2024年8月1日、林業や造園業のプロが愛用する農林器具メーカー「STIHL(スチール)」から、「チェンソーの新時代を切り拓く」プロ向けバッテリーチェンソー「MSA300 C-O」が発売されました。
●この記事のポイント
STIHLというブランドは、一般ユーザーにとってなじみが薄いかもしれませんが、伝統のブランド力とハイセンスなプロダクトは、これからの林業・造園業の旗手になるだけでなく、新たな世代にとって代表的なブランドになるのではないかと予感させました。環境に配慮したバッテリーチェンソーでパワーを両立する技術は、今後コンシューマー製品にも適用されていくでしょう。一般ユーザーにとってのパワーツールとしてSTIHL、今後注目です。
STIHLとは?
STIHLは、1926年にドイツのシュツットガルトにて設立。「自然の中で、自然と共に働く人々の作業をより快適にする」という理念のもと、森林作業に革命をもたらし、約100年にわたって世界のパワーツール市場と技術を常にリードしてきました。1971年以降は、チェンソーの世界販売台数1位を誇るブランドに成長。長年に渡り培われた確かな技術とノウハウ、徹底した品質へのこだわりは、刈払機、ヘッジトリマー、ブロワー、芝刈機など、幅広いパワーツールに応用され、プロユーザーからホームユーザーまで、自然の中での様々な作業ニーズに的確に応え続けているブランドです。
MSA300 C-Oの発表会では、同社・代表取締役の中山氏によるSTIHLブランドのプレゼンが行われました。23年7月から代表に就任した中山氏は、「MSA300 C-Oを初めて見た時、常識を覆す直感を感じた」と当時を語り、STIHLブランドの培ってきたポリシーと技術を紹介。
STIHL史上最高、「50ccエンジンに匹敵する」バッテリーチェンソー
従来、業界的にバッテリーチェンソーはエンジン式よりもパワー面で劣るというのが業界の通説だったと、中山氏は語ります。MSA300 C-Oは、そんな常識を覆すパワーとバッテリーチェンソーならではの使い勝手を両立した、まさに今までにないモデルと仕上がっています。最大30m/sのチェンスピードで、中木の間伐作業・枝打ち・玉切り・木材を使用した建築など、あらゆる作業に最適に対応したスペックをもっています。
MSA300 C-Oの利点は、強いパワーを持ちながらもエンジンチェンソーではなし得なかった低騒音性、さらに振動の影響を低減する防振システムを実装していることです。閑散とした山林だけでなく、音に敏感な都市部の使用も可能。造園業や自治体での作業ニーズも満たします。
バッテリーについてもう少し詳しく説明します。MSA300 C-Oのバッテリーは、従来のリチウムイオン技術の強化した、パワーラミネート技術は、軽量(2.0kg)でありながら、圧倒的なエネルギー容量(337Wh)を実現。従来比で充電可能回数も2倍、バッテリー寿命も2倍に進化しました。これらの性能を実現しているのは、プロユースでの要望に応え生まれた「APシステム」によるものです。
ラグビー元日本代表・畠山健介氏をエヴァンジェリストに
発表会では、MSA300 C-Oのエヴァンジェリストとして、2015年のラグビーW杯で南アフリカを破った名試合の立役者・畠山健介氏を迎えました。
MSA300 C-Oと同じく、南アフリカを破った通称「ブライトンの奇跡」でこれまでの常識を破った畠山氏の持つラガーマンとしてのパワーと技術に着目し、エヴァンジェリストに迎えたとのこと。畠山氏はMSA300 C-Oのイメージビデオ撮影時に、初めて木の伐採も体験し、MSA300 C-Oの持つポテンシャルを実感したとのこと。
●MSA300 C-O×畠山健介イメージムービー
家庭用バッテリー製品も7月から投入
MSA300 C-Oに次いで、当日はコンシューマー向けのバッテリー製品が3機種紹介されました。
家の中や車内などで手軽に使えるハンディクリーナーや、自宅の庭を簡単に手入れできるヘッジトリマーや刈払機をリリース。STIHLは、2035年にはバッテリー製品のシェアを80%まで上げると目標を掲げており、今後バッテリー製品への注力を宣言しました。
常識を覆すMSA300 C-Oならびに新鋭のバッテリーアイテムを投入したSTIHLは、今後ますます日本市場で存在感を増すでしょう。