あなたの知らないPTAの世界~第6回(2019年10月〜2019年12月)~
【第1回】PTA本部役員への道……それは、1本の電話から始まった!!
【第2回】PTAはやっぱりブラック!? 怒涛の忙しさのなか緊急事態発生!!
【第3回】PTAは誰のため?――対決!! 「PTA活動ゼッタイやりたくない!」ママ vs. 本部役員!!
【第4回】PTA史上最大の作戦!――公園の掃除から畑仕事まで「地域行事」はトラップだらけ!!
【第5回】PTAスリム化を妨げるのは誰だ!――飛び交う噂、昨日の味方は今日の敵!?
本来ならば子ども1人につき最低1回はPTA委員をやらなくてはいけないところ、一年間本部役員を頑張れば、子ども全員が中学を卒業するまで一切のPTA委員関連をしなくてもいいという「永久免除」、略して「永免(えいめん)」制度。これをご褒美に、完全ボランティアで真摯に活動を続けております。
最大の行事・運動会も無事に終了し、早いもので、本部役員の任期も残り4か月となりました。さあ、いよいよ来年度役員選出の時期がやってきた! 一人でも多くの立候補者が出るように、役員のお仕事説明書やら役員経験者の本音トーク集を作って配ったり、いろいろ頑張ってみましたよ。
自分で言うのもなんですが、今年の本部役員のチームワークの良さは周囲の委員さんや先生方からも折り紙付き。この楽しい雰囲気が保護者の方にも伝わっていればいいのですが……。そんなこんなで、立候補用紙の提出期間となりました。果たして、立候補者は何名いるのか?
想定通りの立候補者ゼロ! いよいよリクルート開始!
次年度の本部役員選考に関しては、全面的に推薦委員さんに委ねられています。
推薦委員というのは、4月の委員選出のときに、各学年から1名(場合によっては2名)選ばれる、合計6~10名ほどの組織。指名委員や選考委員と呼ばれている学校もあるみたいです。
ぶっちゃけ、どの委員よりも疎まれている役割。だって、次の年の本部役員を決める要だから。もしも立候補者がいない場合、あらゆる手段で候補者を探し、電話をかけてアポをとり、面談をして、説得して、期日までに内定まで持っていかなくちゃいけないんです。
そして何より、実態があまりにも謎すぎる。外部の人間は、たとえ本部役員であろうと介入禁止。詳細な引き継ぎ書さえ、証拠が残るからか作成禁止、引き継ぎは口頭のみとまで言われているらしく、さらに毎年使用した資料は、個人情報の関係から完全に破棄されているとのこと!
とにかくベールに包まれた機関なのです。まるでCIA! ただ、立候補状況に関しては、早々に情報がもらえました。
・立候補者 0人
・話を聞いてみたい人 1人
ですよね~。1人くらい立候補者がいたらいいな、なんて思っていたけど、現実はそう甘くないようです。話を聞いてみたい人が1人いただけでも、救いか。
ここから、推薦委員さんのお仕事が本格的に始まります。様々な情報をもとに、本部役員をやってくれそうな人、話を聞いてくれそうな保護者に電話をかけて、リクルートしていきます。
真意の程はわかりませんが、最近引っ越してきた人、きょうだいが多い人あたりがターゲットになるとの噂。あとは、うちの小学校のPTA会長は男性が多いんですが、会長候補として参観日によく来ているパパさんに白羽の矢が立つのだとか(平日に休みが取りやすいだろうという目論見から)。
それらの情報がどんなルートから集まってくるのか謎ですが、ママ友情報網って結構恐ろしい面もあるのだな。そういえば、立候補用紙に「他薦」欄もあったっけ……。
思えば一年前のこの時期、私の携帯にも推薦委員さんから電話がかかってきたのでした。引っ越してきて数か月のことだったので、「最近引っ越してきた人」という条件にピッタリ合致したのだと、今なら納得。
そんなこんなで、リクルートが始まりました。どんな状況か気になるけど、あくまでも他言無用な活動のため、様子がわからずヤキモキ……。たまにPTA室ですれ違う推薦委員さんに焦りの色が見えたり、見えなかったり。一体どんな感じなの~?
本部役員の思いの丈を推薦委員に伝えてみた
ちなみに、候補者との面談も推薦委員のみと定められています。面接時に本部役員も同席できれば、いろいろな質問に答えられるのになぁ。
ここで、PTAのスリム化を実現した立役者・副会長のにいやんが動きました。「これまでの決まりはもちろん守りながら、変えていける部分は変えていこう! 話を聞きたい人との面談の初回だけは、現・本部役員が必ず同席しよう!」と力強く宣言してくれました。
ただし、2回目以降の面談で、推薦委員さんが話した内容に間違いがあった場合、後で揉める可能性もありますよね。こんな仕事までやるとか聞いてない! なんて言われては困る。そこで、推薦委員さんたちとのキックオフミーティングを行いました。
今年の経験を踏まえて、できればフルタイム、パート、専業主婦など、属性がバラバラの方が全体的な時間調整がとりやすいこと。これは、みんながみんな「忙しすぎて、集まれません!」だと活動することが困難になるから。
それぞれの役割の仕事のみをやるんじゃなくて、チームとして活動をしていくこと。平日仕事をしている人の中でも本部役員をやってみたい人がいるかもしれないから、来年度は土日活動委員会(フルタイムのワーママがPTA活動をしやすいように設けられた委員会)の運営担当の副会長が選出できたら、よりスムーズかも?と新たに考えていること。
ただし、役員数が多くなりすぎるのは避けたいこと。基本、本部役
こうして私たちの思いの丈を伝え、あとは良き人が現れてくれれば。本部役員一同そんなふうに願っていたのですが、まさかサラッと伝えた人数の部分で、大問題が起ころうとは夢にも思っていなかったのです……。