富士通クライアントコンピューティング(以下、FCCL)からローンチされたデジタル文具、電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」。ローンチ当日には、文房具ジャンルの有識者やファンを集めてのお披露目イベントがあり、商品の基本的なポイントのレクチャーとともに、先行して使い込んでいた文具ソムリエール・菅未里さん、文具ライター・きだてたくさん、ビジネス書作家・美崎栄一郎さんによるトークセッションが繰り広げられたのは既報の通り。
「無限に書けるデジタルノート「電子ペーパー」を菅未里&きだてたく&美崎栄一郎が評価する!
https://getnavi.jp/stationery/343373/
筆者も縁あってこのイベントに参加し、以降は仕事やプライベートで「QUADERNO(クアデルノ)」を使っている。QUADERNOとはイタリア語で「ノート」の意味で、そこには「QUANTITY(量)」と「QUALITY(質)」のあるアイデアが、どんどんと「出るノート」、という想いも込められているとか。
なんとも期待は高まるが、PCやタブレットPCなどのデジタルデバイスや、同じデジタル文具に分類される他の“デジタルノート”などと、どう違い、どういった特徴があって、どのように活用できるのか。早速レポートしていきたい。
“電子機器に書いている”という感覚がない
「クアデルノ」とは、一言で言えばデジタルのメモ帳だ。これまでも、手書きしたものがそのままデジタルで保存される機器は色々と登場しているのだが、今回の製品は、その「手書き文字が保存できる」「いつでも閲覧できる」という部分にフォーカスを定めて、それをいかに快適に提供できるかを考えた製品のようだ。実際に使って実感するが、“画面にスタイラスペンで書いている”という意識があまりなく、“普通に書いていられる”のだ。
“紙にペンで書く”、そのものの書き心地とまでは、さすがにいかない。それもそのはず、紙に鉛筆で書く、ボールペンで書く、万年筆で書くというのは、それぞれに書き味が違っていて、しかも、それらは紙にインクなり鉛筆の芯なりを擦りつけているわけで、その感触はやはりデジタルで再現するのは難しい。
しかし、この「クアデルノ」の場合は、画面とペン先の摩擦具合が、書いている実感を得られるような感触として伝わるので、画面にペンを当てている感触とは全く違い、書いていて不自然な感じがない。その意味では“紙にペンで書いているような”感触と言えるかもしれない。この“普通に書いていられる”感覚は、筆記時のストレスがなく、メモをとるような何に書くかも意識せずにサッと書き留めるような用途には、とても重要なポイントだと感じた。
また、些細なことかもしれないが、枠部分と画面に段差がないのも書き心地の良さのポイントではないだろうか。“この枠内で書く”と範囲を意識させず、“これに書く”という気分で書けるのも、デジタル機器であることを意識せずに使える要素になっているようだ。
PDFビューワーとして本を“何冊も”持ち歩ける
筆者は、購入した本は全てデジタル化してタブレットPCで読むといったことが習慣化している。そういう人は、メモ帳として以上にビューワーとしての利用の方が、使用時間としては長くなるかもしれない。
そういう用途でありがたいのは、バッテリーの駆動時間の長さ。読書というのは時間がかかるもので、場合によっては6-7時間ぶっ通しで読むこともあるから、バッテリーの残量を気にせずに読めるのは、大きなメリットである。
もちろん、“何冊も持ち歩ける”というのも大きい。先日、海外出張に行った際も、本はこの「クアデルノ」ひとつで事足り、本当に助かった。何と言っても荷物にならない。機内持ち込み用のカバンに入れていても、入れていることを意識しないでいられる軽さだから、読書時も、本を持って読むよりも軽くて楽なのだ。
データを本機のストレージに取り込み、インターネットを介すことなく読めるので、これは通信機器が使えない、もしくはWi-Fiの利用に料金がかかる長時間のフライトでも助かる。
ビューワーとして使うなら、表示の視認性も重要だ。この表示に関しては、文句のつけようがない。マンガも16階調あれば十分キレイに表示されるし、画面サイズが大きいため、書籍も文庫や新書なら文字が大きく表示されて快適に読める。ページ送りの速度も、読書のリズムを妨げない。
このように読書端末として使う人は少数派かもしれないが、この薄さと軽さでマンガ10冊一気読みができるという環境は、他ではなかなか得られないので特に記しておきたい。
取り込んだPDF資料に上から自由に書き込める
ただ表示するだけではなく、読み込んだPDFには書き込みも出来る。筆者のようなライターの場合、ゲラチェックにも便利だ。文字色を赤・青から選べるので、カラー表示した際に、書き入れた訂正の“赤字”が赤色で表示されるのもうれしい。
また、書き込む際に、空いたスペースが狭かったり文字が小さくて見にくかったりすれば、ピンチインで画面を拡大し書き込めるのもありがたい。当たり前だが、紙では不可能だ。
スケジュール帳を予定の一時メモとして使う
意外に良く出来ていると感じたのが、スケジュール機能だ。単にPDFでスケジュールの“枠”を表示するだけでなく、日付を指定することでマンスリー/ウィークリー/デイリーのフォーマット間でジャンプする。ただし、日付ごとにリンクはしているものの、デイリーに書き込んだ内容がマンスリーに自動で連携するなど、フォーマット間のデータの連携はない。とはいえそれは紙の手帳を考えれば自然なことで、むしろ“文房具”として使ってもらいたいというFCCLの意思が表われているようにも思った。
個人的には、普段のスケジュール管理はGoogleカレンダーで行っているので、「クアデルノ」ではメモ代わりとして一時的に予定を書き留めておく、といった使い方をしようと考えている。
日常生活に違和感なく溶け込むツール
しばらく使っていて驚いたのは、気がつけば手元にあって当たり前に使っていたということ。電話中にメモが必要となれば「クアデルノ」に書いているし、思いついたアイデアもメモしている。つまり従来のように、紙を手にするよりも先に、これを手にしているのだ。
従来のデジタルノート、あるいはデジタルメモとの一番の違いは、この仰々しさのなさというか、親しみやすさなのだと思う。メモ画面を表示した状態でスリープさせておけば、書こうと思いついてから書き始めるのに、メモ帳の最新ページを開くよりも速い。また使いたい時に限って電池切れ、という心配もほとんどない。そして、いくらでも書ける。これらの条件がそろえば結果的に、「とにかくメモはこれに書いておけばいいや」ということになる。メモは集約されているに越したことはないのだ。
この気軽さと、気軽さを実現している機能やデザインは、とても文房具的である。
さて、この「クアデルノ」が最大34%OFFで手にできるお得なキャンペーン「Hello! QUADERNO! Campain」がスタートしている。下の富士通直販サイト「WEBMART」で、「P01(A4サイズ)」が7万4800円、A5サイズは4万9800円(ともに税込)の特別価格で販売されるというもの。3月27日14時まで!
