文房具
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2018/8/14 19:00

ノート表紙に貼って増設! 大荷物さんの不安を解消してくれる“念のためポーチ”

【きだてたく文房具レビュー】バラつく小物文具をスッキリ携行できる増設ジップポケット

だいたいいつも荷物が多い。そして重い。日常的に10kg超のカバンを背負い、衣服のポケットは諸々の便利ツールで膨れあがっている。

 

そもそもなんでそんなに荷物が多いのかというと、ひとことで言えば「不安だから」というしかない。出先で何かトラブルが起きた際に対処できる道具がないと、不安なのだ(そしてそんなトラブルはまず起きない)。RPGでもだいたい開始3時間以内には、アイテム欄がどうでもいいポーション類で埋まるタイプである。

 

そして、そういうタイプの人間は得てしてポケットが好きだ。ポケットとはつまり持ち歩ける道具の総量を可視化したもので、その数は不安感のレベルに反比例する。先日「いま原宿でフィッシングベストが流行中」というネット記事があったが、あれは間違いなく福音である。聞こえるか、勝利の鐘が。

 

そしてさらにもうひとつ、我らに福音がもたらされた。ポケット大好き人を歓喜させる文房具が、ビバリーから発売されたのだ。ノートや手帳に貼り付けられる増設ジップポケット「HARUPO(ハルポ)」である。

↑ビバリー「HARUPO」ミニサイズ3枚入り 410円/カードサイズ2枚入り 410円

 

使い方としては、ノートや手帳の空きスペースに、裏面の剥離紙を剥がしてペタリと貼るだけ。基本的にふせんのような貼り直しはできないので、ある程度は事前に場所の見当をつけてから貼る方がいいだろう。

 

あとは、筆箱の中に入れておいてもバラけがちなゼムクリップや付箋、ボールペンの予備リフィルといった小物を放り込んでジッパーを閉めれば、それでOKだ。

↑ノートの表紙裏などに貼れば、小物に便利なジップ付き増設ポケットの出来上がり

 

もちろん、これまでもノートの表紙裏などに貼る付箋タイプの紙ポケットは、いくつか存在した。ただ、それらはあくまでも名刺やカードなどの薄い紙を数枚挟んでおくためだけの、増設スロット的なものだった。

 

翻ってこのHARUPOはどうかというと、ビニール製のポケットにジッパー(「ジップロック」のようなアレ)が付いており、きちんと封ができる。小物を入れてもこぼれ落ちる心配がないのは、とにかく使いやすい。

↑ジッパーバッグタイプなので、バラけがちな小物も安心して入れておける

 

さすがにポケット自体にマチはないが、裏面の接着部が中央に集中しているので、多少厚みのある物をいれて膨らんでも、端から剥がれてくることもない。とはいっても、あまりに入れすぎると、今度は紙面がデコボコするなどの影響が出るので、収容物はあくまでも“ちょっとした小物”に留めておくのが大事だ。

 

いっそ堂々と表紙の裏ではなく表側に貼ってしまうか、硬いリングノートに貼って表紙は折り返して使うのが、紙面に響かず使いやすいだろう。

↑粘着は裏面の中央に集中。一度貼ると、貼り直しは基本的にできないので要注意

 

実際に試してみた感触としては、やはり付箋類をノートに同伴させるときに最も重宝した。これまではカンミ堂の「ココフセン」など、ノート同伴系付箋を使ってきたが、個人的には、自分の使いたいサイズや形の付箋を好きに連れて行けるほうがありがたい(ちなみにカードサイズのHARUPOは、カンミ堂の「ココフセンカード」も入るので、組み合わせるのもアリだ)。

 

ただひとつ、「ちょっと困るな」と感じるのが、柄だ。かなり女子向けのポップ&キュートな柄しかラインナップにないので、おっさんが使っているのを見られると「あら、お可愛らしいことで」と微笑まれてしまう可能性もある。できれば無地、もしくはダークなビジネスカラー版HARUPOを出してくれないものか。

 

もしくは、メッシュ生地柄というのはどうだろう。これをノート表紙にびっしり貼ると、原宿で大ウケする“フィッシングベスト風ノート”として使えるわけだ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。