日本は世界的に見ても祝日がかなり多い国。その数は2017年現在で年間17日。なんと世界1位というのだから驚きです。筆者の住むポーランドでは年間13日ですが、これでも欧州では多いほう。
さて、そんな日本とポーランドには共通する祝日が2つあります。同じ祝日でもポーランドではどのような意味を持つのか? 文化の違いに焦点をおいて見ていきましょう。
1月1日元旦
日本での新年の過ごし方といえば様々です。友達と集まったり、恋人と参拝に行ったり、家族と過ごしたり。一方、ポーランドではとにかく賑やかに過ごす人が多く、年末が近づいてくると「パーティーはどこへ行くの?」と聞くのが恒例です。
大晦日には各地でコンサートが開催され、友達とナイトパーティーに参加したり、ホームパーティーを楽しんだりと静けさはありません。テレビ番組の多くはコンサート会場との生中継です。
また、1月1日に日付が変わる前後、夜空には花火が上がります。市や企業が打ち上げることもあれば、個人で大きな花火を打ち上げることもあります。
グラスにシャンパンを注ぎ、しばらく花火を眺めるというのがポーランド流の新年の迎え方。その後は朝までパーティーを楽しみ、元旦は自由気ままに過ごすというのは日本と同じです。
また、日本人が神社やお寺に行くのと同様、キリスト教カトリックのポーランドでは教会のミサに参加します。カトリックでは「神の母聖マリアの祭日」という祝日であり、また世界の平和を祈る日。元旦はすべてのショッピングモールやお店が閉まるため、日本のようにバーゲン三昧になることはありません。
5月3日憲法記念日
なんと、偶然にもポーランドの憲法記念日は日本と一緒です。1791年5月3日、ポーランドではアメリカに次いで世界で2番目に成文憲法が策定されました。
日本の憲法記念日は、1947年の5月3日に施行された「日本国憲法」を記念してできたものですが、ゴールデンウィークのど真ん中だけに影が薄くなり、この日をあえて振り返る人は多くないでしょう。その一方、ポーランドの憲法記念日は特別な意味を持ちます。
1791年5月3日、ポーランド・リトアニア共和国の最後の国王スタニスワフ・アウグストは、ポーランドの存続をかけて改革を起こしました。その1つが5月3日憲法でしたが、努力も叶わずポーランドは1795年から123年間、地図上から姿を消すことになります。そしてポーランドが復活した翌年の1919年、5月3日は正式に国民の祝日となりました。
この日ポーランドでは、各地で憲法記念日を祝うコンサートやパレードが開催され、教会では祝日のミサが行われます。また、5月1日(メーデー)も祝日であるために連日で国旗が見られ、国全体がお祝いムード一色になります。日本と同じく5月の1週目前後は祝日や週末が重なることもあり、多くのポーランド人は外で楽しく過ごすのがお決まりです。
以上、日本とポーランドに共通する2つの祝日を紹介しました。日本に17日もの祝日があれば、ポーランドと同じ祝日がまだありそうですが、日本で12月25日は祝日ではなく、またポーランドも「母の日」や「父の日」といったような日はあるものの祝日ではありません。
祝祭日の日数は働き方にも影響します。日本人は祝祭日が多いけどバカンスが短く、働き過ぎだと言われる一方、欧州の人たちは祝祭日が少ない代わりに長期バカンスを取ります。他国の祝日のことを調べることで、自分のライフスタイルを振り返ってみてはいかがでしょうか。