医学博士・渡邊昌先生が説く「玄米のすすめ」
『医師たちが認めた「玄米」のエビデンス』
キラジェンヌ
渡邊昌氏が中心となり、医学者や臨床医、栄養士、研究員の総勢11名が、玄米の機能性を医学的知見から示した最新のレポート集。
「食べることは生きること」
元木 忍さん(以下、元木):私、毎日の食事をきちんとしていれば、病気はその“食”で治る気がしているんです。
渡邊 昌先生(以下、渡邊):はい、それは大いに賛成です。僕は、50歳くらいのときにひどい糖尿病にかかってしまって。内科医の先生からすぐにインシュリン療法を始めましょうと言われたんです。でも「予防をいう医者なのに、これはまずい」ということで、1年くらいかけて食事療法と運動でコントロールしたら、脂肪肝も高血圧も血糖値も、数値がすっかり正常に戻っちゃったのです。
元木:それはすごいお話ですね! そのときに、玄米を積極的に取り入れられたのですよね?
渡邊:そうなのです。
元木:実は、私の父もガンで闘病していました。胃も食道も全摘していましたが、薬よりも食べることが大切だと思ってくれてくれたようにも思います。少しでも食べることで元気を出してもらいたい、と思っていた頃に出会ったのが、渡邊先生の本でした。先生は医者という立場でありながら、食事療法や、様々なエビデンスで伝えてもらったお陰で、父は食べることで生きることができました。食べることがどれだけ人の体を健康にさせるのかと思えたことが、今回の取材のきっかけなんです。もちろん、その時から玄米を少しずつ食べるようになりました。
渡邊:玄米は“完全栄養食”と言われるほど機能性が高いお米ですからね。女性にとってうれしい美容効果もあるし、ぜひ魅力を知ってもらいたいですね。
玄米七徳
一、咀嚼機能を高める
玄米を食べることで咀嚼筋や咽頭筋を強くするほか、唾液分泌によって口腔内の細菌叢(さいきんそう)を良好に保ちます。また噛むことで認知機能にも好影響が出ることが報告されています。
二、便秘を解消する
玄米の食物繊維やγオリザノールなどが腸内細菌叢を良化。酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸産性菌を増やします。酢酸は腸内の悪玉菌の増殖を抑え、酪酸は大腸がん予防や精神機能にも影響。便秘をしないことで、美容にも効果があります。
三、健康長寿
肥満はメタボリックシンドロームに始まる高血圧、糖尿病、脂質異常症の元。玄米は完全栄養食で、腹持ちもいいので過食とそれによる肥満を防ぎます。玄米をよく噛んでたべているとおかずもそれにあったものになり、肉などは食べたくなくなります。また、高い健康を保ち、認知症予防にも役立ちます。
四、日本食の代表的食品である
ユネスコの世界遺産に登録された「和食」は、米が主食。味噌、醤油、出汁などの調味料も、米とよくマッチします。
五、家計に役立つ
ほかの食材に比べ、値段の高下が少なく手頃な価格で手に入ります。栄養からみても食費の面からみても、米は優秀な食材なのです。有機栽培の味のよい玄米でも1kg=1000円を超す米はあまりありません。牛肉は1kg=1万円もすることを思えば、どちらがよいかすぐわかりますね。
六、食育・地域農業に役立ち、水田・環境を維持できる
日本の小規模な稲作が、棚田や里山などの自然環境を守ってきました。環境に配慮した地域共生社会は、これからの少子高齢化社会を支えるキーワードとなります。
七、日本の食料安全保証の土台となる
日本の食料自給率は40%を下回っています。世界的な人口爆発と異常気象により食糧難が訪れた際、頼れるのは温暖化にも比較的強い米。必要量を国産できることは大事な安全保障です。※メディカルライス協会ホームページより