「限りある資源を大切に!」とは唱えつつも、日々発生してしまうコピーミスや、大して読まれないまま用済みとなってしまう書類の山。最近は個人情報保護の観点からも書類の処分には慎重さが求められ、ときにはその手間にうんざりしてしまうときも。
そうした課題を一台で解決してくれそうなこちらは、エプソンが開発した製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」。文書情報など使用済みの紙を原料として、しかも水を使わずに新しい紙を生産できてしまう機械なのです。
オフィスだけで完結する小さなリサイクル
機密文書の処分には、これまで外部へ委託したり内部で裁断したりといった手間が不可欠でした。しかし「PaperLab」をつかって作る紙は、そうした使用済みの文書が原料となっています。
文書は紙繊維にまで分解され、情報を完全に抹消。機密書類を外部に持ち出すことなく社内で安心して処理が可能です。
あらゆるサイズや色の紙を生産可能!
使い方はいたってシンプル。「PaperLab」に使用済みの紙を入れ、再生開始ボタンを押せば約3分で1枚目の新しい紙ができあがります。
A4用紙の生産能力としては、1分間に約14枚、1日8時間稼働させれば6,720枚の紙を、オフィスで生み出すことができるのです。そのほか、紙厚の異なるA4・A3サイズのオフィス用紙や名刺用紙、色や香り付きの紙など、さまざまな種類の紙も生産可能。
紙一枚に、どれだけの水が必要か
一般的には、A4の紙1枚を作るためにコップ1杯の水が使われています。紙の原料となる木材だけでなく、こうした水も貴重な資源のひとつ。
「PaperLab」により水を使用せずオフィスで紙を再生することによって、これまでリサイクルにかかっていた手間や工程が省かれることとなります。新しい紙の購入量を減らせるだけでなく、これまで必要だった輸送CO₂の削減にも好影響を与えることができるのです。
また、水を使わないという観点から、「PaperLab」は給排水の設備も不要。オフィスのバックヤードにも設置しやすい小型サイズとなっています。
紙のリサイクルや生産の現場というと日々工場地帯でおこなわれており、私たちの生活とは遠い存在のように感じられます。しかしこの「PaperLab」はオフィスに設置できる、いわば小さなリサイクル工場。使わなくなった紙を自分たちの手で新たな紙にする、という作業は少しずつ私たちの環境への関心も変えていきそうです。
サイズはW2600mm×H1800mm×D2600mm。2016年内の商品化を目指しているとのことです。