覗けば深い女のトンネルとは? 第14回「ロマンチックな告白もセリフはシンプルに」
たまに、すんごい大仰なプロポーズして成功、感動ストーリーみたいなニュースがネットに流れますね。ああいうのを見ると、大博打張っててんなあと思います。オーケーの確信があるからやってるんでしょうが。
女子の憧れは、すんごいプロポーズなんでしょうか。もちろん、女が喜ぶと思って男性はいろいろ頑張るんだろうけども、男子の考えるそれとはちょっと違う気がします。
和久井は過去に1度だけプロポーズされたことがありますが、普段「かっこいい店とか金の無駄だ、安くて美味い居酒屋こそ素晴らしい」とか言ってる人なのに、突然ホテルかなんかで飯食おうとか言い出したので、あーこりゃくるなと思いました。本人はサプライズのつもりだったみたいですが、なぜバレないと思ったのか不思議です。
でも大博打プロポーズには利点もあります。たぶん、プロポーズの言葉自体はとてもシンプルだと思います。「僕と結婚してください」とか、せいぜい「一生一緒にいてください」とか?
結婚紹介所で知り合った女性にプロポーズするのに、男性はとても緊張するそうですね。今日言おう、最後に言おうと思っているうちに帰りの電車になってしまい、
「僕とけっ……」
山手線、発車しまーす、バタン
とかになって言えずじまいになったりするそうです。
いくら最後に言おうったって最後過ぎやしませんか。婚活コンシェルジュの方は「プロポーズは早めの時間にシンプルに」と指導するそうです。
時には男性が勇気を振り絞ってプロポーズしたにもかかわらず、女性から婚活コンシェルジュに、
「今日、プロポーズされるかと思っていたのに、なかったのでダメなんでしょうか」
と相談されたりするんだとか。
そうなんです。意外と、凝った言い回しは女に通じないんです。
少女漫画で「ヤバいプロポーズ」として有名なシーンがありますが(「少女漫画 プロポーズ やばい」で今すぐ検索!)、これも返事がおかしいだけで、プロポーズ自体は「結婚しよう?」と、大変シンプルです。
その他少女漫画の告白も、
「おまえが好きだ」(『花より男子』道明寺司)
「俺はマリアが好きだよ」(『悪魔とラブソング』神田優介)
とまあ大変シンプルでダイレクトです。
『めぞん一刻』で、五代くんが響子さんに、
「響子さんの作った味噌汁……食べたい」
とプロポーズのつもりで言ったもののぜんぜん通じなかったというシーンがありました。まあこれはたいていの人に通じないと思うけど。
ロマンチックな状況は女子の好物だけど、セリフそのものはわかりやすくないといけません。
同時に、個人的に困っているのが、恋愛に関する隠語です。
以前、旅先でみんなで飲んだ後に男性から、
「部屋飲みしようよ」
と言われて「わーい飲む飲む!」と思ってついていったら、真冬のさなかにパンツいっちょで部屋で待たれてたことがありました。「飲むって酒じゃないのか!」と動揺を隠せませんでしたが、なんだかんだ言って飲むだけ飲んで帰ってきました。友達にその話をしたら猛烈に怒られるし。部屋まで行っておいてスルーするとか、部屋に誘った男性は和久井の被害者だそうです。なんでだ。
先日も、男性と飲んだ後に、
「うちに来る?」
と聞かれて、
「わーい、行く行く! じゃあまたね!」
と言って帰ってきましたが、もしかして当日行ったほうがよかったのでしょうか。大好きな人だったんだけどなあ。
「部屋飲み」はまあ知名度の高いセリフかもしれませんが、どういうつもりなのかイマイチわかりにくい誘い文句は避けて欲しいものです。かといってあまりにダイレクトだとデリカシーに欠けるので難しいところですが。
個人的には、自分の気持ちを伝えてくれたら誤解が少なそうな気はしています。
「今日はずっと一緒にいたいから、うちに来る?」とかでしょうか。旅先で部屋飲み誘う程度の相手に自分の気持ちもなにもないんでしょうが。
ともかく、リスクを避けてやんわりした言い方をして断られたとて、それが相手に伝わっていなかった可能性は大変高いということです。もしも両思いだった場合はとってももったいないですよね!