文房具
手帳
2019/7/9 19:00

付箋×磁石が最適解!スケジュールを“ブロック”で管理する新システム「Mover」

【きだてたく文房具レビュー】マグネットを付けた付箋ブロックで管理するスケジューラー

毎年のように新しいシステムの手帳やスケジューラーが開発されているというのに、未だ人類は“完璧なスケジュール管理法”を手にしていない。我々はいつになったら、大事な打ち合わせを忘れたり、締切直前に「わー、もしかして間に合わないんじゃないか……」と焦ったりせずに済むようになるのだろうか。

 

もちろん、個人の資質や仕事のタイプによって、向いているスケジュール管理の方法は異なる。個人的な話をすると、一応「現状、これがベターかな」というのが卓上カレンダーとスマホのスケジューラーアプリの組み合わせだ。筆者は非常に忘れっぽいので、常に仕事しながら目に入る位置に置いた卓上カレンダーに、予定を書き込んで日程の感覚を維持。さらに遅刻を防ぐために、スケジューラーアプリにアラートを鳴らしてもらう、というやり方である。

 

ただ、リスケなどがあった場合、スマホアプリだと画面上で予定をスイッとドラッグして移動できるのに、卓上カレンダーはいちいち書き直す必要がある。で、その作業を面倒くさがった結果、書き漏らしが出てスケジュールミス発生! なんてことも。これをなんとかできたら、もうちょっと締切も守れると思うのだ(希望的観測)。

 

予定の変更&移動がラクな“付箋的”マグネット

そういったスケジュール管理をもっと上手くできるようになるかもしれない、と入手したのが、香港のベンチャー企業 S-mall Groupがクラウドファンディング発で開発した「Mover」である。

↑「Mover」システムのメインとなる付箋「マグネティック・メモブリックス」
↑「Mover」システムのメインとなる付箋「マグネティック・メモブリックス」

 

付箋1枚を予定1ブロックに見立て、カレンダーボードに貼って管理していく付箋スケジューラー、というべきか。この付箋を使ったスケジュール管理システムは複数のメーカーで製品化されていて、予定を書いた付箋は貼り剥がしが可能なので、スケジュールの調整がとてもラク、というのが最大のポイント。

 

ただ実際にやってみると、何度も移動させた付箋は次第にくちゃくちゃになるし、うっかり剥がれ落ちて予定が分からなくなるというトラブルもありえる。ところがこのMoverなら、そのあたりをうまく解決してくれそうなのだ。

↑マグネット内蔵のケースには、付箋15枚の束が収納されている
↑マグネット内蔵のケースには、付箋15枚の束が収納されている

 

「マグネティック・メモブリックス」の最も特徴的な点は、付箋をマグネット式のケースに搭載したこと。これにより、付箋を塊のままマグネットで金属ボードに貼ることができるのである。

 

なるほど、マグネットならどれだけ移動させても粘着剤が劣化してうっかり剥がれ落ちることはないし、なにより付箋が丸まらず常にピシッとまっすぐなので、書かれている内容も見やすい。で、予定が完了したらケースから付箋をピリッと剥がす。すると新しい面が出てきて、また次の予定を書き込める、というわけだ。

 

剥がした付箋はすぐに捨ててもいいが、「完了したタスク」としてボードの欄外や紙の手帳などに一週間ほど貼り直しておくと、後からの確認もしやすい。こういった応用が利くのは、付箋ベースならではだろう。

↑これならバーチカル式のスケジュールが、視覚的に捉えやすい
↑これならバーチカル式のスケジュールが、視覚的に捉えやすい

 

基本のメモブリックスは、幅が約34㎜、高さが約11㎜の倍数で3サイズ用意されている(付箋としてはかなり特殊なサイズなので、市販のものでは代替できない)。これで基本の高さ11㎜を1時間分として、バーチカル式に予定を1~3時間分書き込めるということ。これなら、スケジュールを視覚的に掴みやすいのでありがたい。

 

予定をひとかたまりとして視認し、自由に移動させたり、書き直したり。こういった部分はスケジューラーアプリの感覚に近いため、スマホと兼用でスケジュール管理をするのにかなり向いていると感じた。

 

さて、実際に使ってみて「へぇー、いい工夫だ」と感じたのは、このメモブリックスをボードから剥がすためのギミックだ。

↑端を押すとポコッと浮く。こういう細かい工夫がされているの、ホントうれしくなる
↑端を押すとポコッと浮く。こういう細かい工夫がされているの、ホントうれしくなる

 

ボードに貼り付けたケースの左端を指で押すと、右端がポコッと浮くようにできているのだ。マグネットだと予定が密集した場所から剥がすのが大変なのだが、これなら簡単につまんで剥がすことができる。

 

ちょっとしたことだが、これがなかったら使っているうちに、地味にストレスを溜め込むことになっていたと思う。ユーザーの使い勝手をよく考えてくれているなと感心した。

 

  1. 1
  2. 2
全文表示