世代を代表する投手がマウンドを去る。先日引退を発表した北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹が、ホームゲームで引退登板を迎えた。
1点リードの7回、先発・上沢直之の受け2番手として登場した斎藤。自身の名前である「佑樹」にちなんで使用していたテーマソング「勇気100%」をバックにマウンドへ上がった。現役最後の投球で、フルカウントまでもつれた福田周平との対戦。結果は惜しくも四球となったが、スタンドからは大きな拍手が。笑顔でマウンドを後にした斎藤だったが、ベンチで栗山英樹監督に声をかけられると、我慢していた涙が頬を伝った。
1988年生まれの野球選手がみな「ハンカチ世代」「斎藤佑樹世代」と呼ばれるなど、世代を象徴する投手として背負った重圧は相当なものだっただろう。試合後に行われたセレモニーでは、ファンに向かって自身の想いを伝えながら涙を流した。
そんな中、球界を代表するムードメーカー杉谷拳士が日本ハムの2軍球場である鎌ヶ谷で汗を流す選手たちとともに、ビッグサプライズを用意した。セレモニー後、突然スクリーンに現れた杉谷。「ここ鎌ヶ谷で、佑樹さんにアツい気持ちを届けます」と、2軍の選手たちとともにテーマソング「勇気100%」を大熱唱。
1番手に登場した清宮幸太郎が、美声を響かせると次々に2軍選手が登場。斎藤と同じく甲子園で注目を浴びた吉田輝星は、まるで校歌を歌うかのように背中を反らせて歌うなど、非常に個性的な動画となっている。この動画がパ・リーグTV公式チャンネルから配信されるとたちまち話題となり、わずか1日で60万再生を超え「札幌にはこんな暖かい球団があることを誇りに思う」「色々あったけど日ハムって最高の球団」「杉谷はみんな笑顔にできる最強のムードメーカーだよ」と、コメント欄は感動の声で溢れた。
「きっとまた、お会いしましょう」とスピーチで語った斎藤。日本の野球界を盛り上げたハンカチ王子が、第二の人生としてどのような道を選ぶのかも楽しみだ。