ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし
2022「ニューバランス」秋の陣③「FuelCell Revel v3」の巻
日進月歩のランニングシューズ開発。昨今の“厚底ブーム”は、衝撃緩衝性と反発性を持つミッドソールの開発競争によって生まれた。ランニングシューズ界の名門ニューバランスは、2つのミッドソールの素材で臨む。前回は、クッション性に優れ、走る楽しさを引き出す「フレッシュフォーム」のシリーズから、「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア) v4」を紹介した。
そして、今回は「フューエルセル」シリーズから、大幅リニューアルとなった「FuelCell Rebel(フューエルセル レベル) v3」に注目。聞いて、履いて、試して走って、このシューズのレビューをお届けしよう!
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期待の“万能モデル”、真価やいかに!?
「FuelCell Rebel v3」は軽量にして高反発、クッション性、安定性を高めた「FuelCell Rebel v2」の後継機種である。
2021年に登場し、“万能モデル”として高評価を得、話題となったv2。そのv2から、ソッコーの大幅なモデルチェンジが加えられたこともあり、FuelCell Rebel v3のパフォーマンスには大きな注目が集まっている。そんな期待のアイドルに、直に触れる大チャンス到来なのである! シューズ名の由来は、レベルアップなどで使われる「Rebel」だ。
「FuelCell Rebel v3は、楽しく走る“フィットネスランシューズ”とカーボンプレート入りの“レースシューズ”の中間に位置付けられます」と、驚きの話を語るのは、ニューバランスジャパンのランニングシューズ企画の間宮葵さん。
“モチっと跳ねる”って、何⁉
ターゲットセグメントの細分化が進む現在のランニングシューズ界では、FuelCell Rebel v3が位置付けられる、間口の広さ、そして大胆さは、極めてユニークな存在と言えよう。
「フューエルセルシリーズは、いわゆるシリアスランナーと言われるトップ選手たちがトレーニングで履くのと同時に、フルマラソンを4時間以内で走り切る市民ランナーにも履いていただけています」(間宮さん)
手に持って、ミッドソールを指で押すと、「あらっ、ソフト!」。“こんなんで、マジで大丈夫?”という感想を得たのだが……。前回の「Fresh Foam X More v4」のインプレの際にも触れたが、ニューバランスの「フレッシュフォーム」も「フューエルセル」も素材特性を示す総称である。
材料の配合や発泡の程度などは、全て使用するシューズごとに変えて用いている。当然、FuelCellRebel v3の「フューエルセル」も、このシューズオリジナルの仕様だ。
「良く跳ねるのですが、ポンポンやパンパンというのではなく、モチっと跳ねます(笑)。スローペースのジョグでも楽しめるのですが、テンポアップしてのインターバル走などですと、体感よりも、ずっと速く走れていることに気づくはずです」(間宮さん)
ミッドソールのソフト感が、実際に走ると“モチっと跳ねる”⁉ ぜひとも、体感してみたい!
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「v3への変更として、まず、ソールの着地面を広く取ることで、着地時の足のブレを減らし、安定感を高めています。さらに、アッパーのタン(甲に当たる部分)も、包み込むような形状のガセットタンに変えたので、フィット感も増しています」(間宮さん)
ミッドソールの厚みも増やしたが、フューエルセルの軽量が寄与したため、驚くことにシューズ全体として軽量化できているという。
「フューエルセルシリーズはカーボンプレートが入っていなのによく跳ねるので、レベルの高いランナーのトレーニング用にも起用されたことで、さらに人気になっています」(間宮さん)
聞くほどに、FuelCell Rebel v3への、ニューバランスの期待値がひしひし伝わってくる。
「フューエルセルのシューズは、開発コンセプトにもあるように、まずは走力がある方々を中心に広がって欲しいと考えています。生産数も拡大させる予定ですが、爆発的なヒットを期待するのではなく、きちんと育てていくべきシューズと考えています」(間宮さん)