2012年に登場したBioLiteのキャンプストーブは、スマートフォンなどのデバイスを充電できるキャンピングストーブとして話題を集めました。今回紹介するのは同タイプの充電機能を削ぎ落とし、ストーブとしての機能に絞った「クックストーブ」。その使用感とともに、オススメの使い方を紹介します。
BioLite(バイオライト)
CookStove(クックストーブ)
1万3000円+税
コンパクトながら送風ファン付きで火力調節がラク
自然へのダメージを控えるために、ほとんどのキャンプ場やテント場で直火での焚火が禁止されています。そうした現状で発展してきたのが焚火台です。
焚火は数人で囲むのがスタンダードではありますが、フットワーク軽くソロでアウトドアを楽しみたい人や、焚火で調理をしたい人は、よりコンパクトなものが欲しいところ。
折り畳めばそれこそ2つ折りサイズの財布くらいの超コンパクトなタイプもありますが、小さ過ぎると小さな薪しかくべられず、炎が安定しません。
そこでこの「クックストーブ」です。サイズについては後述するとして、まずは機能面。4段階で調節できる送風ファンが付いていて、煙も少なく、安定した火力調節ができるので、うちわで扇ぐなどの作業が不要。薪を入れて着火すればボタン操作だけで火力を調節できるというわけです。
次に、サイズについて。専用の収納袋に入れると直径12.7×高さ19.7cmと片手に収まるサイズで、重さも725gと負担にならない程度。もちろんシングルバーナー単体と比較をすれば大きくて重いモノにはなりますが、そのぶん燃料は落ち葉や枯れ枝などを現地調達すればいいので、ガスカートリッジが不要。
前述の送風ファンはバッテリーで稼働しますが、フル充電でガスカートリッジ約20缶分と同じ稼動時間です。その点を考えると、サイズ面でのデメリットはあまり感じなくなってきますよね。
ケトルや三脚との相性はバツグン!
それでは、実際に使ってみましょう。まずは野営地にて薪を集めます。サイズが小さいとはいえ、燃焼時間を稼ぐためにも多少は大きめの小枝も集めておきたいところ。燃えやすい枯れ落ちた松葉や松ぼっくりなど、着火剤代わりの素材も集めておきましょう。
着火の際には、柄の長いライターがオススメ。着火後、火が回ったところで送風ファンを回しましょう。隙間がないほど落ち葉や薪を詰め込むと、風が届かないので注意です。
鍋を置いて湯を沸かしてみます。小枝だとすぐに燃えきってしまうため、何本か継ぎ足しを行いましたが、500mlの水が4分程度で沸騰してきました。薪の量や送風ファンの強弱で変わってくるとは思いますが、火力の面では特にストレスは感じませんでした。
多少、気になる点があるとすれば、大きな薪が入れられないので薪の投入回数が多くなります。何か調理をするにしても、具材を入れたり混ぜたりと忙しい料理の最中に薪もくべたりすると、さらに忙しくなってしまいそうです。やはり湯沸かしが本命。ただ、別売のグリル(BioLite グリル・8300円+税)を使うとバーベキューがおいしく簡単に作れます。
↑別売のBioLite グリル
ちなみに、吊り下げ式の取手のあるケトルとコンパクトなトライポッド(三脚)との相性は抜群でした。薪をくべたいときはケトルをずらすだけ。送風はファンで調節するだけなので実に快適でした。今回試した組み合わせは、スノーピークのケトルNo1とDUGのトライポッドです。ぜひお試しあれ!
現代的ながら原始の魅力満載の焚火スタイルがたまらない!
アウトドアの醍醐味は野外で夜を過ごす時間。そしてその時間帯での焚火が欠かせません。暖もとれて、調理もできて、灯りにもなるなど、焚火の魅力を語り出したら枚挙に暇がありません。ガスバーナーで簡単に火が起こせるのは家庭でも同じこと。野外で過ごすとなったら、できれば炎と触れ合いたいところです。
クックストーブの炎は決して大きくはありませんが、無心になって一人で薪をくべ炎を眺めていると、恍惚として見入ってしまいます。送風ファンというギアを駆使しながら、温かな焚火を眺める。そんな、現代的ながら、原始の魅力が詰まった焚火スタイルに、ちょっとハマってしまいそうです。
【URL】
BioLite http://www.biolitestove.jp/
クックストーブ製品情報 http://www.biolitestove.jp/menu44/contents365