デスクワーク中にメモを取る際、筆者は付箋を使うことが多い。どうにも物忘れが激しいため、書き留めた内容がいつでも視界に入るように周囲に貼っておき、ことあるごとに思い出せるようにしたいのだ。基本的には仕事場で使っているPCのフチに貼ることが多いが、情報を持ち出したいときはスマホの裏側や、外出時に携帯しているノートに貼る場合もある。
とはいえ、あちこちに貼っていると情報が分散するし、どこに何を貼ったのかが思い出せなくなりそうだ。そこで「付箋の貼り場所」を統一するべく、使えそうなツールを探していたら、携帯タイプの付箋用ボードに行き当たった。要するに、単に付箋を貼っておくだけのシンプルな板ではあるが……ちょっとした工夫も施されており便利そう。さっそくレビューしてみよう。
場所を選ばず付箋メモを貼れる情報集約ボード
共栄プラスチックの「フセンボード」は、正直特段のひねりもなく、ただ付箋を貼っておくことに特化した携帯用ボードだ。本体はスチールシートをPP合紙で包んで製本したように畳んだもので、見た目の印象よりはかなりガッチリとした重さと手触りがある。
畳んだ状態での大きさは120mm×160mmで、B6サイズより一回り小さい程度。使用時は、不意に開いてしまうのを防ぐゴムバンドを外し、パタパタと広げて折り返すと、ボード面が前面に立ち上がった自立型ボードに変形する。
このボード面に付箋を貼って持ち歩き、必要な時に立ててやれば、大事な情報が常に視界に入るようにしておけるというわけ。


筆者は、冒頭でも述べた通り物忘れが激しいので、例えば出先でPCを開いて作業をする場合、始める前にいちいち「えーと、まずなにをすればいいんだっけ」と仕事の組み立てを考え直すことがよくある。しかし、ToDoや作業に必要なメモをまとめて貼ってあれば、目の前に「フセンボード」を立てるだけで素早く実作業に戻ることができて、効率的なのだ。

付箋は基本的に糊面が片側にあるため、糊のない側がヒラヒラと浮いてしまう。そうすると書いた内容が見づらいし、そこから剥がれ落ちたりということもよくある。
そこで便利なのが、付属のマグネットチップだ。ボードの内側にはスチールシートが入っているため、マグネットがくっつく。

付箋の糊がついていない側にマグネットチップを貼ってやれば、浮き止めになって見やすい。また、表紙を閉じて付箋を貼ったまま持ち歩くにも、マグネットで固定してあれば勝手に剥がれ落ちにくいという仕掛け。


ただ、マグネットチップが貼り付くのは付箋を貼るボード面だけなので、全てのチップをまとめて携帯しようとすると、付箋を貼る場所がなくなってしまう。一番小さなサイズチップを4~6個隅に貼って持ち歩くのが実用的で、ちょうどよさそうに感じた。
やや使いにくさはあるが、それでも使いこむ価値はある
ボード面は、75mm×25mmの付箋を横に2列・縦に4行並べて貼ることができるサイズ。基本的にはメモ貼りスペースとして使うのが良さそうなので、50mm幅ではなく75mm幅の付箋を必要に合わせて使い分けるのが良さそうだ。
例えば、ちょっとしたメモやToDoは75mm×25mm、もう少し複雑な内容を書き残すには75mm×50mmの付箋……といった感じだろうか。

未使用の付箋はボードの内側に貼ってストックしておくことはできるが、あまり多くは持ち歩きづらいだろう。必ず付箋と組み合わせて使うものだけに、ストック問題はなにか別口で解決したほうが良いかも知れない。
筆者の場合は、無印良品のピルケースを改造した付箋携帯ケースと一緒に持ち歩いている。やはり各100枚ずつぐらい携行できないと、運用上の不安はあるからだ。


マグネットチップや付箋の携行に別途の工夫が必要など、正直なところ、万全に便利なツールとは言い難い。
しかし、筆者と同様に付箋をメモ代わりに使っている人にとっては、その工夫を施してでも使う価値はありそう。うまく使いこなす技術さえあれば、作業効率の伸びしろは十分に見えるので、個人的にはもうちょっとじっくり使い込んでみたいツールである。