「中村 優の走って試して優言実行」
ランニングだけでなくサイクリングやゴルフなど、様々なスポーツ向けのスマートウォッチを出しているGARMIN(ガーミン)。私が初めて購入したガーミンのGPSウォッチ『ForeAthlete 10J』から現在まで10年以上経ちますが、いつの間にか“GPSウォッチ”ではなく“スマートウォッチ”と呼ばれています。今回は、距離を測るだけではない、もはやスマートフォン? と言いたくなるほど高性能な最新のガーミンのスマートウォッチを走って試して優言実行しちゃいます!
ランナーにおすすめのスマートウォッチ5モデル!
ガーミンスマートウォッチには驚くほどたくさんのモデルがあり、ガーミンのHPからもスマートウォッチ診断や、目指したい理想の姿のタイプ別でおすすめモデルを選べるようになっています。
あなたにおすすめのガーミン スマートウォッチの選び方 | Garmin 日本
数ある中から私が選びたいのはやはりランニングに特化したこちらの5モデル!(サイズ違いやちょっとした機能違いで全10種)
・Forerunner 965
・Forerunner 265/265S
・Forerunner 955 Dual Power/955
・Forerunner 255 Music/255/255S Music/255S
・ForeAthlete 55
ちなみに今私がスマートウォッチに求める点は、画面が見やすくて軽いこと。私が今使っているGPSウォッチ(直径46mm、重さ66g)は、ディスプレイが大きくて見やすいのはいいのですが、少し重たいのが気になっているのです。最新のスマートウォッチを前にあまり大きな声で言えませんが、あとは距離やペースさえわかれば他に機能はいらないと思っているくらい……。いろいろ機能が増えすぎても扱い切れるか不安、というのが正直なところです。
そんな私からすると、この5モデルの中で使い方が一番シンプルそうな「ForeAthlete 55」。しかし、 “画面が見やすいこと”の条件を満たしてくれるであろうAMOLEDディスプレイ(明るい太陽の下でも視認性が良く、ディスプレイが大きくなくても見やすい!)が使われているモデル(3種類)が、「Forerunner 965」と「Forerunner 265/265S」。
となるとこの3モデルの中でも、よりコンパクトなForerunner 265S(直径 28.1mm)で十分な気もします。重さの観点からしても、私が今使っているGPSウォッチが66gで少し重たいと感じているのに対し、Forerunner 965は53g。Forerunner 265が47g。さらに、そのひとまわり小さなモデルForerunner 265Sが39g。現GPSウォッチと比べて半分の重さ、とまではいかずとも27gも軽くなると感じ方が変わりそうですよね。というわけで……。
小さい! 軽い! 視認性良し!
Forerunner 265Sを走って試して優言実行することにしました。
まずはディスプレイの明るさにびっくり! これがAMOLEDディスプレイの凄さ。今年の名古屋ウィメンズマラソンを走った時も着けていたのですが、疲れていようとも日差しが強い時でも一目でパッと内容が入ってくるので、走りながらディスプレイを注視するストレスは全くありませんでした。
そして、ボタン操作だけでなくタッチ操作も可能なダブルインターフェイスになっているのも特徴。スマートウォッチモードで約15日間、GPSモードで約24時間持つバッテリーも優秀ですね。
表示の多彩さでモチベーション爆上がり!
