ライフスタイル
2021/5/3 10:00

プロたちが愛してやまない“極私的名品”を大公開!! こだわり嗜好品【前編】

今回は、ファッション、クルマ、インテリア、オーディオなど、趣味性が高くディープなジャンルの有識者たちに、溺愛する名品を聞き込み。機能性や実用性以上に、“モノとしての圧倒的な魅力”を感じさせるラインナップに注目だ。

※こちらは「GetNavi」 2021年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【No.1】メンズファッションディレクター・西口修平さんの殿堂入りモノ

メンズファッションディレクター

西口修平さん

大手セレクトショップ勤務。活動はセミナーでの講演や執筆など多岐にわたる。インスタグラムのフォロワーは12万人超え。

シンプルで無駄がない “中庸”な風貌に惹かれる

《デニムパンツ》

リーバイス(R)

501(R)

価格不明(すべて古着店で購入)

1873年に同社が開発した、デニム生地をリベット(鋲)で補強した“労働者の作業用パンツ”が原型。1890年のロットナンバー制度採用に伴い、「501」の名が与えられた。1950年代、映画スターの着用を機にファッションアイテムとしての地位を確立。定番として親しまれている。

 

↑ビンテージの501(R)を豊富にコレクション。色の濃淡やサイズの異なるブルージーンズだけで20本以上も所有している!!

 

リーバイス(R) 501(R)との出会いは、小学校6年生のとき。当時はスリムフィットのジーンズが全盛でしたが、同じ塾に通う同級生のひとりが、やけに野暮ったいのを穿いていて……それが501(R)でした。何とも言えない素朴な風貌に惹かれ、アメリカ村(大阪)の古着店で働く彼の兄に譲ってもらい、その後どんどん魅力に引き込まれていきました。

 

501(R)は、洋服としてはとても中庸。良い意味で洗練されすぎていなくて、着る人次第でいかようにも料理できるのが特徴です。その“普通さ”から、我々ファッション業界人の間では「501(R)をお洒落に穿けなければ真の洋服屋じゃない」という言葉があるくらい、最も難易度が高いパンツとされています。現時点で私自身が穿きこなすことができているかはわかりませんが、一生追求する価値のあるパンツだと思います。実際、すでに20本以上所有していますが、古着店で試着してサイズとレングスが自分にぴったり合うと、ついつい買い足してしまうのです。

 

ジャケットなどのドレスアイテムと501(R)を組み合わせたコーデは、私の定番スタイルのひとつ。私の洋服人生に欠かせない「永遠のクラシック」と言えます。

 

【殿堂入りの理由】シンプルなアイテムだからこそスタイリングの意欲が上がる

「“普通さ”が最大の魅力です。どんなスタイリングにも寄り添ってくれるけれど、一方で穿く人のセンスやポテンシャルがそのまま表れるからすごく奥深い。私の永世定番です!!」(西口さん)

 

 

★コレも殿堂入り!

《シューズ》

ジェイエムウエストン

チェルシーブーツ#705

左/15万9500円

シグニチャーローファー#180

右/11万円

フランスの老舗シューメーカーのアイコン商品。アッパーには最高級のボックスカーフを使用する。「ソールの革は高密度で硬く、足に馴染むまで時間を要する。でもその先には最高の履き心地が待っています」(西口さん)

 

【No.2】文房具ライター・古川 耕さんの殿堂入りモノ

文房具ライター

古川 耕さん

放送作家、ライター。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」「ジェーン・スー 生活は踊る」などを担当している。

ポスタルコの代表作は素材とつくりの良さや 収納力の高さが光る

《ブリーフケース》

ポスタルコ

リーガルエンベロープ

3万5750円

書類や16インチのMacBook Proなど、様々なモノを余裕で収納できるブリーフケース。約5cmのマチがあり、見た目以上の収納力を誇る。使い込むうちに元の生地の生成り色が少しずつ表れ、手に馴染んでくる。

 

↑写真の4色のほかに2色を用意。カバー部は伸縮性が少なく型崩れしにくい、厳選された牛革を使用。植物の渋成分(タンニン)によってなめされており、使い込むうちに柔らかくなる

 

ポスタルコの顔と言える代表的プロダクトが、このリーガルエンベロープ。プレスコットンと呼ばれる張りのある布地と、底と蓋に使われた柔らかな革。ハトメにクルクルと紐を巻き付けて閉じるフタやカードが入る内ポケット。すべての素材とパーツが丁寧に作られています。中には硬めのクッション材が入っているので、トートバッグの中に入れても書類がシワになりにくいのもうれしい点です。

 

かわいらしさ、無骨さ、上品さ、実用性の高さ。それらの要素を兼ね備えつつ、全体としてはポスタルコにしかない独自の魅力を放っています。買ってからもう10年近く経ちますが、手に持つときはまだうれしい。こんな書類入れはほかにありません。

 

【殿堂入りの理由】本体は薄く美しいがその収納力はバツグン!

