水まわりに対する正しい知識を広め、いざというとき慌てないようにするため東京ガスではこの度、メディア向けの「水まわり修理体験会」を実施。トイレ詰まり、水栓が壊れて止まらなくなるなど、水まわりトラブルは過去に何度か体験している筆者も、この体験会に参加してきました。体験会当日は、東京ガスリビングホールディングス・山口 誠さんと、東京ガス・暮らしサービス事業推進部・伊藤健二郎さんが指導と解説をしてくれました。
【対策その1】水まわりのあらゆるトラブルは、慌てずにまず止水せよ!
ーーまず、水まわりでよく起こりやすい故障や不具合を教えてください。
山口 誠さん(以下、山口) 水栓ですと、経年劣化によるパッキンの傷みで起きる「水漏れ」が多いです。あるいは温度調節のレバーとカラン、シャワーが一体型のタイプの「サーモスタット水栓」ですと、「温度調節ができない」といった不具合もよくあります。いずれも場合によっては、自身で修理できるケースがあります。仮に、構造が複雑なサーモスタット水栓での不具合であっても、メーカーのメンテナンスなどの専門家に修理を依頼すれば、適性な出張費・技術料で済みますよ。
山口 一方、「すべての業者がそうだ」というわけではありませんが、ポスティングチラシを入れている修理業者の中には、法外な請求を行うところもありますので、注意してください。そのためにも、水まわりで起こりやすい故障や不具合はあらかじめ知っておき、急なトラブルでも慌てずに対応してもらいたいと考えています。後述するトイレ詰まりもそうですが、あらゆる水まわりトラブルが起きた際、まずすべきことは止水(水を止める)です。水まわりの不具合を自身で修理する場合でも、水漏れなどを防ぐ意味で、止水して対応することが基本です。さらに、万一水が吹き出したり、溢れたりしたときのことを考えて養生すると良いと思います。
ーーしかし、この止水というのも素人にはどうやったら良いかがわかりません。
山口 止水はマンションや戸建ての家全体の水を止める場合と、水栓やトイレなどの単体の水を止める場合があります。いずれも止水栓の場所を把握しておけば、簡単に止水することができます。ぜひ覚えておいていただきたいです。
【チェックポイント! 止水栓の場所】
【対策その2】水漏れの際はパッキンを疑うべし!
ーー次に水栓で「水漏れ」が起きたときの対処法を教えてください。
山口 まず、単水栓で水漏れが起きた際は、分解して「どこに不具合があるのか」を確認しましょう。単水栓はハンドルを回すことによって、吐水量を調整するものですが、このハンドルと吐水装置はおおむね7つの部品によって成り立っています。分解するには、工具が必要です。それさえあれば簡単にできますので、ぜひご家庭に準備いただきたいです。
ーーこの単水栓はシンプルで自分でも作業ができそうですが、浴室などにあるお湯と水が出るサーモスタット水栓は難しそうですね。
山口 そうですね。しかし、サーモスタット水栓でも、単なる水漏れの場合は、やはりパッキンが傷んでいることが多いです。こちらもしっかり止水した上で、各部位を分解してパッキンをチェックしてみると良いでしょう。
山口 もちろん、このパッキンもホームセンターやネットで数百円で買えるものです。また、サーモスタット水栓で仮に水側のパッキンに劣化が見られた場合、お湯側のパッキンも同時に交換しておくと良いでしょう。水側がすでにダメになっているのだから、お湯側もやがてダメになるはずですし、分解する手間も一度で済みます。
また、それでも直せないような場合は、前述のメーカーのメンテナンスなどの専門家を呼んで修理してもらいましょう。部品調達も迅速ですし、請求額も適性なはずです。ちなみに水漏れではなく、「温度調整がうまくできない」といった場合は、ユニットごと取り換える修理になりますが、それでも部品代、出張費込みで1~1万5千円くらいで済みます。