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2023/1/27 11:30

プーマ「ディヴィエイト ニトロ 2」、“軟いけれど跳ねる”大胆不敵な野心作!/「大田原透のランニングシューズ戦線異状なし」

いよいよ、ディヴィエイト ニトロ 2を試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ディヴィエイト ニトロ 2の試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚およびウォーキングのインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。ディヴィエイト ニトロ 2、どこまで走れるのか、とくとご覧あれ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感&ウォーキング)】

足入れは、軟っ♡ 今までに履いたどのシューズでも得たことのない感覚。私の足は、昔気質の登山靴などの硬~い靴に慣れてきたので、最新技術を投入したミッドソールによる足入れの軟らかさには、正直、舌を巻かざるを得ない。軟いけれど跳ねる、という矛盾する機能を持つ野心的なシューズだけに、なるほど驚くほど軟らかだ。

 

ウォーキングでも、シューズの感覚を確かめる。トゥ(つま先)の反り返りはキツくなく、安定している。厚底シューズの多くが、かかととつま先とが弧を描くロッカー構造を採用している。理由は、ミッドソールのクッション性が高すぎると、推進力が得られないため、ロッカー構造で転がるように進むからだ。しかし、ディヴィエイト ニトロ 2には、カーボンソールが採用されている。推進力をロッカー構造に頼る必要がない、ということだろう。

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

運動不足の解消のペースは、ゆ~っくりが基本。景色を楽しんだり、気になるガーデニングショップに寄り道したりなど、運動習慣を楽しく身に付けたい。ディヴィエイト ニトロ 2は、着地の軟らかさに反して、バネがある。実際に走っても、着地時のフォームの沈み込みと連動して、カーボンプレートの反発性が発揮されているように感じる。転がらない安心感、しっかり地面をつかむ安定感があるのだ。シューズの重量は片足262g(27㎝)と若干重めだが、気になるほどではない。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

走る運動習慣が付けば、カラダをシュッと絞るべく、週2回以上のランニングを心掛けたい。ディヴィエイト ニトロ 2のミッドソールには、クッション性の高さと反発性を併せ持つ軽量のニトロ エリート フォームが搭載されている。ニトロ エリート フォームは、低速では軟らかく、高速では反発性を発揮する。少しスピードを上げると、ミッドソールのパフォーマンスを体感できる。軟らかさはあるが、沈む感じはなくなる。カーボンプレートと共に、カラダが前に進むのだ。

 

距離を踏むと、普段のランニングではない筋肉の使い方を感じる。理由は、やはりカーボンプレートの存在だろう。データを取った訳ではないが、蹴り出しの位置が、他のシューズよりも手前(中足部)にある印象だ。土踏まずのアーチや母指球から強いバネで押し出される感じ。なお、私はファンラン志向の昭和のヒールストライカー(かかと着地)なので、カーボンのバネをより強く感じたのかもしれない(前足部=フォアフットで着地する方は、異なる感覚を得るはず)。

 

今回のインプレでは違和感はなかったが、毎日10㎞以上走る頻度の高いトレーニングを積むのであれば、今どきのカーボンソールを履きこなすべく、フォアフットでの着地にフォーム矯正をするか、時間をかけてシューズを慣らした方が賢明だろう。マイルドな乗り味ではあるが、カーボンはカーボン。速さと硬さという諸刃を持つという特性を、忘れてはならない。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

荒川(東京)の河川敷で行われた記録会でも、ディヴィエイト ニトロ 2を履いてみた。10㎞を4分40秒のペースで走る。ひゅ~、脚が残っている感覚♡。もっとペースを上げたくなるほどだ。なるほどカーボンソールは、しっかり走りをアシストしてくれている。一歩のストライドが大きく感じるし、10㎞走り終えても、まだ脚が残っている感覚だ。まだまだ速く走れそう。

 

しかしながら、このスピード感に、私の心肺機能や筋や腱が追いつくかは、全く別の問題。カーボンのバネに私の足が慣れていないため、アーチと足首回りに今までにない刺激を感じた。ハーフマラソン(21㎞強)で試すのは、もう少し普段のトレーニングでディヴィエイト ニトロ 2を履きこんでからだ。それにしても、ディヴィエイト ニトロ 2のカーボンプレートの速さの魅力は捨てがたい

 

撮影/中田 悟

 

 

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