東京は、何かとお金がかかる街。住まいや食事だけでなく、息をするのにもお金がかかるかと思うほど。ただ、世界の中には食パン1斤の標準価格がなんと2000円超という都市も存在します。つい最近リリースされた生活コストがかかる都市のランキングで、その意外な結果が話題となっているのです!
世界生計費調査で判明した世界で最もお金のかかる街
コンサルティング会社のマーサーが、世界5大陸の209の都市を対象に調べた「2017世界生計費調査・都市ランキング」を発表しました。
先進国の大都会が1位に輝くと思いきや、アンゴラの都市が1位になりました。果たして、その背景とは……? まずはランキング結果を見ていきましょう。
1位:ルアンダ(アンゴラ)
2位:香港(香港)
3位:東京(日本)
4位:チューリッヒ(スイス)
5位:シンガポール(シンガポール)
6位:ソウル(韓国)
7位:ジュネーブ(スイス)
8位:上海(中国)
9位:ニューヨーク(アメリカ)
10位:ベルン(スイス)
アフリカのアンゴラが昨年の2位から順位をあげ、1位という結果に。本調査は、それぞれの都市の200項目ものコストを米ドルベースで換算し、比較したもの。「海外駐在員にとって」の生活費であるため、必ずしも現地の人の生活コストを示すものではありません。
じつは1位のアンゴラは、上位の常連国。一体なぜ、アンゴラではそんなにお金がかかるのでしょうか。
例を上げれば、安全の確保できる外国人駐在員向けマンションの賃料1ヶ月分、寝室2部屋・家具なしで、6000ドル(約66万6000円)。ハンバーガーセットが14.41ドル(1599円)。そして、主食となる食パン1斤(1キロ)あたりの値段は18.96ドル(2104円)!
2000年代まで内戦に苦しんでいたアンゴラには、外務省データによれば、2015年時点で108人の日本人が在留しています。現在経済発展の最中ですが、安全の確保された場所に住むためのコスト、精白された小麦粉で作った主食の食パンが異常に高いのが特徴です。
世界で最もお金のかかる街・3位に東京が選ばれた理由
ちなみに2位の香港に続いて東京は3位と、高い位置につけています。去年の順位5位からランクが上がった主な要因が、円高。
他の国と比べて高いのが、家賃です。外国人駐在員向けマンションの賃料1ヶ月分、寝室2部屋・家具なしで4249.46ドル(47万1690円)と、高水準。
仮に家族とともに来日し、ビジネス街の近隣で3LDK以上(寝室2部屋)の広さの清潔な部屋を希望すれば、高くつくのは必然。
一方で、水やコーヒー、ビール、ガソリンなどは世界の他の都市と比べ、めだって高いわけではありません。そのため、家賃さえ会社に負担してもらえれば、あとはそれほど不便を感じるレベルではなさそう。
ちなみに209都市中、生活コストが最も低い国は、アフリカの北部、チュニジアのチュニスという結果になっています。
このニュースに対して、海外では「なぜアフリカ間でこんなに格差があるんだ」「ルアンダが1位って、信じられないよ」「ルアンダまた1位に返り咲いちゃったんだ」「僕はルアンダでピザに60ドル払ったよ」などとTwitterに書き込まれています。
家族を連れて異国の地に長く住む駐在員にとっては、安全で快適な住まいや食は必須の条件。コストがかかったとしても、ハイクラスの駐在員にとっては、安全で清潔で文化的な刺激が多い東京は魅力的にうつるのではないでしょうか。