常に斬新な発想で今までにない「モノづくり」を目指してきたスポーツブランド「デサント」。このほど、アスリートの課題解決を起点に、独自の機能美が凝縮されたプレミアムスポーツウェアの新コレクション「デサント プロ(DESCENTE PRO)」を発表しました。
デサントのプレミアムスポーツラウェア「PRO」とは?
2023年2月、デサントはプレミアムスポーツブランド戦略を始動。これはブランドの原点でもある、トップアスリートとの共同開発に基づく「モノづくり」を通して、機能美を追求した高機能で高品質、そしてデザイン性に優れたスポーツウェアを提案していくことでした。
その時に発表されたのが、これまでやってきた各カテゴリーを集約した2つの軸です。一つが、スポーツのDOのシーンにおいてユーザーのパフォーマンスをサポートする「アドバンスドスポーツ」。スポーツを愛するユーザーに自信を与え、挑戦心を掻き立てる機能性とデザイン性に優れたハイパフォーマンスカテゴリーのウェアです。もう一つが、水沢ダウンやオルテラインに象徴される「ムーブウェア」。こちらは日々の生活で快適性をもたらし、心身ともに活動的になれる商品群が魅力で、スポーツに限定しない動くためのウェアとして人気です。
今回発表されたプレミアムスポーツウェア「プロ」は、アドバンスドスポーツの頂点に位置するコレクションで、「スキー」「ゴルフ」「トレーニング」の3つのカテゴリーでアイテムが展開されます
なかでも特に注目されたのが、全カテゴリーに採用されている「スキーマテック(Schematech)」です。デサントが独自開発した技術スキーマテックとは、“第2の皮膚”とも称され、1枚の生地でありながら部位ごとに異なる組成や配置にすることで、部位に応じてストレッチ性や耐久性、通気性など異なる機能性を付与する特殊技術です。
スキーマテックを様々な商品に応用できるよう進化させるだけでなく、各競技シーンに適したパターン設計技術と融合させることで、動きやすさを生み出し、ストレス軽減とパフォーマンの向上をサポートします。同社マーケティング部門 部門長代行の大辻俊作氏は「この『プロ』というカテゴリーは、私たちとしても挑戦でもあります」と力強く語りました。
運動性と快適性の両立を追求したPRO SKI
それでは3つのカテゴリーの商品をそれぞれ見ていきましょう。スキーウェアはアスリートが雪山という過酷な環境の中で、快適に過ごすために必要な保温性があります。さらに衣服内の蒸れを排出するベンチレーション機能を搭載し、変わりやすい山の天候への対応が考えられています。
ウィンタージャケットは動作と一体化したような動きやすさを実現。空気の流れを想定した特殊な配置のダウンチューブ構造と、背中、両胸、両脇に配置されたベンチレーションにより、高い保温性を備えながらも、快適な着心地を保ちます。「トップ選手はスキーを滑ったあとに汗をかいた暑い状態と、長い時間リフトに乗って動かない寒い状態、寒暖のサイクルを繰り返す中で、ベンチレーションを上げる動作は非常に面倒くさいといった声がありました。ウェア自体が有機的に呼吸をするように蒸れた空気を排出する“呼吸をするウェア”をコンセプトにしています」(同社カテゴリーマーケティング3課 橋本謙一氏)
パンツは動きやすさを保ちながらも、主要部位に保護転写プリント「プロテクションマッピング」を採用することで、ウィンタースポーツに求められる部位に応じた必要な強度を付加しています。「膝に見えるところがプロデクションマッピングという工法で、樹脂のような特殊な素材を組み合わせています。スキーのパンツですので、アウター以上に部位ごとに必要な素材を組み合わせています」(橋本氏)
新たな着心地を追求したPRO GOLF
ゴルフウェアは服がかさばる冬のシーズにおいて、プレーに支障をきたさない着心地を目指しています。プレー中の身体に関する研究結果に基づき、ゴルフ特有のスイングやアドレス時の動作と一体化したような動きやすさをニットバリエーションの「スキーマテックスカイ」と、ゴルフシーンに適した技術を組み合わせて実現。
ダウンジャケットは胸、後ろ身にはスキーマテックとダウン、スイングやアドレス時にもたつきが気になる袖、脇、腹部には、ストレッチ性を兼ね備えたナイロンボンディグ生地を使用。「袖口のストリームラインは水の流れをコントロールする機能があります。例えば雨の日のパッティングの時に、真下に落ちてくる水の流れを外にはじいてストレスを軽減します」(同社カテゴリーマーケティング2課 片山雄貴氏)
パンツはダウンジャケットと同様に、スキーマテックとダウン、ストレッチ性を兼ね備えたナイロンボンディング素材を使用し、ゴルフの動作に合わせて使い分けた設計。膝にはパターン技術“アークカット”を採用し、膝の曲げ伸ばしの負担を軽減します。「ゴルフは基本的にシャツインというスタイルになります。そこでシャツのずり上がりを防止したいということで、防滑性のある素材を使っています」(片山氏)
柔らかな風合いと高い保温性を備えながら、ゴルフ特有のスイングやアドレス時の動作と一体化したような動きやすさを実現したカシミヤセーターも登場。「セーターといえばやはり天敵はピリング(毛玉)です。特にゴルフのプレーでは、袖下や脇で擦れが発生すると毛玉ができてしまいますので、このあたりは毛足のない素材でピリングを軽減しました」(片山氏)
肉体が持つパワーを最大限に発揮するためのPRO TRAINING
トレーニングウェアは冷風への対策を考慮した生地を使用。人がどこに汗をかきやすいか研究した“スウェットマッピング”理論から割り出した部分や、身体を大きく動かす箇所は、特殊な融解技術を使用し生地を溶かすことで、通気性や伸縮性、軽量化をもたらしています。
ジャケットは前面に風を通しにくくし、衣服内の蒸れを感じやすい背中部分は熱や蒸れを逃しやすい加工を施しています。急な雨にも対応する撥水機能もあり。「寒い時のトレーニングは、最初は寒いのですがランニングなどの動作を30分していくと、衣服の中が蒸れてきて体が温まる現象があります。まずはそこを解決したかったんです。」(同社カテゴリーマーケティング3課 谷豪太氏)
パンツはジャケットと同様の動きやすさや機能性を持たせながら、寒さを感じやすい前面の大腿部は風を通しにくく、膝下からは足の運び方をよりスムーズにするために伸縮性を高める加工が施されています。パンツ後面は汗がたまりやすい膝裏を中心に通気性を高める加工も。
「アスリートファースト」でアスリートの課題解決を起点にした「プロ」だからこそ、これまでのウェアではストレスだと気づかなかったことが実感できます。
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