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2020/7/6 22:30

東電ら3社が出資した合弁会社、世界最大の完全人工光型植物工場の操業開始……静岡・藤枝

東京電力エナジーパートナーと、芙蓉総合リース、ファームシップの3社の合弁会社である彩菜(さいさい)生活は、LED照明を活用した完全人工光型の植物工場を静岡県藤枝市に建設し、7月1日に操業を開始しました。彩菜生活は、レタスを中心とした葉物野菜の生産・販売事業を目的として、2019年4月に設立された会社です。

↑工場外観

 

同工場は延床面積約9000平方メートル。植物工場の運営実績を持つファームシップのノウハウを活かし、より効果的に育成する独自のLED照明を採用することで、栽培スペースの最適化などを実現し、1日あたり約5トン(100g/株換算で約5万株)相当を生産。完全人工光型の植物工場として世界最大の生産能力を有します。生産した葉物野菜は、主に関東・中部・関西エリアで弁当や惣菜を製造する食品加工工場などに出荷。さらに販路を拡大し、1年後にはフル稼働で生産できる体制を目指しているそうです。

↑工場内部の様子

 

完全人工光型の植物工場は、天候や感染症などによる食料生産・流通のリスクに加え、農業従事者の減少や高齢化、食料自給率の低下など、国内の農業が抱える社会的課題を解決できる取り組みとして注目されつつあります。野菜の形や味、栄養素を一定の品質に保つことができるほか、農薬を使わずに病害や害虫を防ぐこともできます。外部環境の影響を受けず衛生的な環境下で栽培することで、高い鮮度を通常よりも長く保持でき、食品ロス低減にもつながります。

 

3社は同工場の取り組みから、外部環境に左右されない安定した食料生産システムの確保による強靭な農業の実践や、雇用創出による地域活性化など、SDGsの理念である「持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」に貢献していくとのこと。