WEBMART
http://www.fujitsu-webmart.com/pc/webmart/ui3211.jsp
キャンペーンページ
http://www.fmworld.net/digital-paper/campaign.html
さて、前述のように書き心地や軽さなど、実際に触ってみなければわからない特徴の多い「クアデルノ」だが、一般消費者がタッチ&トライできるイベントも、先日二子玉川の蔦屋家電で行われた。ここまでは、ガジェットを使い評価することを生業とする筆者のインプレッションだったが、一般消費者は、果たしてこの製品をどのように感じたのか、こちらも参考になると思うので紹介したい。
トークショーとタッチ&トライ、盛りだくさんのイベントも開催
会場には、自由に触れる電子ペーパーが多数用意されており、とにかく来場者は思い思いに試用していた。触ってみなければわからないと前述したが、目の前にあればすぐ使い始めて確かめることができる。その“文房具”さながらのシンプルさこそ、この製品の魅力だろう。
まずは使ってみて感触を確かめる人、自身がすでに使っているデジタルツールとの連携や活用法を具体的に検討する人など、いずれも熱心にタッチアンドトライを楽しんでいた。
イベントでは、トークショーも開催された。1回目は、企画立案が“命”であるおもちゃクリエイター・高橋晋平さんと、文具ソムリエール・菅未里さんによるセッション。
おもちゃクリエイター・高橋晋平さんと文具ソムリエール・菅未里さんによるトークの内容はコチラ
https://getnavi.jp/stationery/335116/
2回目のトークセッションには、引き続き菅未里さんと、文具ライター・きだてたくさん、ビジネス書作家・美崎栄一郎さんが登場した。
文具ソムリエール・菅未里さん、文具ライター・きだてたくさん、ビジネス書作家・美崎栄一郎さんによるトークの内容はコチラ
https://getnavi.jp/stationery/343373/
来場者の多くは、ローンチされた際にネットなどで記事を読み、興味を持ってイベントに参加している人だった。それだけに、購入したい、購入を検討したいと意見がほとんど。それは実際に触ってみて、さらに強まったようだ。
数々のコメントの中で特に多かったのは、やはり本体の軽さと薄さへの驚き。「デジタル機器=重い」というイメージは根強く、それだけにこの軽さは体験すると衝撃的だったようだ。続いて、画面の書き心地の良さに言及する人が多かった。特に、「滑らないのが良い」「反射しないのが良い」といった、タブレットPCと比較した際の利便性を実感する人が多く、従来の“画面に電子ペンで書く”という作業にあまり満足できていなかったことがうかがえた。
子どもの練習帳やらくがき帳にも
具体的な用途として、目を引いたひとつは「子どもの漢字の書き取りに良さそう」という意見。
確かに、リフィルを自作して取り込め、無限にページを増やせる「クアデルノ」はいくらでも練習でき、書き取りに役立ちそうだ。
授業のメモや資料をまとめるノートにも
また、都内で学ぶという大学生からは、「授業でぜひ使いたい」というラブコールが送られた。
ノートをとるだけでなく、授業で配られるプリントや参考書の要点を収録しておけば、そこに書き込みができる上、情報交換として学生同士でノートをやりとりするのも、データなら簡単だ。
イベントで試用している人を見ていると、「使えば分かる」というこの商品の“力”を感じる。それは繰り返すようだが、「クアデルノ」がノートやメモ帳に近い、汎用的な文房具になっているからだろう。それこそ、電子ペーパーだから、直接画面をコピー機にかけてコピーすることもできるし、データで共有することもできるという、その振り幅の広さは、道具としてとても頼もしい。
特段に“使いこなす”必要もなく、生活や仕事の中で自然と使えてしまうツールというのは、意外に少ないもの。この「クアデルノ」は、そういった汎用性の高さだけでも、十分、使いたくなる製品ではないだろうか。
最後に、大事なことなのでもう一度。
この「クアデルノ」が最大34%OFFで手にできるお得なキャンペーン「Hello! QUADERNO! Campain」がスタートしている。下の富士通直販サイト「WEBMART」で、「P01(A4サイズ)」が7万4800円、A5サイズは4万9800円(ともに税込)の特別価格。3月27日14時まで!!!
WEBMART
http://www.fujitsu-webmart.com/pc/webmart/ui3211.jsp
キャンペーンページ
http://www.fmworld.net/digital-paper/campaign.html