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掃除機
2022/7/27 20:45

4万円切ったら「そろそろルンバ」でしょ?「使わない理由」を打ち砕く最新モデル「ルンバ i2」を見てきた

そろそろロボット掃除機が欲しいなあ、いやでも値段が高いし、高いわりにちゃんと掃除してくれるのかわからないし、部屋も狭いし。そんな悩みや疑問を解消してくれるロボット掃除機がアイロボットから発売されました。それが「ルンバ i2」です。

↑新製品のルンバ i2。写真右は同製品の裏側で、左上にエッジクリーニングブラシ、中央にデュアルアクションブラシを搭載している

 

「使わない理由」と「使っている理由」が真逆の結果に

「『ルンバパラドックス(※)』という言葉が存在します」と、アイロボットジャパンの挽野 元(ひきの・はじめ)社長は都内で行われた新製品発表会の冒頭でナゾの言葉を発しました。「ロボット掃除機が必要ないと考えている“非検討者”にアンケート調査したところ、機能面・環境面・価格面それぞれで多くの『使わない理由』が浮き彫りになりました」とのこと。

※パラドックス……もともとは定説とは反対の主張や概念のこと。最終的に、一般的な結論とは反対の結論に至ったり自己矛盾したりする説、命題のことを指す

↑ルンバに対する誤解「ルンバパラドックス」とは?

 

その「使わない理由」を見ると、機能面では、ゴミの吸い残しがありそう、操作が難しそう、掃除が雑そう。環境面では、床にモノが多い、家が狭い、(自分が掃除する)時間に余裕がある。価格面では、高価そう、価格と機能が合っていない、安いと性能が不十分……などなど。

 

「その一方で、ルンバをすでに使っているユーザーへのアンケートでは、この機能面、環境面、価格面で全く違う結果が出ています」と挽野氏。

 

機能面では、アプリからの簡単操作、段差を回避、手の届かないところまで掃除してくれる。環境面では、週5時間以上の余裕ができた、きれい好きとの自覚がある、平均清掃面積20平方メートルと広くはない。価格面では、価格以上の価値があると答えた人が92.1%となり、総合満足度は95.9%にも上る結果となったのです。

↑ルンバユーザーの満足度はかなり高い

 

「特に、『部屋が狭いから必要ない』という(非ユーザーの)回答に対して、実際のユーザーの平均清掃面積が20平方メートル、つまりワンルーム程度というのは驚きの結果です」(挽野氏)

 

つまり、ユーザーは部屋が狭くてもルンバを使っているということ。狭い家屋の日本ならではの事象であり、95.9%もの人が高い満足感を得られ、週5時間以上の時間的余裕ができたと答えていることは面白い結果です。

 

「ルンバを使っていない人がネガティブに捉えていることが、実際にルンバを使っている人にとってはポジティブな結果になっている。ルンバに対する大きな誤解が存在しているのです。それが『ルンバパラドックス』。これを解消する製品が、『ルンバ i2』です」(挽野氏)

↑ルンバを買ったことで時間的余裕ができたり、きれい好きになったという自覚が生まれたり、実際の清掃面積はワンルーム程度と、ルンバユーザーの面白い実態が浮き彫りになった

 

↑ルンバ i2を紹介する挽野 元社長

 

税込4万円以下で吸引力は従来モデルの2倍

それでは、「ルンバ i2」の製品を見ていきましょう。実売価格は税込3万9800円。「ルンバ i2」は普及モデル「ルンバ e5」の後継機種となりますが、「ルンバ e5」の2018年発売時の価格(税抜4万9800円)より1万円以上も安くなり、かつ性能も上がっています。

↑日本で最も売れている従来モデル「ルンバ e5」(右)と新製品「ルンバ i2」(左)は外見も中身も大きく変わった

 

まずは吸引力。「ルンバ i2」の吸引力は600シリーズ(販路限定で流通している実売3万円前後の低価格モデル)の10倍、「ルンバ e5」の2倍の吸引力となり、上位モデルの「ルンバ i3」と同等の清掃能力を持ちます。さらに、走行性能も向上。e5は部屋を縦横無尽に走り回り、同じところを何度も行き来して掃除するスタイルで一見ランダムな動きに見えるため、部屋全体をくまなく掃除しているか不安になります。それに対し、「ルンバ i2」はコの字型にジグザグに規則正しく動き、効率的にくまなく掃除します。ゴミの多い場所はセンサーで検知し、集中的に何度も掃除する機能「ダートディテクトテクノロジー」を搭載しています。

