NBAの“キング”ことレブロン・ジェームズが、またも超人的なプレーをやってのけた。
クリーブランド・キャバリアーズへ復帰して2年目の昨シーズン、ついに地元チームを初のNBA王者へ導いたレブロン。ファイナルではレギュラーシーズン最多の73勝を記録した王者ゴールデンステイト・ウォリアーズを、史上初となる1勝3敗からの逆転で破り、自身も3度目のファイナルMVPに輝いた。
レブロン擁するキャバリアーズは、今シーズンもここまで東地区の首位をキープ。2月6日にはスコット・ブルックスHC率いる好調ワシントン・ウィザーズと対戦したが、ここでもレブロンが千両役者ぶりを見せつける。
第4クォーター終盤、相手のフリースローが決まり、117-120とリードを3点に広げられたキャバリアーズ。残りはわずか3.4秒だった。
しかしそこから、レブロンのミラクルショットで同点に追いつく。
ケビン・ラブ得意の“タッチダウンパス”も見事だったが、それにしてもやはりレブロンだ。空中でパスをジャンピングキャッチしてからドリブルで外へ開くと、すばやく反転してフェイダウェイの3ポイントシュート! ボールはバックボードに当たり、綺麗にリングへ吸い込まれた。
「レブロンはとんでもないショットを決めたね。あんなの100万回に1回しか決まらないよ」
ウィザーズのガード、ジョン・ウォールが試合後に語った通り、まさにミラクル。さすが“キング”といった奇跡のショットだ。
だが実は、この直前。117-118とまだ1点差だった状況で、レブロンは比較的イージーなレイアップを失敗。そこからのファウルゲーム(※)で相手にフリースローを与え、3点差にリードを広げられていたのだ。劇的同点弾にもあまりよろこびを見せていなかったのはそのため。ある意味自作自演……、さすが“キング”である。
※)意図的にファウルをして相手にフリースローを打たせる戦法。相手に0~2点を献上することになるが、試合時間を止めたまま自軍ボールにできる可能性が高く、残り時間が少ない接戦の場面でよく活用される。
試合はそのままオーバータイムへ突入。レブロンはまもなくファウルアウト(退場)してしまったが、最終的に140-135でキャバリアーズが勝利している。
今シーズンもキャバリアーズとウォリアーズが東西の首位を走っているNBA。日本時間の今月20日には、毎年恒例のオールスターゲームがニューオーリンズで開催される。