ゴルフギアのトップブランドである、テーラーメイドゴルフは2022年春夏シーズンから大きく舵を切りました。従来は、どちらかというとアスリートゴルファーを意識し、機能性と洗練されたデザインの融合をテーマとしたウェアを世に送り込んできましたが、今シーズンは従来路線を踏襲しつつも、新たにカジュアルなシリーズも追加し、幅広いユーザーに訴求する戦略を打ち出しています。
アスリート向けのウェアは契約プロと共同開発
テーラーメイドが今シーズン投入するのは「TOUR TAYLORMADE」と「CLUB TAYLORMADE」の2ライン。TOURラインはベストスコアを目指す時、スポーツとしてのゴルフに真摯に向き合う時に身にまとうウェア。一方、CLUBラインはプレイおよびプレイ前後を含めた1日まるごとを楽しめるウェアです。一緒にプレイするメンバーや、プレイする日の気分によって2つのラインを使い分けることもできます。
TOURラインは、諸見里しのぶプロと塩見好輝プロの契約ツアープロ2人の協力を得て開発しているのが大きな特徴。プロ2人のスイングを3Dスキャンとモーションキャプチャーによりデータ化、プロの3Dアバターにウェアを着せ、スイングデータと掛け合わせてウェアにかかる着圧(負荷)をシミュレーションしていきました。そうして出来上がった試作品をプロに着用してもらい、機能とデザインの両面でプロ2人と議論を重ねて作り上げて完成したものです。
TOURラインから2月登場となる「ハイブリッドジャケット」は、前身頃と肩、背中の3か所にレインウェアに匹敵する防水性能を持つ素材を採用しています。防水ながら透湿性も高く、ストレッチ性能やUV性能、防風性能も兼ね備え、それでいて柔らかく、レインウェアのようにカサカサしない着心地の良さを保っています。両脇はより軽く柔らかく、ストレッチ性の高い素材で身体の動きを阻害しない素材を採用、袖口と腰の部分はニット素材で伸縮性を保ちながらバタつきを抑えるように工夫しています。
テーラーメイドアパレルの大きな特徴として「マルチマテリアルデザイン」という製法があります。ドライバーなどゴルフクラブでも採用されている製法で、異なる性質の素材を複数組み合わせることで複数の機能を同時に実現しているものです。ハイブリッドジャケットの場合は、マルチマテリアルデザインにより雨風を凌ぐウインドブレーカーとして機能しながら、決してプレイの邪魔をしない動きやすさを確保しており、まさにアスリート志向のゴルファーに最適なジャケットになっています。同ジャケットは女性用も用意されており、価格は男女ともに3万800円(税込、以下同)です。
パンツは、アドレスの際に最も自然な姿勢を保てるよう立体裁断した「ハイブリッド3Dパンツ」がキーアウトフィットとなります。前面は撥水機能を持つ張りのある素材で型崩れを防ぎ、ふくらはぎ部分はストレッチ性の高い素材により、スイングの際に力が入っても突っ張り感を防ぐというように、こちらもマルチマテリアルデザインを採用しています。膝上に入ったラインは、スタンスの確認にも良さそうです。価格は2万2000円(男性用)。なお、女性用のスコートはストレッチ素材にプリーツを組み合わせた、スポーティーの中にもフェミニンな要素を取り入れたデザインになっています。価格は1万7600円です。
4月から登場となる「アシンメトリーS/Sポロ」もマルチマテリアルデザインです。青い部分はスーパーストレッチ素材を採用していますが、斜めに裁断してあるのは意味があります。多くのゴルファーは右利きであり、バックスイングの際に左の肩甲骨から広背筋にかけて最も負荷がかかります。この部分にストレッチ性の高い素材を採用することで、バックスイングの際のストレスを解消し、気持ちよくフルスイングできるようにしているのです。ただ、ウェア全体をスーパーストレッチ素材にしてしまうと形状を保てないため、黒い部分に張りのあるストレッチ素材を採用して型崩れを防いでいます。価格は男女ともに1万7600円。
男性用の「ハイブリッドメッシュパンツ」は、メイン素材として撥水ストレッチ素材を採用したほか、ウエスト部分と膝裏からふくらはぎにかけてメッシュ素材を採用して暑い時期でも快適にプレイできるよう工夫しています。価格は1万9800円。