕組み。プレフィルターがフィルターより少し小さいのは、そのほうが吸水・供給効率が高いからとのこと

 

↑KI-PX100とKI-PX75の上位2機種には、本体背面のプレフィルター(大きなホコリを集める)の自動掃除機能を搭載

 

イオン濃度を高めたプラズマクラスターNEXTを3機種に搭載

また、先にも述べましたが、今回は新機種3モデルともにプラズマクラスターNEXTを搭載し、プラズマクラスター25000の2倍にあたるイオン濃度5万個/c㎥の高濃度を実現。前年モデルのプラズマクラスターNEXT搭載はフラッグシップの1機種だけでしたが、今回はプラズマクラスター発生デバイスの小型化により、空気清浄機本体のサイズダウンが図れたことで3モデルの搭載となり、ユーザーの選択の幅が広がっています。

↑後ろななめ20°気流用と部屋の中央用にプラズマクラスターNEXTのデバイスを2個搭載

 

↑プラズマクラスターデバイスを風路上に配置することで、効率よくイオンを飛ばすことができ、部屋の中央付近でもイオンの高濃度化を実現

 

↑プラズマクラスターNEXTはイオンの高濃度化により除電・消臭・ウイルスの抑制スピードが向上

 

これから気温が下がり、乾燥もするので、ウイルスが気になる季節になってきます。もはや加湿空気清浄機は一家に一台と言わず、一部屋一台の時代。シャープは上記3モデルのほかにも畳数や目的に合わせたモデルをラインナップしているので、自分の部屋の環境に合った製品を探してみてはいかがでしょう。

↑シャープの2021年度空気清浄機ラインナップ。プラズマクラスターのイオン濃度や最大風量、加湿量などに応じて選べます