1998年にダイソンが日本法人を設立して今年で25年を迎える。ここでは、時代を彩った数々の名品・ヒット商品を紹介しつつ、その輝かしい軌跡を改めて振り返る!
※こちらは「GetNavi」2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。
ジェームズ氏開発の画期的な掃除機は日本で製造販売した
ダイソン社の日本法人設立は1998年だが、創業者ジェームズ・ダイソン氏と日本の関係はさらに10年以上遡る。彼は1983年にはすでに紙パックが不要なサイクロン掃除機を発明していたが、そのライセンス契約を結ぶ相手が見つからずにいた。そんななか興味を示したのが日本の商社エイペックス。彼らはこの革新的なサイクロン掃除機を称賛し、シルバー精工が製造を担当、1986年「G-Force」と名付けられ日本で発売されたのだ。ここで得たライセンス料が、のちのダイソン設立の元手になった。
その後もダイソンと日本は格別な関係を持ち続ける。2004年発売のキャニスター型「DC12」は日本の住宅環境に配慮しコンパクト収納を実現した日本専用モデル。2009年発売の「DC26」も同社史上最小・最軽量モデルとしてヒットし、日本マーケットでの人気を決定づける契機となった。
また、ダイソンは同社の戦略上重要な製品をまず日本で発表することも多い。例えばダイソン初のロボット掃除機「Dyson 360 Eye」や、同社初の美容カテゴリ製品「Dyson Supersonic」を初披露したのは日本だった。さらに直営店「Dyson Demo」も、その世界1号店を2015年に東京・表参道にオープンしている。
ジェームズ氏をはじめダイソンの多くのキーマンは「日本の消費者はテクノロジーに敏感だ」と語る。ときに手厳しい日本のユーザーの要望はダイソンにとっても刺激的なようだ。今後もダイソンが画期的な製品やテクノロジーを発表し、日本のユーザーがそれを熱狂を持って迎え入れる、両者の”蜜月関係”は長く続くはずだ。
年表で振り返る、僕らのダイソンの“今まで”
【1986年】G-Force
【1998年】ダイソン株式会社設立
日本オフィスを東京・半蔵門に構え、販売業務をスタート。これを機に、日本の住環境に適した製品開発も始まった。
【2004年】Dyson DC12
【2007年】Dysonリミテッドエディション DC16
【2009年】Dyson DC26
【2011年】Dyson Digital Slim DC35マルチフロア
【2014年】Dyson Airblade Tapハンドドライヤー
【2014年】Dyson 360 Eye ロボット掃除機
【2015年】Dyson Pure Cool 空気清浄ファン
【2016年】Dyson Supersonicヘアドライヤー
【2023年】Dyson Micro Plusコードレスクリーナー
なぜ、ダイソンは革新的テクノロジーを次々に生み出せるのか
ダイソンはイギリス、シンガポールなど世界10か所にエンジニア・リサーチ拠点を有し、従業員の3分の1以上がエンジニアや科学者。テクノロジー研究開発への投資額27億5000万ポンドも破格だ。後進育成にも積極的で、2017年に大学を開校。授業料無料で、会社で働きながら学べ、給与も全額支給される。各種教育機関への寄付も行っている。