「丁寧なつくりと、本体の薄さからは想像できない収納力の高さが◎。マチがあるので容量も大きく、私は書類と一緒にMacBook Airを入れて持ち歩いています」(古川さん)

 

↑本体裏の外側に取り付けられたペンホルダー。ケース内を探すことなく、サッと取り出して書けるのが便利だ

 

★コレも殿堂入り!

 その官能性と抜群の切れ味はつい手に取りたくなる

《はさみ》

DOVO

ハサミ 6インチ 295607

8250円

細身のシェイプにサテン仕上げを施したはさみ。「刃物が本来持つ官能性をこれほど感じさせてくれるはさみはありません。小気味良い音とともにピタリと閉じる刃先が気持ち良く、切るものもないのに手に取ってしまいます」(古川さん)

 

↑先端が細く、紙の切断や細かい作業に向く家庭用はさみ。刃は締め具合をネジで簡単に調節でき、好みの感触に変更可能だ

 

【No.3】モータージャーナリスト・清水草一さんの殿堂入りモノ

モータージャーナリスト

清水草一さん

編集者を経て自動車ライターに。大乗フェラーリ教開祖を名乗りつつ、道路交通ジャーナリストとしても活動している。

揺るがない思想はオープンカーの理想に至る

《スポーツカー》

マツダ

ロードスター

260万1500円〜361万7500円

風と一体になる喜びを体感できるライトウェイトオープンスポーツの代表格。代々磨き上げられたそのデザインは、走りを楽しむためのシンプルかつ美しさを追求したもの。“オープンカーのメートル原器”とも言われるほどのモデルだ。

SPEC【S Leather Package・6MT】●全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm ●車両重量:1010kg ●パワーユニット:1496cc直列4気筒 ●最高出力:132PS/7000rpm ●最大トルク:15.5kg-m/4500rpm ●WLTCモード燃費:16.8km/L

 

↑トランクスペースもしっかり確保。550×400×220mmサイズのキャリーバッグを2つ積み込める深さと奥行きがある

 

マツダ・ロードスターの魅力は、初代の登場から約32年間まったく不動。それはつまり、後輪駆動のキュートなオープンスポーツカーということです。このコンセプトは微塵も揺らぐことなく継続され、4代目の現行モデルでさらに磨きがかかりました。

 

まず外観ですが、従来のかわいさに、成熟した美が加わりました。少女からオトナの女への変身です。この小さなサイズで、これだけ豊潤なデザインを実現したことには脱帽するほかありません。

 

しかも現行ロードスターは、衝突安全基準の強化や安全装備追加などの“ハンデ”を負いながら、初代より小型軽量化に成功しました。これはもう奇跡です。ロードスターは奇跡の名車。50年、100年と語り継がれるべきクルマです。

 

【殿堂入りの理由】継続は力なり! しかもそこには革新がある!

「1989年に初代ロードスターが登場してから32年。世界じゅう見渡しても、このクラスの後輪駆動オープンスポーツカーはロードスターのみ。継続と革新の賜物で、殿堂入りに相応しいです」(清水さん)

 

↑初代から4代目の現行モデルまで、世界じゅうにファンが存在。マツダでは初代モデルのレストアサービスも開始するほど

 

【No.4】モータージャーナリスト・岡本幸一郎さんの殿堂入りモノ

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

日本車、輸入車を問わずあらゆるカテゴリーのクルマを広く、そして深く網羅する。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

路面状況を捉える地を這うような走りは不変

《ハッチバック》

MINI

MINI 3ドアモデル

267万円〜470万円

旧型Miniと比較して大型になったが、意のままに操ることが可能なワイドトレッドなボディは健在。随所にアイデンティティを残しながら、コネクティッド機能に対応するなど、確実に進化している。

SPEC【COOPER S】●全長×全幅×全高:3860×1725×1430mm ●車両重量:1270kg ●パワーユニット:1998cc直列4気筒 ●最高出力:192PS/5000rpm ●最大トルク:15.5kg-m/1350〜4600rpm ●WLTCモード燃費:14.5km/L

 

↑7速のダブル・クラッチ・トランスミッションを採用。途切れ目のないスムーズな加速を実現している

 

21世紀に入って復活を遂げた新型MINI。すでに3世代目に突入して様々なモデルから選ぶことができますが、走りの楽しさを存分に味わいたいなら、3ドアモデルの一択になります。

 

新型MINIは、コンパクトカーでは珍しいマルチリンク式のリアサスペンションを採用しています。コストは高くなるのですが、コーナーでも接地性が保てるというメリットがあります。

 

クラシックMiniで語り継がれてきた、路面を這うように走るゴーカートの乗り味が楽しめる「ゴーカート・フィーリング」は健在。最も車両重量が軽い3ドアモデルで荷物もさほど載せず、ただひとりでステアリングを握るのがベスト。路面状況を捉えた、キビキビとした走りが堪能できます。

 

【殿堂入りの理由】不朽のデザインはそのままに独特の乗り味を継承する

「誰もが思い浮かべられるこの基本デザインは未来永劫変わらないはず。かつて運転した誰しもを驚かせたゴーカート・フィーリングと称される俊敏なハンドリングも継承されていきます」(岡本さん)

 

