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2023/5/3 18:00

日本の住宅に合わせ小型化したロボット掃除機、SwitchBotから発売。従来機より50%も小さくなった!

スマートホームの構築に役立つIoT機器を開発するSwitchBotは、世界最小級となるロボット掃除機「SwitchBotロボット掃除機K10+」(以下、K10+)を発表、Makuakeでの先行販売を開始しました。従来機のS1/S1 Plusと比べ、本体サイズが約50%縮小されているのが最大の特徴である本機は、日本市場に適したロボット掃除機を追求してたどり着いたものだといいます。この記事では、発表会の模様と、製品の詳細についてお届けします。

 

日本市場のために作られた、世界最小級のロボット掃除機

SwichBotといえば、遠隔での家電のスイッチ操作を可能にするボットや、スマートロックなど、スマートホームを実現するIoT機器のメーカーです。そんな同社がなぜ家電であるロボット掃除機を開発するのか。それは、ロボット掃除機の持つ特殊性にあります。なぜなら、ロボット掃除機は数少ない“移動する家電”だからです。

↑SwitchBotがこれまで開発してきた、スマートホーム機器

 

同社の日本事業部に所属する北島 祥さんによると、SwitchBotが目指す理想の未来は「人間の代わりにすべての家事や日常作業を行う家庭用メイドロボットを、低価格で一般に普及させること」だそうです。メイドロボットは、当然家の中を動き回る必要があります。

 

そこで同社が目をつけたのが“移動する家電”であるロボット掃除機でした。現在のロボット掃除機の機能は清掃に限られていますが、その開発をつきつめていけば、いつかメイドロボットを生み出せるかもしれない。ロボット掃除機の開発は、同社の理想達成に向けたマイルストーンなのです。

↑プレゼンテーションをする北島さん

 

多くの家電メーカーとは異なった背景でロボット掃除機の開発を行うSwitchBot。しかし、ロボット掃除機としてユーザーが満足する製品を作れなければ意味がない、とも考えています。そこで、日本市場のニーズに合致した高性能なロボット掃除機として、K10+を開発しました。

↑SwitchBot K10+

 

↑K10+の大きさを、自社や他社のロボット掃除機と比較。その小ささは抜きん出ています

 

K10+の特徴は直径24.8cmという画期的な小ささですが、これは日本市場の独特なニーズにあわせて開発した結果です。というのも、現在日本で販売されている多くのロボット掃除機は、もともと欧米向けに開発された機種。日本の家庭は欧米と比べて狭いことから、設置スペースを抑え、清掃の面では小回りを効かせる必要があるという日本のニーズを満たせていません。大型の機種では、椅子などの脚部にはまってしまうこともあるため、そういった点の改善も求められていました。

 

K10+は、従来の掃除機に日本人が抱きがちだった不満を、解消してくれる製品なのです。

↑K10+は、これまでのロボット掃除機では対応できなかった細かな空間の清掃も可能

 

吸引力などの基礎性能は、従来機と変わらず

小型だと吸引力に劣るのでは、と不安が残ります。SwitchBotではその懸念を払拭するため、吸引力を維持することを追求しました。そこで生み出したのが、SilentTechという特許技術。これは、吸引時に巻き起こってしまう掃除機内の乱気流を抑制する技術です。この乱気流は吸引力を下げてしまうだけでなく、動作音も大きくするので、同社ではその解消に取り組みました。結果として、K10+の吸引力は、従来機とほとんど変わらない2500Paを実現させています。

↑内部で乱気流が起きやすい箇所を可視化し、その発生を抑制

 

先にも触れたように、SilentTechの導入により、本機の動作音は非常に小さくなっています。特に静音モードで運転した場合、動作音は50dBを切り、45dB程度。発表会ではそのデモも行われたので、筆者もそれを体感しましたが、掃除機とは思えないほどに静かでした。これなら在宅中に掃除をさせても全く気にならなそうです。ちなみに、一般的な図書館の内部音が50dB程度なので、K10+の静音モードは図書館より静かということになります。

↑45dBという動作音が、いかに小さいものかわかる比較

 

ただし、ゴミ収集ステーションで吸ったゴミを回収するときの動作音は小さくありません。ゴミ回収にかかる時間はそれほど長くありませんが、基本的には不在時に掃除を完了してもらうように使ったほうがよさそうです。

 

なお、K10+はゴミ収集ステーションがセットになったモデルのみの販売で、ロボット掃除機単体では販売されません。その理由について北島さんは「K10+は、小型化によって小回りがきくようになったおかげで、同じ広さの部屋でも従来機より掃除できる面積が広くなりました。そのためにゴミも溜まりやすくなったので、ゴミ収集ステーションが必須になっています」と語っています。

↑清掃できる床面積が、従来機に比べて拡大

 

↑ステーションには、4Lのゴミを収集できます

 

またK10+は、水拭きにも対応しています。個性的なのは、水拭き用のモップが使い捨てである点です。北島さんによれば、従来機に向けられたユーザーの声のなかに「モップを外して洗って干し、またセッティングするのが面倒」というものがあったため、本機では使い捨てを採用したといいます。この使い捨てモップはオプションとしてSwitchBotから販売されますが、他社製の市販品も利用可能です。

 

ただし、吸引と水拭きを同時にできるわけではない点は留意してください。一度にできるのは、吸引か水拭きのどちらか一方です。水拭きを行う場合はブラシを取り外し、水拭き用のアタッチメントとモップを取り付ける必要があります。

↑水拭き用のモップを取り付ける際には、ブラシを外します

 

↑モップを取り付けた状態

 

K10+の販売は、Makuakeでの先行販売という形で始まっています。この先行販売は25日にスタートし、開始30分で3000万円を突破しました。製品のコンセプトに共感するユーザーが多かったことがこの結果に現れています。なお、クラウドファンディングでは単品に加え、2台・3台のセットも用意されています。本機は1台でも複数のフロアをマッピングして記憶できるうえ、小型軽量なので別階への持ち運びも楽々ですが、フロアごとに設置したいというニーズも想定して、セット販売も行うことにしたそうです。

 

ロボット掃除機としては世界最小級となるK10+。小型ロボット掃除機という新たなトレンドがここから生まれるかもしれません。

 

【先行販売価格情報(全て税込)】

1台:5万1800円(通常価格より25%オフ)

2台セット:9万9420円(通常価格より28%オフ)

3台セット:12万8116円(通常価格より30%オフ)