机の上で、モノが散乱していてゴチャゴチャ。小物の収納スペースがもうちょっと欲しい。そう感じることはないだろうか? 足りないと思っているわけだから、収納スペースが体良く空いているはずもなく、実際新たに棚や収納ケースの類を設置する場所もない。これでは永遠に片付けなんて終わるはずもないだろう。
こういう場合の解決策としてまず挙げられるのが、いわゆる“浮かせる収納”。つまり、壁面から掛けたり吊り下げたりできる棚を使う収納方法だ。机などの二次元平面上に収納を設けられないなら、まだ余裕のある上方または下方の三次元空間上を使えばいいじゃない? という話である。例えば、磁石で収納ケースを貼り付けたりするのも、浮かせる収納方法のひとつだ。
耐荷重4倍の超強力マグネットシート
マグネットシートを貼った収納ケースを壁面(金属面)に貼り付けるのも、三次元収納の定番のひとつ。壁に吊り下げ用の釘を打つ必要がなくダメージを与えずに済むので、手軽、かつ気軽に試せる方法なのはありがたい。ただし、ケースなどに粘着で貼れるマグネットシート類は磁力が弱く、重量物を収納するには少々心許ないと感じることもあるだろう。
そんな不安をまったく感じることなく使えそうなのが、マグエックスの「超強力マグネットシート ゼロスリップ」シリーズである。さすが “超強力” と名乗るだけあって、なんと一般的なマグネットシートの約4倍というすさまじい耐荷重。これなら、なんでもバンバンと貼り付けたくなること請け合いなのだ。
マグエックス
超強力マグネット ゼロスリップ
シートタイプ カット:1250円/小 1200円/大 2300円(いずれも税別、以下同)
テープタイプ:幅30mm 600円/幅15mm 400円
プレートタイプ:2mm厚 800円/1mm厚 650円
ラインナップは、面積が大きめのシートタイプ、貼りやすいテープタイプ、ピンポイントに貼れる小さなプレートタイプの3種類。いずれも表面がマグネットシート、裏面が粘着テープ付きという仕様で、プレートタイプのみ裏面が強粘着テープとなっている。
早速、粘着テープ側を収納ケースに、マグネットシート側を壁面にペタリと貼り付けてみたが、その強力さは間違いなしと言える。ケースに手をかけて下側に荷重をかけてみても、ズレ落ちそうな気配がまったくしないのだ。なにしろ、最大サイズのシート(W200×H300mm)なら、耐荷重はなんと16kg! 最小のカットシート(W25×H25mm)でも240gを支えてしまうのだから驚異的だ。
それにしても、見た目は普通のマグネットシートと変わらないのに、なぜ耐荷重4倍という性能差が出るのだろうか。その答えのひとつが、「異方性磁石」を使用していること。そもそも、磁石には等方性と異方性がある。内部でN極とS極がバラバラになっており、どの方向にも等しく磁力を発揮するのが、等方性だ。
対して、異方性磁石は全ての極が一方向を向いているので、その向きにのみ強力に働くという性質を持つ。薄いマグネットシートなら等方性である必要はなく、面に対して極が揃った異方性の方がフルに磁力を発揮できる(約1.5倍)という理屈である。
強い磁力+すべり止め加工が効く!
もうひとつポイントとなるのが、マグネットシートの表面に施された、すべり止めのコーティングだ。磁石は、貼り付いた面に対して引っ張り合う力が最も強く、側面にズラされるのに弱い。つまり、重いものを貼り付けると、重力でどんどんずり下がってしまうのである。すべり止め加工があれば、ずり落ちるのを摩擦で防ぐことで、磁力が安定して発揮できるようになる。
このすべり止め加工+異方性磁石のパワーが、トータルで従来比4倍という耐荷重を実現した、というわけ。ちなみに、すべり止めは貼り付けてから時間をかけて少しずつ壁面に馴染むので、時間が経つほどにしっかりと吸着する。逆に言えば、貼ってすぐにはフルパワーが発揮できないとのことなので、そこは要注意だ。
とはいえ、実際に試してみると、貼り付けてすぐでも「え、マジで!?」と思わず声を上げてしまうレベルの強力さで吸着していた。筆者は趣味の工作で、100均のマグネットテープを使うことが多いので、一般的にはどのぐらいのパワーで吸着するのかをだいたい掴んでいるつもりだが、同じサイズでも、ゼロスリップの磁力の強さは明らかにステージが違う。
もちろん、お値段はその分お高めということにはなる。しかし、このパワーを一度体感してしまうと、安心感の分を考えてもむしろ安いのではないか、と思える。安さだけを重視した結果、収納ケースが荷重に耐えかねて落ちたとしたら、中のものが破損してしまうかも……と考えれば、このぐらいは課金しても損はしないと思うのだ。たまには、安心をお金で買うことがあったっていいじゃないの、とそういうことである。