覗けば深い女のトンネルとは? 第15回「勝負パンツは嗜好品?」
去年(2016年)のことですが、男性とデートすることになったので、女友達と勝負パンツを買いに行きました。新宿伊勢丹に有名な(高級)ランジェリーショップがあると聞き、2人して乗り込み、
「勝負パンツください!」
と申し述べました。
「えっ、勝負パンツって、なんの勝負ですか……?」
と店員さん。
勝負パンツと言って、ほかになにか勝負で使うことがあるんでしょうか。勝負ごとだからスポーツ? ボクシングとか? それとも履いてると商談がうまく行く御利益パンツとか……?
「勝負パンツと言ったら恋愛ですよ恋愛!」
と叫び、少々面白くなってきたっぽいスタッフの方に、めぼしいものをいくつか出してもらいました。
とは言うものの、下着の種類ってめちゃくちゃいっぱいあって、何をどう選んだらいいかわかりません。
「まずは色を決めるか」
ということになったのですが、その色もめちゃくちゃたくさんありました。
そこへ友人が、
「“さるあか”と言って、申年は赤い下着を着るといいらしいですよ」
と教えてくれたので、とりあえず色は赤にすることにしました。この時点で細かいことを考えるのがかなり面倒になっていたのかもしれません。
いくつかの赤いパンツセットを持って、試着室へ。試着室は売り場の奥にあって、個室の前には待機スペースがあります。和久井が個室で着替えたら、シャッとカーテンを開けて、外で待っている女友達に見てもらうというプチファッションショーをしてたんですが、ここの試着室、カップルで来たりするらしいです。心底、リア充のカップルって、人を不愉快にするのがうまいですね。
さてファッションショーを経て無事に赤い勝負パンツのセットを購入しました。嬉しくってついいろんな人に言いふらしていたんですが、これがものすごく評判が悪い。
「初めてでいきなり赤いパンツを履いてたらドン引きだわ!」
だそうです。
取材でご一緒した某大演歌歌手の方からも、
「赤かったらびっくりしちゃうわよ」
と言われました。
えーっ。けっこう高かったのに! 2万円以上しましたよ、セットで。そう考えると、女のトータルファッションってめちゃくちゃ金がかかってますね。男性のみなさんにはそこを十分ご理解いただき、いたわっていただきたい。
「やる気満々だと思われてドン引きだ」
とも言われたので、
「そしたら『申年だから!』でごまかすわ」
とか言ってたんですが、そうこうするうちに申年が終わってしまったので、言い訳もできなくなってしまいました。12年後まで取っておきます。
赤がダメなら、なにがいいんだ?
AVではよく女優さんが白い下着を着てますが、あんな汚れやすくて繊細な色、たいていの女は買いませんよ! だけど男性には清楚に見えるらしいので、下心を隠すときによさそうですね。赤と正反対です。
「いったいどういう勝負パンツが好きなのよ」と男友達に聞いてみました。すると、
「ラーメンと同じでさあ……」
ラーメン!?
好みは人それぞれ、ということだそうですが、下着ってラーメンに例えるものなんですね。嗜好品ってことでしょうか。結局、赤い勝負パンツは不評だったので、別の色のセットを買って「ホラ見て」って女友達に見せびらかしたらしいです(覚えてない)。