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2023/5/30 20:00

ルンバに挑むロボット掃除機「DEEBOT T20 OMNI」発売前解説。水拭きは完全おまかせ、モップも常にキレイ。

エコバックスジャパンは吸引・水拭き清掃を同時に行えるロボット掃除機「DEEBOT T20 OMNI」を発表しました。6月16日発売で、直販価格は17万9800円です。

↑エコバックスジャパンが2023年6月16日に発売するロボット掃除機「DEEBOT T20 OMNI」(直販価格17万9800円)

 

「DEEBOT Tシリーズ」は、2022年4月に発売した「DEEBOT X1 OMNI」をはじめとするフラッグシップモデルの「DEEBOT Xシリーズ」に次ぐセカンドラインという位置付けです。しかしXシリーズにはない水拭きモップの温水洗浄機能水拭きモップを自動的に持ち上げる「モップ自動リフトアップ」機能吸引と水拭き掃除を組み合わせた4つの清掃モード壁際を入念に水拭きする「エッジディープクリーニング」機能など、フラッグシップ機にもないさまざまな新機能を搭載しています。

 

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吸引と水拭きを同時に行い、効率的に部屋を清掃

DEEBOT T20 OMNIは本体上部のレーザーセンサーを用いて部屋のマッピングと自己位置認識を同時に行う「TrueMapping2.0」や、カメラを用いて障害物を回避する「3D物体回避(TrueDetect)3.0」機能を搭載。DEEBOT X1 OMNIの吸引力(約5000Pa)よりも高い約6000Paの吸引力を実現したほか、髪の毛などがからまりにくい「ゴム製メインブラシ」を新たに採用しました。

↑本体上部に部屋のマッピングを行うレーザーセンサーを搭載し、前面には障害物を認識するカメラを搭載しています

 

水拭き掃除には、圧力をかけながら毎分180回高速回転する「加圧回転式デュアルモップ(OZMO Turbo 2.0)」を搭載。カーペットを認識すると自動でモップパットを持ち上げる「モップ自動リフトアップ」機能も新たに搭載しました。なお、「モップ自動リフトアップ」におけるカーペットやラグの毛足の長さは約3mmまでが推奨とのことです。

 

清掃モードは「吸引&水拭き」と「吸引してから水拭き」、「吸引のみ」、「水拭きのみ」の4つを搭載しており、掃除ごと、もしくは部屋やエリアごとに設定できます。ちなみに、カーペットは認識するものの、畳はフローリングと同じように清掃するとのこと。そのため、畳の部屋はマッピング後に「吸引のみ」のモードを選ぶなどの工夫が必要になります。

↑本体底面には圧力をかけながら毎分180回高速回転する「加圧回転式デュアルモップ(OZMO Turbo 2.0)」を搭載

 

↑モップパッドはこのようにはがせますが、後述の全自動クリーニングステーションで自動洗浄するため、基本的に取り外す必要はありません

 

↑髪の毛などがからまりにくい「ゴム製メインブラシ」をDEEBOTシリーズで初めて採用しました

 

全自動クリーニングステーションにモップパッドの温水洗浄機能を搭載

本体内のダストケースにたまったゴミの収集に加えて、モップへの給水、汚れたモップの洗浄、熱風乾燥まで全ての工程を自動で行う全自動クリーニングステーションも付属しています。従来モデルのDEEBOT X1 OMNIは常温水による洗浄でしたが、DEEBOT T20 OMNIでは約55℃の温水によるモップ洗浄機能を搭載しました。

↑全自動クリーニングステーションの上部のフタを開けたところ。左側が汚水タンク、右側が給水タンクです

 

清掃が完了すると、ダストケースのゴミを本体内の紙パックに約10秒間かけて吸引し、モップを温水で1~2分かけて洗浄します。その後、熱風で2時間から4時間(2、3、4時間の設定が可能)かけて乾燥させる流れになっています。

↑汚水タンク(写真)の汚水を捨て、清水タンクに水を入れるだけと、メンテナンスはかなり楽です

 

↑全自動クリーニングステーションの下部にあるボタンを押すと……

 

↑引き出しを開いてゴミパックを取り出せるようになっています。ゴミパックには最大60日間分のゴミをためておけます

 

なお、ロボット掃除機の本体内には水タンクを搭載せず、洗浄してキレイになったモップパッドを使って一定時間かけて清掃すると、全自動クリーニングステーションに戻って再度モップパッドを洗浄する仕組みとのこと。一回で水拭き掃除する時間は6分、10分、15分の中から設定できます。時間が短いほどキレイなモップパッドで掃除できますが、その分だけ全自動クリーニングステーションに戻る回数が増え、洗浄する回数も多くなるため、トータルの掃除時間が伸びることになります。

↑スマホアプリのクリーニング設定画面。好みに合わせて細かい設定が可能です

 

↑清掃後には、どこをどのように動いて掃除したのかをマップで確認できます

 

↑部屋を清掃しているところ。椅子の脚の周りも回転しながらしっかり掃除します

 

↑エッジディープクリーニングモードで清掃しているところ。本体が回転し、後方のモップパッドを壁際まで寄せて床を拭き上げます

 

↑発表会には、エコバックスのブランドアンバサダーに就任した女優の内田有紀さんも登場。DEEBOT T20 OMNIに「富士山」と名付けて愛用していると語っていました

 

エコバックスのDEEBOTシリーズは、2022年4月に発売した「DEEBOT X1 OMNI」がモップパッドの自動洗浄・乾燥機能まで付いた“全部入り”的なロボット掃除機としてヒットしました。しかし、Roborock(ロボロック)の「Roborock S7 MaxV」シリーズやアイロボット「ルンバコンボ j7+」のようなモップパッドのリフトアップ機能はありませんでした。今回発表したDEEBOT T20 OMNIはその弱点をカバーし、カーペットやラグのある部屋も安心して使えるようになりました。

 

ただ、毛足の長さは3mm程度までが推奨とのことなので、毛足の長いカーペットやラグを使っている家庭では、モップパッドを本体上部まで持ち上げるルンバコンボj7+が最も安心ではあります。とはいえ、それを差し引いても、DEEBOT T20 OMNIはモップへの給水から温水での洗浄、熱風乾燥までおまかせできる点でかなり魅力的。

 

市場では相変わらずアイロボットのルンバシリーズが大きなシェアを取っていますが、最上位モデルではDEEBOTやロボロックなども善戦しています。安心感があるルンバシリーズと、高性能・多機能を売りにするDEEBOTやロボロックなどの中国メーカー勢がしのぎを削るこの状況、ユーザーとしては選択肢が増えてうれしいところ。これからも注目したいところです。