ライフスタイル
2018/9/29 16:00

「終活」はいくらかかる? いま知らないと将来困る「老後」のお金事情(前編)

5: 親の「老後破綻」を防ぐにはいくら必要?

――親が長生きした場合、相続や生前贈与以前に、親自身が経済的に破綻することも考えられますよね。

 

木下 そうです。GetNavi webの読者の世代を想定すると、だいたい親御さんは60~70代の方が多いと思います。

 

この世代の方のなかでも、公務員やサラリーマン、自営業者だったかで、支給される年金の金額もまったく違います。公務員やサラリーマンだった方は、年金受給は結構な額をもらえていますが(サラリーマンは毎月15万~17万円、公務員はそれよりも毎年21.5万円多い)、自営業者だった人は概算で毎月6.5万円しかもらえません 。

 

さらに、この先の年金受給はもっと厳しくなると思いますので、「老後破綻」のケースは増えてくると思います。日本総研は2017年のレポート(星貴子著「生活困窮高齢者の経済的安定に向けた課題」JRIレビュー 2017 Vol,6. No.45)で「生活困窮高齢者世帯およびその予備軍の世帯は、2012年時点で400万世帯を超え、2030年には、500万世帯以上に達すると推計される。とりわけ、2012~2020年の増加幅が大きく、ボリュームゾーンである団塊ジュニアの高齢化を待たずして、増勢が加速する形となっている」と述べています。

 

――個人の経済状況と反して、医療の進歩もあり、長生きされる方が増えています。

 

木下 そうですね。いわゆる「長生きリスク」と言われるもので、長生きすればするほどお金がかかる。元気ならまだ何とかなりますけど、身体を壊して老人ホームなどの施設に入ることになったら、また想定外の余分なお金が必要となります。そうなるともうお金はどんどん減っていきます。大変な時代だと思います。

 

――例えばリタイアした後、年金以外でどれくらいの現金を用意しておけば、老後が安心という目安はありますか?

 

木下 年金以外に3000万円程度は必要だというのが大方の見方です。全国銀行協会は2500万円と述べていますが、私見では余裕をもった老後の暮らしを考えると、やはり3000万円は必要だと考えます。

 

――3000万円!? リタイアするときにそんなに貯金できている人は、いまの時代ごくわずかではないですか?

 

木下 そうです。なかなか難しいですよね。それでも老人ホームに入れば破綻しますから。これは本当に厳しい問題で、結局、子どもの家族や身内が負担しないといけなくなるわけです。

 

高齢化という問題において日本は世界最先端を走っていますが、「老後が不安」と思っている日本人は増えています。しかし、木下さんはこういった問題をできる限り回避するために、家族にはやっておくべきことがあると言います。後編では、それについて詳しくご紹介します。

木下勇人 | Hayato Kinoshita

相続・事業承継に専門特化した公認会計士・税理士。自らも不動産投資や起業をしている。税理士向け・一般向けセミナーを全国各地で年100回以上講演しており、ダントツでわかりやすいと評判。http://www.leding.or.jp

「終活」はいくらかかる? いま知らないと将来困る「老後」のお金事情(後編)

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