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2021/3/30 11:30

カシオ&アシックスの新ランデバイス「Runmetrix」の実力はどう? パーソナルコーチ機能は使える?

みなさん、ランニングを楽しんでいますか? まだまだコロナ禍の影響が大きく仲間たちと集まって走るのは難しいですが、今はパーソナルな練習時間と割り切って頑張りましょう。でも、個人練習となるとアドバイスをしてくれる先輩や友人がいないので、フォームのチェックやラップタイムを計測するのが難しい……というランナーに朗報です。

 

G-SHOCKでお馴染のカシオとアシックスが共同開発した「Runmetrix(ランメトリックス)」は、モーションセンサーとアプリを使って自分のランニングフォームやペースを自動的に分析してくれます。今回はランナーをサポートしてくれるアイテムを、タレントでファンランナーでもある中村 優さんにレポートしてもらいます。

 

モーションセンサーでフォーム&ペースを分析

この3月にカシオからリリースされたランメトリックス「CMT-S20R-AS」は、コンパクトなモーションセンサーを体に取り付けるだけで走りや動きを感知。GPS機能とセンシング技術でランニング計測を行ってくれます。汗や雨などで濡れても安心して使えるIPX7相当の防水機能を実現。

 

1回の充電で約20時間の連続使用が可能となりフルマラソンでも問題ありません。カシオの製品ということもあり、センサーと同期することでランニング指標をリアルタイムで確認できる専用のG-SHOCKも用意されています。

↑G-SHOCKとモーションセンサーのセット「GSR-H1000AS-SET」5万7200円(税込)。モーションセンサー単体(写真右)の場合は、「CMT-S20R-AS」1万4080円(税込)

 

スマホのアプリを利用して距離や時間、ルートをチェックしているランナーも多いはず。ランメトリックスは、スマホやパソコンとの連動はもちろんですが、特に注目したいのが「パーソナルコーチング」。実業団やクラブに所属するランナーならコーチや監督がランニングフォームや体の動かし方を指導してくれますが、一般のランナーが専属のコーチやトレーナーを使うことは難しいはず。

↑G-SHOCKのケース裏には心拍を計測する機能も装備

 

しかし、このアイテムにはランニングフォームを自動的に分析し、改善するためのトレーニングメニューやストレッチを動画付きで解説してくれるので、自分専用のコーチそのもの。装着した本体(モーションセンサー)には加速度3軸、ジャイロ3軸、磁気3軸の合計9つのセンサーに加えてGPS機能を搭載し、ピッチ、スライド、接地時間、蹴りだし加速度、減速量、上下動、腰の沈み込み、左右方向衝撃、体幹の後傾。骨盤の回転、骨盤の左右傾きなど20種類の項目を基にランニング中の動きを解析してくれるのです。

↑スマートフォンに専用の無料アプリをダウンロードし、本体となるモーションセンサーとBluetoothで同期させればセッティングは完了。自動的に収集したデータが送られ、解析された状態で表示してくれます

 

↑スマートフォンを持ちながらランニングはしたくないけど、走っている時の情報をリアルタイムで知りたい……という人には専用のG-SHCOKがおすすめ。同期させることで本体の操作をはじめ、時計の文字盤に情報を表示してくれます。モーションセンサーを使わない時でもランニングウォッチとしても機能

 

↑本体一体型のクリップでランニングパンツに挟むだけ。モーションセンサーを正確に作動させるため、体の中心に取り付けるのがお約束。腰に触れる部分に滑らかな手触りの素材を使用しているので痛さや不快感はなく、装着していることを忘れてしまうほど

 

敏腕なパーソナルコーチが本格的なアドバイスをしてくれて驚き!

ここからは、中村 優さんに使用した感想を聞いてみました。「今回、試してみたランメトリックス。正直な話、最初は『距離やペースを把握するならスマホのアプリだけで十分なのでは?』と思っていたのですが、実際に使ってみると細やかなデータも出るうえに本格的なアドバイスがもらえて驚きました」(中村)

↑ランメトリックスと専用のG-SHOCKを装着しての試走。モーションセンサーは約37gと軽くランニングパンツが落ちてくることもありませんでした。ちなみに本体の大きさは幅39.9×高さ62.1×奥行き18.2mmとコンパクト

 

「モーションセンサーで得た情報を、分析データとして分かりやすく表示してくれるのはもちろんですが、下の写真のように『体重が乗り込むフェイズでは骨盤を起こし、頭、腰、足が一直線になるようなイメージを持つとぐんとよくなるでしょう』と表示され、具体的な改善点としてフォームの修正に役立てることができそうです。

↑9軸のセンサーを使ってランニング中の動きを正確にデータ化し、その分析結果やアドバイスをスコア化して表示してくれます

 

また、グラフを見ると、『左右対称性』は高いのですが、『骨盤を軸とした全身の連動性』と『動きの力強さ』が不足しているのが一目瞭然。自分の走りを客観的に見ることは難しいですが、ランメトリックスを使えばコーチにフォームチェックをしてもらっているかのように自分の走りが確認でき、今後の課題として参考になりました。敏腕のパーソナルコーチを手に入れることで、ランニングがより質の高いものになるはず!」(中村)

↑自分のランニングフォームを徹底的にデータ化し、的確なアドバイスを提供してくれるランメトリックス。フォームの改善と共にタイムの短縮やケガの防止にも役立てることができそうです

 

やっぱり「走りたい!」という人にはぜひおすすめ

昨年から“おうち時間”が増えたことで自宅でのエクササイズが流行し、それに伴うアプリや器具が人気なのに加えて、パーソナルなトレーニングを提供するサービスも増加していますが、ランニングも負けてはいません。

 

ランメトリックスは最近注目されている「ミラーデバイス」のように、鏡に映った自分の映像を見て、現実のトレーナーがアドバイスをしてくれるというデバイスではありません。しかし、先述したように20種類の項目を数値化してデータに基づいたアドバイスを表示してくれます。リアルなトレーナーだと、「続けていくと予算感が合わないなぁ」「緊張しちゃうなぁ」という人にはピッタリ。おうちでトレーニングするのもいいけど、やっぱり外を(リスクを低減したうえで)思いっきり走り抜けたいという人も多いと思うんです。

 

その点、ランメトリックスは「速く走りたい人」「長く走りたい人」「楽しく走りたい人」とそれぞれの目的に応じて“パーソナルコーチ”からアドバイスが受けられます。また、アドバイスだけでなく練習プランや解析結果を基に提示されるストレッチ、筋トレメニューのプログラムも作成し、走る楽しさ、成長する喜びを与えてくれます。

↑モーションセンサーが1万4080円、G-SHOCKとのセットで5万7200円(共に税込価格)と決して手の届かない価格ではないはず

 

パーソナルコーチとして頼れる存在になるランニング用のガジェットを手に入れれば、サブ3やサブ4など、高い意識を持ってランニングを楽しみたい人なら走る楽しさや充実感が倍増するはず。

 

桜の季節が訪れて、走るのが気持ちいい季節になってきました。ニューノーマルが2年目になるこの春に、こうした新しいデバイスを駆使して、身体作りにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

 

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