↑吸引力は600シリーズの10倍、前モデル「e5」の2倍。ゴム製のディアルアクションブラシ、パワーリフト吸引と、上位モデルと同等の清掃能力を持つ

 

↑ジグザグに規則正しく動いて掃除。ゴミの多い場所を集中して掃除する機能も搭載

 

清掃した範囲をマップで表示

また、大きな進化ポイントとして、清掃した範囲をマップで表示する機能が搭載されたことが挙げられます。新たに本体底面にフロアトラッキングセンサーを搭載し、車輪の回転数やジャイロセンサーで補正しながらマップを作成する「Clean Map」により、スマートフォンの専用アプリ「iRobot Home」で掃除した範囲が確認できるようになったのです。ただし、マップは掃除するごとに作成されますが、保存はできないため間取りは覚えず、上位モデルの「ルンバ i3」のように掃除する部屋の指定などはできません。

 

このほか、専用アプリでは掃除スケジュール設定や外出先からの本体操作、床拭きロボット「ブラーバ ジェット m6」との連動もできます。

↑赤丸の部分が新搭載されたフロアトラッキングセンサー

 

↑フロアトラッキングセンサーの搭載などにより、清掃履歴がひと目でわかる「Clean Map」機能が追加された

 

また、「ルンバ i2」はサブスクリプションサービス「ロボットスマートプラン+」の対象機種となっており、「おためし1ヶ月コース」(1980円、税込※2022年9月30日まではキャンペーンにて990円)で試したあと、そのまま使いたい場合は月額1280円(税込)で継続使用できます。

 

「ルンバ i2」は今のところ、ゴミ自動収集機能を搭載したクリーンベースとのセットモデルを発売する予定はありません。別売のクリーンベースをオプション購入(4万4000円・税込)できますが、「ルンバ i2」本体と合わせると8万3800円となり、上位モデルのクリーンベース付き「ルンバ i3+」(7万9800円・税込)より高くなるため、現実的ではないとのこと。クリーンベースがほしければ素直に「ルンバ i3+」を買うのが吉、ということです。

 

「ルンバ i2」の登場で「そろそろ、ルンバ?」が加速する

「ルンバ i2」の発表会の後半では、元AKB48の前田敦子さんと、お笑い芸人の見取り図の二人が登壇。前田さんは、「子どもがあちこちでお菓子を食べこぼすので、掃除に困っています。もっと家事が効率よくできればなと思い、ロボット掃除機も気になっていますが、高価だし、本当にキレイにしてくれるのかと半信半疑なところもあって、購入に踏み切れません」とコメント。その後、7月10日が前田さんの誕生日ということもあって、アイロボットの挽野社長から「ルンバ i2」が前田さんにプレゼントされました。前田さんは「子どもの友達になりそう。すごくうれしい。普段使っているハンディクリーナーではソファやベッドの下が掃除できないので、これからはルンバに任せたいです」と大喜び。一方、見取り図の二人は既にルンバユーザー。

 

「実際に家で使っていると、ルンバに掃除しやすいようにしてあげたいなという気持ちが生まれる。常に家をキレイに保っておこうという美意識が高くなりました」(盛山晋太郎さん)

 

「ルンバは賢く、アプリを見れば掃除した場所がすべてわかります。かまいたちの濱家さんから引っ越し祝いにもらったものだが、初めて濱家さんに感謝した(笑)。ルンバは贈り物としてもベストです」(リリーさん)

↑アイロボットの挽野社長から「ルンバ i2」をプレゼントされて喜ぶ前田敦子さんと、ルンバおよびルンバの販売員に扮してルンバの良さを紹介した見取り図の二人

 

見取り図のお二人の話にあるように、ルンバを使い始めると生活や心境に大きな変化があるようです。加えて、先述の「ルンバパラドックス」で見てきた通り、使いさえすればロボット掃除機への認識が180度変わるのは周知の通り。今回、リーズナブルな価格で高性能な「ルンバ i2」の登場によって、さらにロボット掃除機のハードルも下がりました。今回の発表会で「そろそろ、ルンバ?」という新キャッチコピーも発表されましたが、まだ使ったことがない方、「そろそろ、ルンバ?」を真剣に検討する時期が来たようです。