文房具
筆記用具
2018/12/31 16:00

鉄粉入りに空気入り…軽く消えてカスがまとまる「最新消しゴム」2傑

【きだてたく文房具レビュー】大人も驚く工夫をこらした最新消しゴム

例えば、ボールペンやシャープペンシルが進化しました! という話を聞くと、「ほほう、どうスゴくなりましたか!?」と身を乗り出す人は多い。それだけ“なにか変わった”感というか、期待値が高いのだろう。

 

対して、進化したという話をしてもあまり身を乗り出されないのが、消しゴムである。消しゴムなんてそもそも樹脂の塊じゃねぇか、進化したって言ってもそんな代わり映えしないだろ、という扱いなのだ。あと、基本的に子どもの使うモノだし、というイメージもあるかもしれない。

 

ところが、実はそんなことはないのだ。子どもの消しゴムだって、そりゃものすごく地味にではあるけれど、着実に進化しているのである。本当に地味に、だけど。ということで今回は、地味に、でも実はしっかり使いやすく進化している最新消しゴムをご紹介しよう。

 

磁力で消しカスをキャッチ!

消しゴムを使うと必ず発生するのが、消しカス。これは、こすって吸着させた鉛筆の炭素をくるんで捨てるためのものなので、消しゴムというツールの構造上、どうしたって出てしまう。かといって出たら出たで散らばって邪魔だし、少しずつつまんで捨てるのも面倒な消しカスを、磁力で集めてなんとかしよう、というのが、クツワの「磁ケシ」である。

↑クツワ「磁ケシ」各302円

 

磁ケシは、消しゴムの素材である塩化ビニル樹脂の中に鉄粉を練り込んで作られており、当然、発生した消しカスも鉄粉入り。つまり磁石を近づければくっつくのだ。

 

鉛筆で書いた文字をこすり消して出た消しカスに、磁ケシの本体を近づけると……

↑鉛筆の筆跡をこすって消して……

 

↑磁ケシを消しカスに近付けると、磁石で砂鉄を吸い付けるような感覚でスッと吸着

 

消しカスがスッスッと勝手に吸い付いていくのが、ご覧頂けただろうか。磁ケシのスリーブ底面には強力なネオジム磁石が備わっており、鉄粉入りの消しカスをまとめてくっつけてしまうのだ。

 

あまりにも細かく粉末状になった消しカスは取りこぼしが出やすいので、底面を近付けるだけでなく、消しカスを上からトントンと軽く叩く感じで使うのがコツ。

↑底面にネオジム磁石が入っている。クレジットカードや磁気メディアは近付けない方がいい

 

あとは、消しカスのくっついた磁ケシをゴミ箱の上まで持って行き、OPENと表示された小さなつまみを押し出す。するとネオジム磁石とスリーブ底面の間に隙間ができるので、消しカスはパラパラと下に落ちる。

 

以上で、面倒な消しカス掃除が完了。床の上に手で払い落としてから掃除機をかける、とか、指でつまんで捨てる、といった手間を考えると、驚くほどにラクだ。

↑つまみを指で押し出すと磁力オフ。消しカスの廃棄も簡単だ

 

消しカスがきれいに片付くのはいいけど、肝心の消字性能はどうなのよ? と言うと、これがまたなんの問題もない。いや、むしろ普通の消しゴムとして考えても良く消える方だと思う。

 

タッチは比較的粘りけの少ないサラサラ系で、鉛筆の筆跡を軽い力でこするだけできれいに消える。特に小学生の標準鉛筆であるB~2Bの濃さに合わせてチューニングされているようで、濃いめの筆跡でもサラッと消してくれるのは大したものである。

 

  1. 1
  2. 2
全文表示