2016年4月に始まった電力自由化から1年、2017年4月から今度はガス自由化が始まりました。それを受け、5月9日、東京電力エナジーパートナーは7月より開始する家庭向け都市ガス販売の料金プランを発表。今回、東京電力が打ち出した「とくとくガスプラン」は、東京ガスの一般料金よりも3%安く、さらに料金適用開始から1年間は5%割引の「スタート割」も適用されて最大8%引きになるというもの。そこには電力自由化でのマイナスから巻き返しを図りたい、という思惑があるようです。
昨年4月から開始された電力自由化により、ガス会社など、さまざまな企業に電気契約を奪われていたという同社。今年4月から始まったこのガス自由化で巻き返しを図るべく、冒頭でも述べた3%割引の「とくとくガスプラン」に加え、年間の電気料金も安くなるセットプランなどでアピールしていく考えです。
例えば、東京電力の「従量電灯B」と東京ガスで月額1万7300円の電気代とガス代がかかっていた人は、電気料金を「スタンダードS」に、ガス料金を「とくとくガスプラン」に変えることで、ポイント込みで月額1万6600円相当に下がる見込み。さらに、2年契約の「プレミアムS」に切り替えれば、さらにおトクになるとのこと。ただ、電気もガスも利用量によって割引額が変動するので、使う量によっては東京ガスのセット割と比較して、安くなったり、ならなかったりすることもあるようです。
受け付けは5月10日より開始されていますが、サービスの開始は7月からで、販売対象も東京都と神奈川県の東京ガスの都市ガスが使える地域のみ。サービス開始時の契約目標は4万人となっていますが、今後は提供エリアを拡大していき、2019年には契約件数100万件を目指すとのことです。
また、ガスの販売以外に、「住宅設備・家電修理サービス」の開始も発表されました。これは毎月250円(非課税)を支払うことで、設置・購入から10年以内の住宅設備(調理コンロや給湯器)や家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機)の修理を最大50万円(税込)まで、何度でも、何台でも受けられるサービス。住宅設備のみなら100円、家電のみなら200円と片方のみに加入することもできます。
電力自由化も始まった当初は盛り上がりを見せたものの、最近では話題に上がることも少なくなってきました。ガス自由化でエネルギーを自由に選べ、安く使える時代が本格的に訪れるのでしょうか。東京電力の参入はそのカギになってくるかもしれません。