強打の捕手として千葉ロッテマリーンズで16年間プレーし、2度の日本一に貢献。2006年のWBCでは正捕手として世界一&大会ベストナインも受賞した里崎智也さんが、読者の悩みをズバッと解決する。第2回目はお金の話!
【今回のお悩み】
婚約中の彼が趣味にお金を使いすぎて貯金が60万円しかありません……。節約させるには、どう諭せばいいでしょうか。
4歳年下の33歳の彼に、貯金が60万円しかないことが判明しました。趣味にお金を使いすぎるのが原因です。大好きな野球観戦は年間30試合。野球グッズも増える一方。野球以外にもクルマや音楽など、お金がかかる趣味ばかりです。今後は家も買いたいので節約してほしいのですが、どうやって諭すといいでしょうか。
(30代・女性・団体職員)
趣味を制限するのは逆効果。具体的な目標設定を!
いきなり結論を言ってしまうと、彼の趣味を制限するのは無理! やめたほうがいいです。なぜなら、おそらく彼にとっての「趣味」は、働くうえでの最大のモチベーションになっているから。野球観戦に行きたい、クルマや音楽を楽しみたい……だから頑張って働く。
もしそれを「やめてほしい」「減らしてほしい」と言ったら、モチベーションはダダ下がりです。人間って、「なにかのため」でないと生きていけない。それはお金のためだったり、家族のためだったり、人それぞれですけど、彼の場合は趣味なんでしょう。そこを奪ってしまっても良い結果にはならない。諦めてください!(笑)
とはいえ、それでは解決策にならないですよね。じゃあ、どうすればいいのか。
この相談を見る限り、相談者さんの「目指すところ」がちょっとぼやけているように感じます。ただ単に「もっと節約してほしい」「今後は家も買いたいので貯金もしたい」と言っても、じゃあ具体的にいつまでに、どのくらいの価格の家を買いたいのか。それを彼に話していますか? そのうえで、毎月いくら貯金しなければいけないのか、ふたりの間で「明確な目標」を決めることが大切です。
あいまいな目標ではお金は絶対にたまりません
実はコレ、野球も同じ。「上手くなりたい」「もっと稼ぎたい」みたいなフワッとした目標では、絶対に結果は出ない。「これだけの数字を残したい」と決めることで、そこから逆算して、何をすべきかがわかるんです。
ここで重要なのは「身の丈に合った目標」を立てること。一度もレギュラーになっていないヤツが「ホームラン30本打ちたい!」とか言っても「お前、アホか!?」で終わってしまう(笑)。
なので、今回の相談は、まだ試合すら始まっていない「キャンプ」の段階です。だって、具体的には何も決まってないでしょう? まずはふたりで、現実的かつ具体的な目標を決める! そのうえで、毎月お互いにいくらずつ貯金すべきかを話し合って、残ったお金で趣味を楽しんでもらう。多趣味でも、少なくとも彼には「60万円貯金する」能力がある。そこをマイナスではなくプラスにとらえて、一緒に頑張ってみてください!
【これで下克上せよ!】
「趣味を制限するのは絶対無理! ふたりで目標を立てて努力すべき」
【お悩みスコアボード】
まだキャンプ段階!
具体的に何も決まっていない状態は、プロ野球でいえば春のキャンプみたいなもの。まずは今後、何をすべきか、なるべく「明確な目標」を立ててそこに向かって努力しよう!
今月の野球“知っ得”ネタ!!
バレンタイン監督が掲げた二塁打という「明確な目標」
07年、当時ロッテの監督だったバレンタインは確率の低い本塁打ではなく、「二塁打を日本一打つ」という「明確」なチーム目標を掲げた。そしてこの年、選手たちはこの目標を実践。優勝こそ逃したが、リーグトップの二塁打数を記録している。
【PROFILE】
里崎智也さん
1976年5月20日生まれ、徳島県出身。鳴門工、帝京大を経て98年ドラフト2位でロッテに入団。05~10年まで6年連続2桁本塁打を放つなど、強打の捕手として活躍した。現在は野球解説、講演活動、執筆などマルチに活躍中。
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衣装協力/ザ・スーツカンパニー 新宿本店