家電
加湿器・除湿機・乾燥機
2023/1/19 6:00

A4サイズで収納できる衣類乾燥機!? 仕組みも実力も謎すぎるので検証してみた

冬は日照時間が短く外気温も低いので、外干しの洗濯物がなかなか乾きません。朝から外に干していたのに、夕方取り込んでみたらなんとなくしっとりしていてイヤ~な感じ……。かといって、そのあと部屋干しすれば臭いが気になるし、邪魔になるしで、できることなら今すぐ乾かしたい!

 

そんなときオススメしたいのが、プラスマイナスゼロから2022年12月に発売された「コンパクト衣類乾燥機 XRC-G010」です。わずかA4サイズのコンパクトなボディからは想像しにくいですが、ハンガーラックや室内の物干し竿にかけて、衣類を吊るしたまま乾燥できるというとってもお手軽なアイテム!

仕様から速乾性まで謎多き本製品を、筆者が自宅でイチから使ってレポートしていきます!

 

A4サイズで場所を取らず、隙間にスッキリ収納

まず驚くのが、その名の通りのコンパクトさ。折りたたんだ状態の本体サイズは、幅82×高さ290×奥行き210mmで、表面積はジャストA4サイズ。棚の隙間にスッと収納したりラックに吊るしておいたりできるので、一人暮らしのワンルームや物が多い洗面所に置いても邪魔にならないのがうれしいところ。

↑質量は約1.7kg(乾燥ケース含む)で、コードは約3mと長め。本体カラーは、ホワイト、グレー、レッドの3色展開で、お部屋のインテリアに合わせて選べます

 

↑500mlペットボトルと比べてもこの大きさ。隙間にすっぽり収まっちゃいます

 

使うときはサッと広げるだけ

使用する前に、まずは組み立てからスタート。吊り下げフックを開いてハンガーやパイプに吊り下げたら、フラップを両サイドにパカッと開きます。中央部には風の吹き出し口があり、そこから温風が出てくる仕様です。

↑吊り下げたところを下から見た図。フラップの中央に風の吹き出し口があり、その真下にハンガー掛けが設置されています

 

使い始めは、このフラップ周囲の溝に乾燥ケース上部のフレームをはめ込む作業が発生します。ガチッとはめ込むには少し力が必要ですが、ここでしっかり装着しておかないと、乾燥中にケースごとズサッと落下してしまう可能性もあるので注意です。

↑乾燥ケースを装着した状態。ケースの丈は、衣類や下着など乾かすもののサイズに合わせて3段階に調節可能です

 

吊り下げフックをセットするとフラップが開いた状態で固定され、準備完了。運転モードは「HIGH(温風運転)」「LOW(送風運転)」「ダニ対策モード」の3種類から選べます。ダニ対策モードではダニの繁殖を防ぐことができるので、ベビー衣類や寝具などに使用するのがオススメです。

 

温風の温度は高めの約70℃で、風がぶぉ~っと吹き出してきます。期待できるパワーです。「HIGH」にすると多少音も大きくなりますが、ドライヤーのような轟音ではないので日常生活をする上で気にならない程度。

↑シンプルな操作パネル。タイマーは最大で7時間までセットできます

 

忙しいときでもサクッと乾燥。吊るしたままだから衣類が傷まない

さて本題。実際に洗濯物を乾かしてみたいと思います。今回は、脱水までしたメンズの長袖シャツ2枚とヒートテック1枚を「HIGH」モードで乾燥させていきます。ちなみに、一度に乾燥できる目安はTシャツ3~4枚程度だそうです。中央のハンガー掛けに間隔を空けつつ衣類を干し、ケースのファスナーを閉じたらタイマースタート。

30分経過したところで、一度乾き具合をチェックしてみると……なんと7~8割方乾いていました! 乾きムラもなく全体が均一に乾いている感じで、これはすごい。生乾き臭さもありません。そのまま乾燥を続けていくと、約1時間で完璧に乾燥完了。脱水後の乾燥でこのスピード感。これなら”あと少し乾かしたいとき”の仕上げ乾燥はもっと速乾を実感できるでしょう。とにかく急いで乾かしたいときには、かなり役に立ってくれそうですね。

↑ハンガー掛けには9着分の凹みがありますが、風通しが良くなるので1個飛ばしでセットするのがオススメです。耐荷重は約10kg

 

個人的に良いと思ったのは、ハンガーにかけたまま乾燥できるので、シワを防げて、衣類が傷みにくい点です。気に入っている服をどうしても着ていきたい日に限ってまだその服が乾いていなかったりするのですが、ドラム式乾燥機に放り込んだら、シワシワになってしまうし、おしゃれ着の場合はそもそも使用できないことも少なくありません。本製品なら送風モードもあるので、デリケートなおしゃれ着や下着類なども優しく乾かすことができます。乾燥後、アイロンをかけなくて済むのもラクで良い!

 

乾きにくいパーカーはどうなの?

続いて、冬場は特に乾きにくい洗濯物の問題児、厚手のパーカーで検証してみました。編集部の担当さん曰く、浴室乾燥機でさえ3時間では乾かないとのこと。フード裏とか袖口とか、しっとり感が手強いですよね。

シャツよりも時間がかかること必至なので、タイマーは3時間に設定してスタート。途中、1時間ほどしたところでチェックしてみると……吹き出し口に近い襟元の大部分は乾いているのですが、パーカーのフードが重なっている部分と裾のリブ付近はまだまだ湿っている様子。やはり手強いぞ! そこで、フードの部分を開くように洗濯ばさみで止めて乾燥再開。30分おきに確認しつつ、結果的に3時間でほぼ全体が乾燥できました。これはもしかしたら浴室乾燥機と同等、もしくは優秀と評価してもいいかも!?

 

とはいえ、やはり厚手の衣類やジーンズなどのボトムスは乾くまでに時間が必要なので、衣類の中を開いたり単独で乾かしたりとちょっとした工夫が必要だとわかりました。また、吹き出し口に近い方が乾きやすい性質もあるので、裾部分も上にたくし上げて干すと良いかもしれませんね。

 

日常的に活用できてコスパ◎用途で使い分けても良し

本製品の実売価格は、1万6500円。オーソドックスな衣類乾燥機が5万円前後だとすると、かなり手を出しやすいお値段で、一人暮らしで少量の乾燥でOKという人にはベストマッチ。さらに電気代も1時間使用で約13円と、一般的な乾燥機の半分以下に抑えられるそうです。

 

「家族の洗濯物を一気に乾かしたい」というニーズには向いていませんが、すでに乾燥機を持っている家庭でも、おしゃれ着やリクルートシャツの乾燥は本製品が向いているかもしれません。

 

冬の気温が低い時期も、梅雨の湿度が高い時期も一年中活躍してくれそうなアイテムですので、ぜひ今のうちにゲットしてみてはいかがでしょうか。

 

執筆 kitsune