↑テールランプ部はユニオンジャックをあしらう。随所にMiniの伝統を受け継ぐデザインは、その魅力を増加させている

 

【No.5】デジタル・メディア評論家・麻倉怜士さんの殿堂入りモノ

デジタル・メディア評論家

麻倉怜士さん

オーディオ・ビジュアル界の重鎮。雑誌や書籍で論評を執筆するほか、大学講師も務めるなど多方面で活躍。著書も多数。

ベリリウムが生む純粋な音の表現が高揚感を高める

《有線イヤホン》

final

A8000

19万8000円

final独自の評価法「PTM」を活用し、音の微細な変化を逃さない振動板の素材として極薄のトゥルーベリリウム板を採用。幅広いジャンルの音楽でクセを感じさせない、透明感の高い音の再生が可能だ。

SPEC ●ドライバー:ダイナミック型 ●コネクタ:MMCX ●ケーブル:OFCシルバーコートケーブル ●感度:102dB ●インピーダンス:16Ω ●コード長:1.2m ●質量:41g

 

↑ケーブルは高純度OFCシルバーコードケーブルを採用。MMCXコネクタでリケーブルが可能だ

 

なんといっても、圧倒的に素晴らしい音質が殿堂入りの理由。これほどの品格の高い音のイヤホンは聴いたことがありません。

 

その秘密のひとつが、5年を掛けて素材メーカーと共同開発した、高い剛性、速い伝搬速度、低い内部損失……という変換器としての理想条件を備えるトゥルーベリリウム振動板の採用。さらに音質設計目標を高く掲げて開発したこと。それが音圧や周波数特性の操作では実現できない音であり、具体的には時間応答の俊敏さから来る透明感のある音を目指した結果、狙い通りの音が実現したのです。

 

潔癖で高性能、そして音楽性の高さも持つ、稀有なイヤホンです。

 

【殿堂入りの理由】音楽的再現力は世界最高峰レベル!

「イヤホンとして世界最高峰の音質を獲得。解像感やコントラスト感、ワイドレンジ感など音質的な美質に加え、音楽的再現力が非常に高いです」(麻倉さん)

 

↑極めて硬度の高い、トゥルーベリリウムを採用した振動板

 

★コレも殿堂入り!

《ターンテーブル》

テクニクス

SL-1000R

176万円

日本が誇る世界的なレコードプレーヤーの名機。「高精度モーター、重量級ターンテーブルによる安定回転は、レコード盤から最高の音質を引き出します」(麻倉さん)

 

↑高い剛性と振動減衰特性を実現したターンテーブルプラッターを採用する

 

【No.6】AV評論家・藤原陽祐さんの殿堂入りモノ

AV評論家

藤原陽祐さん

新聞記者、専門誌編集者を経てフリーに転身。わかりやすい解説と核心を突いた評論で、多くの媒体で人気を博している。

専用開発の内蔵アンプが量感豊かな低音を再現

《スピーカー》

AIRPULSE

A80

実売価格7万7000円(1ペア)

アンプを内蔵し、手軽にハイエンドスピーカー並みの音が楽しめるアクティブスピーカー。リボンツイーターやウーファーの振動板にアルミ合金を採用するなど本格的。これで7万7000円は高コスパだ。

SPEC ●アンプパワー:40W×2(ウーハー)、10W×2(ツイーター)●入力:(デジタル) USB/Optical/Bluetooth、(アナログ) RCA /PC ●周波数特性:52Hz〜40kHz ●サイズ・質量:W140×H255×D240mm/約4.8kg(1本)

 

↑ウーハーには硬質アルマイト処理アルミニウム合金コーン振動板を搭載。パワフルなサウンドを鳴らす

 

ハイエンドスピーカーの設計で名を馳せたフィル・ジョーンズがアクティブスピーカーを作ったことに驚きましたが、やはり彼は期待を裏切らないスピーカーに仕上げてきました。

 

内蔵アンプは専用に開発されたバイアンプ仕様、内部配線材は高級オーディオ機器で広く使われているトランスペアレント製というこだわりよう。リボン型ツイーターと11.5cm口径のメタルコーン・ウーハーとの組み合わせが鳴らすサウンドは、量感豊かな低音とスムーズな空間の広がりが特徴で、入力信号に的確に反応します。これで1ペア10万円を切る価格とは、その価値の高さに再度驚きました。

 

【殿堂入りの理由】サウンドのクオリティと多彩な機能性が高評価

「スピーカーの本質とも言えるサウンドクオリティが高いです。PCやスマホとの組み合わせで手軽に楽しめる機能性も備える銘品です」(藤原さん)

 

↑リボン型ツイーターを採用。専用設計のホーンと組み合わせている

 

★コレも殿堂入り!

《スピーカー》

ソナス・ファベール

Lumina Ⅰ

10万8900円(1ペア)

芸術的なスピーカーを数多く送り出しているソナス・ファベールの小型2Wayモデル。「エレガントなルックスと、伸びやかなサウンドを楽しめます」(藤原さん)

 

↑専用設計のツイーター。音場が広く、透明度の高い音を鳴らせる
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