乗れれば幸せ!? 車両数が少ないJRの「希少車」16選

ink_pen 2020/8/2
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乗れれば幸せ!? 車両数が少ないJRの「希少車」16選
星川功一
ほしかわこういち
星川功一

編集プロダクション・トゥインクル代表。学研プラスの「鉄道図鑑シリーズ」や、「大人ののんびり鉄道の旅」誌の発刊に携わる。本職は編集者なのだが、無類の鉄道好きで年間100日近く、全国を乗り鉄、撮り鉄し放題の日々を送る。

【希少車に注目⑮】国鉄らしい風貌+赤ベースの華やか電車

◆JR九州713系 計8両(鹿児島車両センター)

↑鹿児島の基地に配置されているものの宮崎地区で運用が主体の713系電車。南宮崎駅構内に留置されることも多く見つけやすい

 

国鉄時代の電車といえば、武骨な佇まいの電車が多い。とはいえ郷愁を誘うデザインなのか、115系などわずかに残る国鉄形電車がみな人気となっている。そんな国鉄時代の風貌をそのまま残す713系。JR九州の電車らしく赤色ベースのおしゃれなイメージに変更されている。

 

この713系電車。造られたのは1983(昭和58)年のこと。九州初の交流専用電車として造られた。この電車をベースに交流専用電車が開発される予定だったのだが、資金難から計画は途中で変更され、既存車両の改造でまかなう方針に変わっている。713系は将来に向けての試作的な車両だったのだが、JRとなった後に造られた787系、811系といった電車に、その技術が引き継がれている。いわば交流専用電車の礎になった電車なのである。

 

今は宮崎地区で朝夕を中心に走る713系。静かに“余生”を送るといった雰囲気でもある。

 

【希少車に注目⑯】元高性能車両も新旧交代の波にのまれ始めた

◆JR九州キハ66系 計16両(佐世保車両センター)
*同車両数は2020年8月5日以降(予定)のもの

↑キハ66系が大村線の千綿駅を通過する。大村湾沿いを走るこうした光景もあと少しで見おさめとなりそうだ

 

今回、紹介する中で最古参の車両がキハ66系。1974(昭和49)年から1975(昭和50)年にかけての製造と、すでに活躍は45年にも及ぶ。元々は山陽新幹線の博多駅延伸に合わせて造られた気動車で、非電化区間だった筑豊・北九州地区の路線への乗継ぎを便利にするために開発された。

 

当時の急行形気動車キハ58系などよりも、走行性能に優れていたが、車体重量が重めで、ローカル線での運用には適さず、また国鉄の経営悪化に伴い2両×15編成のみの製造で終わった。

 

2001年からは長崎地区へ転属、大村線を中心に長崎駅〜佐世保駅間を走る列車の主力列車に活かされてきた。そうした長年、活躍してきたキハ66系も、ハイブリッド気動車のYC1系の増備で、活躍の場を失いつつある。

 

8月5日には2編成がラストランを迎える予定で、2020年4月から8月5日にかけて12両が引退を迎えている。残りは2両×8編成となる。こうした新旧交代は世の習いとはいえ、一抹の寂しさを覚えるのは筆者だけだろうか。

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