宅配ボックスというと戸建用が目立ちますが、集合住宅用の宅配ボックスはどうなっているのでしょうか? 本記事ではフルタイムシステム社の取り組みを紹介しながら、多機能に進化を遂げた驚愕の世界を紹介していきましょう。
小さいボックスを用意して使用効率をアップさせた
フルタイムシステムは、集合住宅用宅配ボックスのパイオニア企業。B to Bが取引の中心のため一般的な知名度はそう高くありませんが、分譲マンションの宅配ボックスで60%以上のシェアを誇ります。その“巨人”が、昨今の「宅配クライシス」を受けてますます勢いを強めています。
「既築マンションからの見積もり依頼が特に増えています。問い合わせ件数は3倍以上となりました」(同社・唐沢徹明さん)
既築マンションからの問い合わせが多いのには、理由が。同社のフラッグシップモデルであるPOSTAKUは郵便ポストと宅配ボックスを備えるロッカーですが、ウリのひとつは圧倒的な省スペース性。宅配ボックスを導入していないマンションが、ロビーの空いているところなどに設置したいという思惑に応えられるアイテムなのです。ボックスの組み合わせが多彩で、小さいユニット単位での発注にも対応するのもポイントでしょう。また、省スペースの実現は、荷物サイズの研究の賜物でもあります。
アマゾンの段ボール箱を研究して、宅配ボックスの形状とサイズの最適化を図ったといいます。
「通販といえば店舗から手で持ち帰るのが困難な大型製品が多かったのですが、ここ数年は書籍や衣服など小さくて軽い荷物が増えています。そこで、POSTAKUでは小容量のボックスを多く用意。小さい荷物はそこへ入るため、使用効率が良いんです」(唐沢さん)
そして、24時間365日体制で見守ってくれるコントロールセンターは心強い存在。宅配ボックスのモニターを通してのオンライン通話で、盗難やロッカーキーの紛失といったトラブルに即対応してくれます。さらに、カーシェアリングのキー管理や電気自動車の充電など、多彩な機能を有しているのも特徴。まさに“何でもアリ”な「超」宅配ボックスです。
クリーニング品の受け渡しやカーシェアリングにも対応!
フルタイムシステム
POSTAKU
大型郵便や書留も受け取れる、マンション用のポスト一体型宅配ボックス。高いデザインと省スペース化を実現。コントロールセンターが24時間365日体制で監視しており、セキュリティ対策やトラブルへの対応も万全です。
POSTAKUでできること
◉宅配物の発送
◉書留郵便物の受け取り
◉クリーニング品の受け渡し
◉カーシェアリングのキー管理
◉食材の配達(食配ラボ)
◉電気自動車の充電(エフチャージ)
…and more!同社が培ってきたセキュリティシステムを駆使して多機能化。これで省スペースなのがスゴい!
ポストは大容量化したことで大型郵便も入れられるようになりました。再配達になるリスクを未然に防ぎます。
ポストと宅配ボックスを一元化することで、操作キーも一元化。紛失のリスクが減少し、使い勝手も向上。
【不動産メーカーとの取り組み】
業界ナンバーワンの同社には、異業種の企業からも引き合いが数多くあるという。「再配達ゼロ」を目指す不動産メーカーとのコラボプロジェクトを紹介!
●その1×三井不動産レジデンシャル
宅配ボックスの利用効率を向上させる取り組みを開始
利用状況に適した構成の見直しなどにより、宅配ボックスの利用効率を高める取り組みをスタート。6月下旬分譲予定のパークタワー晴海(東京都中央区)で導入されます。
パークタワー晴海は1076戸の大型マンション。今後は別の物件でも導入します。
その2×大京
ひとつのボックスに複数の荷物を入庫できる
ライオンズマンションの大京とのコラボによる宅配ボックス「ライオンズマイボックス」を開発。ひとつのボックスに複数の荷物を入れることでスペース効率を高めます。
シンプルで洗練されたデザイン。2016年のグッドデザイン賞を受賞しました。