日本ならではの“居酒屋カルチャー”のいいところ
日本が大好きな彼女ですが、この取材のように日本人とじっくり話すのは初めてだそうです。「10年前はこうやって自分の滞在するところへ日本人が4人も来るなんて想像もしなかったわ(笑)。田舎では家に寄っていきなさいと言われることもあるけど、東京ではそんな経験はなかなかないですからね」(ラ・ピーナさん)。
そんな東京でも気軽に日本人とコミュニケーションできるのが、なんと居酒屋。「居酒屋では酔っ払っているおじさん達が話しかけてくるんです。それが楽しいから、居酒屋が大好き!」(ラ・ピーナさん)
日本を訪れる海外の人がこんな風にコミュニケーションを求めているとは考えもしませんでした。この話を聞いてからは、飲食店で外国人にもっと話しかけてみようかなと思わされます。
居酒屋以外にも、お好み焼きやしゃぶしゃぶも大好きで、その理由はなかなかユニーク。「レストランに来てお金を払って、どうして自分で料理しなきゃならないのかと思うから、それが楽しいんです」(ラ・ピーナさん)。エミリアーノさんも「イタリアはレストランに行ったら王様のように何でもサービスしてもらいたいと思うから、本当に不思議だよ!」と驚きの様子でした。
お気に入りの街はシモキタと原宿
今回の取材でお邪魔したこの民家は、どうやら「Airbnb」を使って借りたのだとか。2人は日本に来るときはできるだけ民泊を活用していて、毎回違うエリアに泊まるというこだわりがあるそうです。
「イタリアでの暮らしも愛しているから、日本に引っ越すことはないんです。でも、こうやって民泊をして、日本の暮らしを体験しに来るのが大好き。でも、イタリアに帰るとすぐに日本が恋しくなって、なかなか日本に行けないとストレスが溜まるんですよね(笑)」(ラ・ピーナさん)
そんなラ・ピーナさんのお気に入りの街は下北沢で、行きつけのバーもあるそうです。エミリアーノさんはファッションが好きということもあって、原宿が大好き。去年はキャットストリートで民泊し、大好きな街の大好きな場所に泊まれるということに興奮したのだとか。
では、逆にラ・ピーナさんたちに日本人におすすめしたいイタリアの街はどこなのか聞いてみると、開口一番エミリアーノさんが「イタリアの街は世界で一番美しいから、全部行かなきゃだめだよ!」とのこと。一方のラ・ピーナさんのオススメは「アドリア海沿い」。下田や熱海のような趣きがあるそうです。あとは、人が親切なボローニャも旅行者には優しいとのこと。
今回、日本語版が出版された「I ♡ TOKYO(アイラブ東京)」は、ラ・ピーナさんから東京に向けたラブレター。いまは大好きな人に告白して、その答えが少しずつ見えてきているところだといいます。日本で暮らす私たちにとっても、外国から日本がどう見られているのかがわかって面白いのがこの本のいいところです。東京の良さを再認識してみてくださいね。
【書籍情報】
書名:I LOVE TOKYO
著者: LA PINA(ラ・ピーナ)
翻訳:岩田デノーラ砂和子
価格: 本体1200円+税