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2015/12/24 14:05

【今日から音楽ツウのふり。】ヴィジュアル系という様式の果てしなき可能性!

コレを読めば最新ミュージックシーンが手にとるように“わかった気に”なれる!
怖いもの知らず系音楽ライター・石井恵梨子の「今日から音楽ツウのふり。

 

第四十七回のテーマ
音楽であって音楽に非ず。V系という様式の果てしなき可能性!

 

日本が世界に誇るオリジナルの音楽は……演歌? 否、いまの基準で見れば圧倒的支持率を誇るのはヴィジュアル系(以下V系)なのである。

 

ただでさえ小柄な日本人男性が見目麗しく着飾り、ロマンチックかつ悲劇的なことを歌う。これは外国人から見れば二次元キャラが三次元になったような衝撃であり、いまや日本独自のカルチャーとして支持されている。また、この様式美さえ守っていれば音楽は何でもアリというのがV系の不思議。体裁はロックバンドでも、昭和歌謡、ラップ、シャンソン、ピアノ伴奏のバラードなどオールOK。こんなに許容範囲の広い音楽ジャンルは、確かに他にないわけだ。

 

その先駆者はもちろんX JAPAN。つい先日行われた約20年ぶり(!)のジャパン・ツアーも話題になっているが、いまなお1mmも老けないYOSHIKIの姿を見ていると、ここまで確固たる「様式」をメンバーと作り上げ、いまなおカリスマとして君臨していることが奇跡だと唸ってしまう。

 

さて、彼らから始まったV系の様式は、数多の若手に受け継がれながら、現在どこまでも裾野を広げて進化中。ゴールデンボンバーが出てきた時は究極のパロディだと感心したが、そこに横槍を入れるように登場したのがマキタスポーツ率いるFly or Dieだ。一見V系のパロディバンドに見えなくもないのだが、毒とユーモア、痛烈な批判も含む歌詞が秀逸。自身の多彩な視点を歌として語り尽くし、V系の様式さえ守っていれば矛盾さえ気にしない。ボケとツッコミが必要不可欠である笑いの世界を飛び超えた彼の洞察力は、本当に笑えないくらいシュールである。

 

というか、音楽どころか芸をも飲み込んでしまうV系、その果てなき可能性を褒め称えるべきか。様式さえ守れば何でもアリ。こんな自由は他にない!

 

 

“わかった気に”なれる2枚

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X JAPAN
「THE WORLD~X JAPAN 初の全世界ベスト~」
3000円(税別)

2014年発売のべスト盤。スラッシュメタルに独自の解釈を加え、ここまでオリジナルの音に変えた手腕に改めて感服!

 

 

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マキタスポーツpresents
Fly or Die
「矛と盾」
通常盤 3000円(税別) アナログ盤 4500円(税別)
1月20日発売

歌手としても定評のあるマキタスポーツが、本気で作詞作曲。笑える冗談と笑えない人生劇場があくまでV系っぽく迫る。

 

 

音楽ライター 石井恵梨子

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