スポーツ
2015/2/27 12:47

履いているだけで「いいなぁ!」と言われたスニーカーベスト3

南井正弘のスニーカーコラム「Kicks in the lifestyle」

【第1回】

 

スニーカーはその多種多様なバリエーションからコレクターアイテムとしての側面もありますが、なんといっても「スニーカーはカッコよく履いてこそ!」。そんなコンセプトでスタートするスニーカーコラム「Kicks in the lifestyle」。自分が実際にライフスタイルシーンにおいて履いたスニーカーのバックグランドストーリーを紹介しつつ、実際に着用している写真も紹介していきます。

 

申し遅れました。私、ランニングギアマガジン&ウェブサイトの「Runners Pulse」の編集長をしています、南井正弘です。以前は、スポーツシューズブランドのプロダクト担当をしていたこともあり、今回GetNavi webにて、このような連載をスタートすることとなりました。どうぞ、よろしくお願いいたします!

 

ここ数シーズン、スニーカーのセールスが日本でも絶好調で、スニーカーブームの様相を呈しています。2014年もスニーカーシーンにおけるトレンドの中心はレトロランニングです。それは‘80年代~’90年代初頭にオリジナルがリリースされたランニングシューズの復刻版。なかでもニューバランスがそのブームをリードし続けていて、M1400、M576、M996といったMADE IN USAの復刻版モデルは、2万円を軽く超えるプライスながら、スニーカーフリークのみならず良好なセールスを記録しています。そして今回のスニーカーブームの大きな特徴は女性からもスニーカーが高い支持を得ている点です。ここまでスニーカーが女性からも人気となったのは2000年以来だと思います。

 

さて、そんなスニーカーブームの真っ只中に始まったこのコラムですが、今回は2014年に、私が履いていて、人に「いいなぁ!」と言われたスニーカーを3足紹介します。

 

BEST1 「ナイキ エアマックス1」

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ナイキは1987年にスポーツシューズ史上初めてテクノロジーの視認化に成功したエアマックスを発表しました。このテクノロジーは、エアの容量を増大させるために変形したエアユニットをサイドに逃がすための機能的なアプローチでしたが、この意匠は同時に店頭における機能のショーケースにもなったのです。ナイキはこの年の3月26日にThe Beatlesの「Revolution」をBGMにしたTVCMの放映を開始しました。

 

そして2014年、これを記念して3月26日を「エアマックスの日」とすることにしたそうです。このエアマックス1の復刻モデルは、オリジナルを継承しつつ、ナイキお得意のボルト(蛍光イエロー)カラーを採用し、シュータンラベルに「3.26」の文字を配するなどスペシャルな要素をプラスしています。今回の「エアマックスの日」制定を記念してリリースされたモデルですが、リリース数も少なかったこと、オリジナルをレスペクトしつつ、絶妙なアレンジを加えていることからスニーカーフリークに注目されています。なので、このシューズを履いていると、特に古いファンから「そのエアマックス1いいですね!」と羨望の眼差しを集めました。

 

BEST2 「リーボック インスタポンプフューリー」

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1994年、リーボックがリリースした1足のランニングシューズがマーケットに大きなインパクトを与えました。それがインスタポンプフューリー。土踏まず部分のミッドソールを排除したデザイン、足とのフィットのために空気の入るブラッダー自体がアッパーの一部となった構造を組み合わせることで、これまでにない斬新なランニングシューズに仕上がっていました。

 

リリースから1年ほどはあまり売れなかったインスタポンプフューリーですが、‘95年に入るとストリートファッション誌がナイキ エアマックス‘95のライバルモデルにピックアップしたこと、アイスランドの歌姫・ビョークが雑誌の表紙でこのモデルのファーストカラーを着用したことから大ヒットモデルとなりました。

 

これまでファーストカラーが当時のデザイン&スペックのまま復刻されたことはなかったのですが、デビューから20年が経過した2014年、遂に完全復刻が実現しました。最近になって再販がされましたが、当初のリリース分は即効で完売しただけに、このシューズを履いていると、多くの人に注目されました。ちなみにオリジナルカラーをセカンドスペックに移植したモデルが1997年以降何度もリリースされましたが、これは自分がリーボックジャパン在籍時にカラーリングを担当した思い出深い商品でもあります。

 

BEST3 「ナイキ エアハラチ」

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ナイキのエアハラチはメキシコの伝統的なサンダルである「ハラッチ」から命名されたハラチフィットという独自のフィッティングテクノロジーを採用したランニングシューズで、1991年のデビュー。デザインはナイキが誇る天才デザイナーのティンカー・ハットフィールドが担当しています。水上スキーのブーツからもその形状をモチーフにした旨を、以前にナイキのワールドキャンパスを訪れた際に彼が語ってくれました。

 

そんなエアハラチですが、ヨーロッパでは根強い人気をキープしていて、これまでに数多くのバリエーションがリリースされ続けましたが、日本ではさほど盛り上がりませんでした。それが今年に入ってチラホラと数アイテムがリリースされることで徐々に人気が出始めました。しかし日本で展開されていたモデルはかなり派手。個人的にはカラーコンビネーションに関しては、好みのモデルがありませんでした。

 

そんなときにボストンのフットロッカーで見つけたのがグレーのバリエーション。グレーのスエードマテリアルを使用したこのエアハラチはベーシックながらしっかりとした存在感があり、あらゆるボトムと相性がよく汎用性が高い。最近になって日本でも落ち着いたトーンのバリエーションがリリースされましたが、夏の時点では皆無だっただけに、このエアハラチを欲しがるスニーカーフリークは少なくありませんでした。

 

2015年のスニーカーシーンにも要注目!

2015年に入ってからも魅力的なスニーカーが続々と登場しており、スニーカーシーンは2014年と同等かそれを上回る盛り上がりを見せています。
今年も履くだけで羨ましがられるモデルが何足も出現しそうです。