走り終わるといろいろなデータが出てきました。22分48秒と、短めのジョグで済ませたこの日は、トレーニング効果3.4。フィットネスの改善を望める数値です。(0―なし、1―マイナー、2―維持、3―改善、4―大幅に改善、5―過剰)
VO2 MAXは最大酸素摂取量のことで、マラソンのタイムの目安などもわかるのでランナーには大事な数字ですよね。リカバリーの時間まで教えてくれるので、練習しすぎてしまう人はチェックして欲しい項目です。
距離やペースだけ分かればいいと思っていた私も興味津々のデータたち。もうかれこれ15年以上走っていますが、実はランニングパワーというのは初めて聞きました。
ランニングパワーというのは、ペースや上下動、傾斜、その地域の風の状況などの測定基準を基にして、ランニング時に地面にかかるパワーのこと。自分がどのくらいのパワーを分単位で使っているのかを把握することで、自分のペースの向上や体力消費を抑えることができるとのこと。
そして月間走行距離は気にしたことがありましたがその都度のトレーニング効果や、リカバリー時間なども出てくるんですね。こういった数値は、計測を続けてデータが増えるたびに精度が上がっていくようです。
さらに、安静時の心拍やHRV(ストレスの目安になる値)などのデータを取ることで、より自分に合ったトレーニングを提案してくれます。基本的には私は自己ベストを目指したりはせず、ゆるゆる楽しく走るだけのランナーなのですが、そんな私でも、こうやって具体的にいろんな数値が出てくると「もっといい数値出したい……!」という気持ちになってきました。
24時間着けていることでわかる数値などもあるので、トレーニングの質を無理せずあげられるのなら!と、スマートウォッチは走る時だけ着けたい派の私もいよいよ気持ちが変わり、お風呂の時以外Forerunner 265Sを着けて生活してみました。
……さらっと、「トレーニングの質を上げる」なんて言いましたが、今までそんなことあまり考えたことがなかったんですよ。完全にForerunner 265Sがトレーニング意欲を掻き立ててくれていますね。
日常的に着用して楽しい睡眠トラッカー
まずは、睡眠時間や睡眠レベルなどを測ってみました。こちらが私の睡眠記録。「睡眠には自信があったんです!」というのもなんだか変ですが、浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠のバランスが適切にとれています、と良い睡眠という結果が出て満足です。ちなみに翌朝のスコアは9時間半も寝てしまい、81点まで下がりました(笑)。
頼りになるコーチ機能
計測を続けてデータが揃ってくると、アクティビティ計測時に“今日のおすすめのトレーニング”というのが提示されます。ある日、私に提示されたのは6:10/kmのペースで1時間3分走ること。「(私にしてはちょっと負荷高めだな……)」なんて思いながらも言われた通りやってみることに。
走ってみた結果は“プロダクティブ”でした。“プロダクティブ”というのは、トレーニングステータスの一つ。「トレーニング負荷があなたのフィットネスを正しい方向へ導いているので、このままの状態を維持してください!」というステータス。ほかにも、理想的なレースコンディションであることを知らせる“ピーキング”、トレーニング負荷が高く、逆効果であることを知らせる“オーバーリーチング”などのステータスがあります。
Forerunner 265Sのコーチングを聞き、おすすめのトレーニングをしたから、“プロダクティブ”と出ているんですね。しっかりと負荷のある練習ができたようで気持ちの充実度も上がりました。リカバリー65時間と出ているので、しっかり休息も取ることにしました。
いつでも側にいてくれる頼りがいのあるパーソナルトレーナーだった!
正直なところ、Forerunner 265Sを実際に使ってみるまでは、スマートウォッチに対して、「本当に最低限の機能でいいから軽くして!」と思っていた私。いざ使い始めると、「これ以上は求めません!」というくらい軽いのに、あまりにも高性能でとても驚きました。ここでご紹介したのはほんの一部の機能で、ほかにもたくさんの機能があるので気になる方は調べてみてください。
寝る時に時計をつけることにも最初は抵抗があったのですが、睡眠のデータやリカバリーされているのを数値で確認することが結構楽しみになっていました。どんな練習をすべきかわからないランナーって意外と多いと思うので、今の自分の体力に対してどれくらいやれば体力が向上するか、どれくらい休息が必要か、といったことを示してくれるのは助かりますよね。オーバーワークを防いでケガ予防にもつながるので、ランニングを長く楽しむためにも良い指針となってくれそうです。
おすすめのトレーニングとして出されたお題に応えていくのも楽しかったし、Forerunner 265Sを着けていること自体が走るモチベーションになっているのを実感しました。
練習メニューも組んでくれてモチベーションまで上げてくれるなんて、スマートウォッチの域を超えていますね。いつでもそばにいてくれる頼りがいのある専属パーソナルトレーナーといった感じ。機能を知るまでは6万800円(税込)というお値段が悩ましいと思っていましたが、1回払いきりでずっと専属のパーソナルトレーナーがついていると思えば手が伸びるかもしれません。
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