みなさんは日本の文化が遠いヨーロッパの国でも愛されていると知ったら、どのように感じますか? おそらく 、日本人としての誇りを感じるはず!
筆者は、日本から8500キロも離れた距離にある国・ポーランドに住んでいます。これまでにカナダやイギリスでも海外生活を経験し、そのなかで日本の文化にも触れてきましたが、ポーランドではもっと浸透しているのです。
本稿ではポーランド人に大人気で、なおかつ他の国よりはるかに本格的な日本の文化をご紹介します。
【その1】寿司の技術が高くて日本人でもうなるほどおいしい
日本料理を代表する食べ物といえば寿司であり、ポーランドに限らず多くの国で親しまれています。
しかし、外国のSUSHIレストランのメニューを開いてみると、とんでもないアレンジが加えられた寿司の数々に仰天する日本人も少なくないでしょう。外国人はそんな寿司でも美味しそうに食べているのですが、日本人としては許せない組み合わせも……。
巻寿司の具にバナナやイチゴが入っていたり、その上からチョコレートソースが掛けられていたりと、日本人からするとゲテモノと思ってしまうメニューも数多く存在するのです。
そして、こちらがポーランドの寿司。98%のレストランではポーランド人が握っていますが、日本人が食べても納得できる味は意外と多いです。
筆者自身もヨーロッパ各国で様々な寿司を味わってきましたが、中でもポーランドの寿司は最もレベルが高いと言っても過言ではありません。
一見、「これは怪しい」と感じるものでも騙されたと思って食べてみてください。握りは日本で食べるものが新鮮で一番ですが、ポーランドで食べる洗練された寿司は期待を裏切りません!
【その2】黒澤 明監督の映画もポーランド人の心をわしづかみ!
50代以降の世代のポーランド人であれば、黒澤 明監督の映画作品を一度は観たことがあります。
黒澤 明といえば、30本もの映画作品と数多くの名作を生み出した「世界のクロサワ」とも称される人物。中でも、『七人の侍』(1954)と『隠し砦の三悪人』(1958)はポーランドでも当時大ヒットしました。
この映画が公開されたころのポーランドは、ソ連の衛星国であり社会主義まっしぐら。国民は政府が承認した映画しか観ることができず、特に外国の映画を鑑賞することは厳しく制限されていました。
しかし、そんな時代でも黒澤 明の映画はテレビで頻繁に放送され、当時のポーランド人の心を大きく揺さぶったといいます。ポーランド人に「日本の映画といえば?」と聞けば、「Kurosawa」と返ってくる確率はかなり高いでしょう。
【その3】難しい折り紙の本がポーランドの子どもに大人気
日本人であれば、誰もが一度は折り紙で遊んだことがあるはず。
そして、なんとそれはポーランドでも同じなのです! ポーランドの幼稚園または小学校の図工のカリキュラムには、折り紙のレッスンが必ずと言っていいほど含まれています。
ポーランドの多くの子どもたちは難しい折り方に挑戦したがるので、折り紙の本はとても人気。ポーランドでは1991年、Polskie Centrum Origami という団体が設立され、それ以降もいくつかの折り紙に関する協会や団体が発足しました。
その内のひとつ、Polskie Towarzystwo Origamiでは折り紙マガジンなるものを発行しています。
【その4】日本のアニメが浸透していて影響力が大きい
30台後半のポーランド人男性にとって、日本を代表するアニメといえば「キャプテン翼」。同世代の女性なら「セーラームーン」、20台後半であれば「ポケモン」と答えるでしょう。
ポーランドでこれまでに放送された日本アニメのタイトルは、ゆうに100を超えています。筆者が聞いたこともないようなタイトルもあり、「地球少女アルジュナ」「北極のムーシカ・ミーシカ」「剣勇伝説 YAIBA」などなど。
ポーランドは親日国家といわれますが、やはりアニメやマンガがきっかけで日本文化に興味を持つポーランド人は多いです。ポーランドには現在55以上もの日本語教育機関が存在し、名門ワルシャワ大学の日本語学科の倍率は、過去30倍を超えたことも……。
日本でポーランド語を学べる大学よりポーランドで日本語を学べる大学のほうが多いのは、アニメの影響が大きいかもしれません。
以上、ポーランドで受け入れられている日本文化を4つ紹介しました。もしポーランド人と話す機会があれば、これらの日本の話題だけであっという間に時間が過ぎるかもしれません。ほかにも、様々な日本の文化やスポーツがポーランドでは人気を集めていますよ。