今日はあんまり感じたくない感情、「妬み(ねたみ)」についてご紹介しましょう。
PCやスマホ、タブレットの普及とともに、FacebookやTwitterなど、いわゆるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も発達し、人と人のつながりが大きく広がっています。SNSを使えば、10年以上連絡をしていなかった同級生や、引っ越しをしてしまってなかなか会えない友達の近況を手に入れることができ、「つながり感」を実感できます。
みなさんは、数年ぶりの友人と再会したのに、Facebookで近況を知っているがために、「久しぶりって感じ、しないよね~」なんて会話をしたことはあるのではないでしょうか。
しかしその一方で、SNSの発達により人と人の“距離”が近くなることで、弊害も生まれています。
例えば、美味しい料理の写真がSNSでアップされたのを見たとき、「あ、美味しそう!」とか「今度行ってみたい!」というような感情ではなく、「なんで私は食べられないの?」とか「いつも美味しいものだけ食べてうらやましい……」といった、SNSでつながっているがための「妬み」の感情を抱いてしまうケースが増えてきているのです。
つまり、人と人との“距離”が近くなることで、「隣の芝生は青い」という感情を抱きやすくなっているようです。
このような妬みという感情は、私たちの脳の中ではどのような状態になっているのでしょうか?
そもそも、妬みという感情は、他人が持っているリソース(資質や物)が欲しくなったときに出現するもので、その感情がいい方向に作用すれば、「よし、頑張ろう!」というモチベーションにつながるのですが、そうそううまくそんな感情になれないことがほとんどです。
2008年に発表された放射線医学総合研究所の論文によると、妬みの感情は、前頭葉の一部である前部帯状回という葛藤や身体的な痛みを処理する脳内部位が関与しているそうです。
では、この妬みの感情を上手にコントロールするにはどうしたらよいでしょうか。
妬みという感情は、「うらやましい」という感情の裏返しであることがほとんどなので、妬みを感じた対象は実はそれが自分が望んでいるものだということに気づくことが大切です。そして、その妬みの対象を自分の「目標」にすり替えることで、自らの行動に変化を与えていくとよいでしょう。
例えば、友達がハワイに行ったときの写真を見て妬んでしまったとき、それは「ハワイに行きたい」という願望の裏返しなので、「ハワイに行けるように貯金する、仕事を片付ける」というふうに、自分が実現可能な目標を設定して、実行するのです。
そうすれば、自分が抱く“灰色な気分”が、彩りのある前向きな気持ちへ変わっていくことでしょう。
ちなみに、前述の論文によると、妬んだ対象が不幸に陥ると、脳内の報酬系が活性化され、脳内麻薬といわれているドーパミンが分泌されることが示唆されています。いわゆる「他人の不幸は蜜の味」っていうやつですね。となると、他人の不幸を喜ぶということは、脳内で「中毒」を形成することがあるので、これはやめたほうがよさそうです。
“モノ”を買わないイマドキの若者たち。「ブツ欲」が芽生える日は、きっと来る?
若い世代に商品が売れない……もう、何度も何度も聞いている話です。
諸説ありますが、人口が少ないところに、メーカー側は大きなマーケットを期待しない、ゆえに彼らに向けて製品を作らない、若い子たちは買いたい商品 がない、というスパイラルに陥っていて、市場にとってひとつもいいことがない状態なんだろうな、と個人的には思っています。市場もシニア、シニアと言いす ぎの感はありますけど、彼らは実際にお金を使う。マーケットが注目するのも仕方ありませんが、若い世代にとって自分好みのモノが見つからない市場になって しまっているのでしょう。
ではアラサーに代表される若い世代の消費行動とは……続きを読む