文房具
2016/6/27 16:35

あるとうれしいオトコマエ文房具! 古本の値札からラベルの貼り替えにまで使える丸善雄松堂の「値札はがし」

文房具の中には「日常的には優先度が低いけど、持っているといざというときに周囲からの評価が上がる」通称“オトコマエ文房具”というジャンルの製品がある。誰かが困っているときにスッと差し出してあげると「こんな便利なものを持っているなんて……カッコイイ! ステキ!」となるからオトコマエ文房具というワケだ。(なったことはないけども)

 

例えば、わりと誰もが困った経験のある「製品から値札が剥がせない」「大昔に貼ったセロハンテープが劣化してベタベタになった」「備品のラベルシールを貼り替えたいけど剥がれない」などといったトラブル。

 

生活の裏ワザ的に「ドライヤーで温める」「中性洗剤を染み込ませる」などいくつか方法はあるものの、いちいちドライヤーのある洗面台まで行ってコンセントを挿して……というのは面倒くさいし、場合によっては失敗することもある。値札を爪でカリカリカリカリ、と必死で格闘している人がいたら、サッと専用の剥がし剤を取り出してあげよう。スルッと剥がせると、オトコマエなのだ。

↑丸善雄松堂「はがしっこシリーズ5 値札はがし」 486円

 

シール剥がし剤にはいろいろタイプがあるが、わりと万能で、かつ使いやすいのが丸善雄松堂の「はがしっこシリーズ5 値札はがし」。なんと発売開始から30年以上経つロングセラー商品である。

 

一般的に、市販のシール剥がし剤はスプレータイプのものが多い。これだと、値札やシールなどに吹きかけたあと、ヘラでこすって浸透させて……という作業がある。もちろんそれでシールが確実に剥がせるからいいのだけれど、正直なところ、ちょっと面倒くさい。付属のヘラをなくすこともしばしば。

 ↑ペン先は硬いプラスチック。うっすら見えるスリットから剥がし液が出る
↑ペン先は硬いプラスチック。うっすら見えるスリットから剥がし液が出る

 

丸善雄松堂の値札はがしは、塗るのがカンタンなペンタイプ。しかもペン先がプラスチックのヘラ状で、剥がしたいものに押し当ててやると、先端から剥がし液がじゅわっと出てくる仕組みになっている。一度強めにペン先を押し込んで中の空気を抜いたら、あとは軽くトントンとペン先を叩きつけるようにすれば良い。

↑剥がし液を値札のフチに塗り、素材との隙間に毛細管現象で浸透させる
↑剥がし液を値札のフチに塗り、素材との隙間に毛細管現象で浸透させる

 

少し待つと、剥がし液が浸透した部分が浮いてくる。あとはその隙間にペン先を挿し込んで、じゅわじゅわと剥がし液を出しつつ進めていけば、値札やシールをきれいに剥がし取れるのだ。

↑剥がしつつ、さらに隙間に剥がし液を流し込んでいく
↑剥がしつつ、さらに隙間に剥がし液を流し込んでいく

 

ポイントはひとつ、焦らないこと。無理してペン先を挿し込むよりは、剥がし液がまんべんなく浸透して糊が溶けきるまで待ったほうが、結果的にキレイに剥がれる。

 

また、強力すぎる剥がし剤だと、プラスチックの表面を曇らせたり、印刷を溶かしたりというミスもある。この丸善の値札はがしは効果が程よい感じで、粘着剤だけをきれいに溶かして周囲に被害が出にくいのもありがたい。(念のため、大事なものから剥がすときは目立たない部分に塗ってチェックすること)

 

本好きにとって不愉快の代名詞といえば「古本チェーン店の値札」。これが裏表紙に直接べったり貼られており、なかなかきれいに剥がせない。無理に剥がすと表紙を傷めるか、ベタベタとした糊の跡が残るか、どちらにせよ無惨なことになる。

↑お馴染み、あの値札にはダイレクトに塗り込む
↑お馴染み、あの値札にはダイレクトに塗り込む

 

そこで、値札はがしをあの不愉快な値札の上から全体的にじゅわじゅわと剥がし液を染み込ませてみよう。あとは全体的に浸透するまで1~2分放置して待ってから、指で端っこから持ち上げる、すると、あの値札が驚くほどにスルリと取れてしまうのだ。仕上げにティッシュか何かで表面を拭ってやれば、糊残りもなし。

↑端っこをつまみあげると、驚くほどカンタンに剥がれる
↑端っこをつまみあげると、驚くほどカンタンに剥がれる

 

しばらくは表紙にも剥がし液が染みたように残ってしまうが、これは1時間ほど放置しておけばきれいに乾いてしまうだろう。

 

あと、ちょっとばかりマニアックな用途になるが、コレクターにとってはブリスターパックの開封に使えるのもありがたい。オモチャや文房具などのブリスターは、普通に開けると台紙の厚紙をバリバリに破ることになる。コレクターとしては、できればパッケージもきれいに取っておきたいところ。そういった非破壊的な開封も、値札はがしにお任せである。

↑ブリスターは隙間からちょっとずつ浸透させる
↑ブリスターは隙間からちょっとずつ浸透させる

 

紙の値札と違ってプラスチックには剥がし液が浸透しないので、厚紙とプラの境目から少しずつ染み込ませる。それから、ちょっと浮かせては染み込ませ……、という動作を繰り返せばいい。

↑ブリスター側に印刷面を持って行かれたのが残念
↑ブリスター側に印刷面を持って行かれたのが残念

 

ブリスターはかなり強固に接着してあるので、プラ側に印刷面がくっついたまま剥がれてしまう場合もあるが、カッターなどで開封するよりもはるかに見た目良く開封することができる。

 

この「はがしっこシリーズ5 値札はがし」は、生活の困りごとからコレクターのマニアック用途まで、とりあえず1本常備しておくと助かる逸品である。

 

【URL】

丸善雄松堂 https://yushodo.maruzen.co.jp/index.php

はがしっこシリーズ5 値札はがし https://yushodo.maruzen.co.jp/co/stationery-n/B-hagasi.html