試合は勝つときがあれば負けるときもあるもの。ファンにとっては選手とともに勝利を分かち合う瞬間こそ応援の醍醐味だといえるが、常にそれを味わえるわけではないことも必然だ。
強いチームがあれば弱いチームもあり、また強いチームも永遠に頂点に君臨し続けることはありえない。だからこそ、試合の勝敗に関わらず何か楽しめるものがあることは、エンターテイメントとしてのスポーツにおいて非常に重要なことである。
そういった意味で一歩先を行くアメリカ、メジャーリーグ(MLB)での興味深いシーンを見てみよう。
中継クルーが思わず気になった2人のファン。ともに球審の格好で試合を観戦中だ。しかも、自らの役割を心得ているようで試合を見ながらちゃんと判定を下している! こちらがにんまりしてしまうほどゲームを楽しんでおり、ファン自身の姿勢がまずは大事というところが感じられる。
一方、ホスト側である球団の意識も高く、ファン参加型のイベントは野球に限らず盛りだくさんだ。先日のアトランタ・ブレーブス対ニューヨーク・メッツの試合では、イニング間にこんなミニゲームを実施していた。
Meanwhile, in Atlanta….. pic.twitter.com/trxiP7m4dJ
— Stadium (@WatchStadium) June 10, 2017
外野のフェンス際を使った競走。体格の良い男性ファンが走り出すと、スポンサーロゴの入った全身タイツの男が4秒ほど遅れてスタートした。これがまた速い! みるみる差を縮めていくと、勝利を疑わずスタンドを煽り始めた男性ファンを一瞬で抜き去りゴール。慌てた男性が転倒するところまでを含め、これぞエンターテインメントである。
スタジアムやアリーナへ行ったからには、その空間を存分に楽しみたいというのはどんなファンにも共通する気持ち。日本のプロスポーツもどんどんアイデアを出し、実行していってもらいたい。