「仕事用シャーペン」でコスパ高すぎ!自動芯出し搭載「ノクフリー」の上位モデルが1500円でも安いワケ

ink_pen 2025/10/6
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「仕事用シャーペン」でコスパ高すぎ!自動芯出し搭載「ノクフリー」の上位モデルが1500円でも安いワケ
きだてたく
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きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

社会人になると一気に使う機会が減る筆記具と言えば、シャープペンシルだろう。

ただし、書類に署名する以外では、ボールペンにこだわる意味が特にないのも事実。自分用のノートや手帳に書くなら、シャープペンシルのメリット(消しゴムで消せる、水濡れに強いなど)は十分に大きいのだ。

ボールペンを否定するわけではないが、そこは好みで選んでみてもいいのではないだろうか? 久しぶりにシャープペンシルを使ってみると、なかなか新鮮な気持ちで書けるものである。

さらに最新のシャープペンシルは機能的な進化もいろいろとあり、かつて学生時代に使っていたものと比べると、ずっと書きやすく感じられるかもしれない。

とは言え、そこは大人の筆記具なので、中高生が使うようなデザインではなく、落ち着いた雰囲気はほしいところ。

そこで今回は、見た目に落ち着いていながら機能性の高い最新シャープペンシルを紹介したい。

洗練された大人のノクフリー

2023年に発売されたオートマチックシャープペンシル「ノクフリー」は、プラ軸で低価格(税別450円)ながら自動芯出し機能を搭載した高コスパシャープペンシルとして、現在も非常に人気が高い製品である。

しかし、どうしても見た目のチープ感は否めず、「もう少し高級感のあるものを」というユーザーの要望もあったようだ。

それを受けて、この度新たにラインアップに加わったのが、上位モデルとしてメタル軸を採用した「ノクフリーメタル」だ。

サンスター文具

ノクフリーメタル

1650円(税込)

上質なアルミ製メタル軸

まず、見た目に関しては、オールアルミのメタル軸がどっしりとした雰囲気を出している。加えて、過剰な装飾のないフラットなデザインは、性別年齢にかかわらず誰が使っても違和感のなさそうな印象である。

ノクフリーと並べてみても、これが同じシリーズか?というぐらいに別物となっている。

↑「ノクフリー」(上)との比較。デザイン的にも共通する要素はなく、完全に別物といった印象だ。
↑ペン先周辺はグッと絞られてスリム化。

メタルのパイプで先端の視界を改良

もちろん見た目だけでなく、機能面もかなり大きなアップグレードが施されている。

例えば、自動芯出し機構の要であるペン先部分は、プラスチックのコーン(円錐)からメタルのパイプに変更。パイプはさほど長くはないが、それでもコーンよりはずっと先端の視界が広く、細かな字が書きやすくなった。

先端が全体的に段階絞りになっているのも、先端の視界を良くするのに役立っているようだ。

↑パイプチップだと自分の字がペン先の影にならず、よく見えて書きやすい。

低重心で筆記に安定感

握ってみると、はっきりと低重心なのを感じる。ペン先側に内蔵されている真ちゅうのオモリがかなり効いているようだ。軸径約9.5mmというスリムさからすると、意外なほどに手の中でずっしりと安定してくれる。

↑重心は前から62mm辺りと、かなり低重心になっている。
↑内部の金色のパーツが真ちゅうのオモリパーツ。これだけでかなり重量感がある。

板書を取るなどスピーディーな筆記には向かないかもしれないが、落ち着いて文章を書くにはとても書きやすかった。

グリップは、軸の三方向に点線のような凹凸のあるラインが入っており、そこに親指と人差し指を沿わせるというタイプ。

一見するとすべり止めとしてはやや頼りないようにも感じるが、握ってみるとそこまでツルツルしておらず、程よく効いているというところだろう。

ただし、偏芯を解消するために軸を回転させる際には、このラインがむしろノイズとして指に伝わってしまうのが、ちょっと気になった。

↑特徴的なライングリップは、繰り返しの凹凸パターンがすべり止めの役を果たしている。

1500円でここまでやる?

実際に書いてみて特に感じたのが、「これだけしっかりしたオートマチックシャープが1500円弱とは、かなりお得だな」ということ。

自動芯出し機構は、筆記によって芯が減ってくると紙に触れたペン先がわずかに後退し、その反動でペン先ごと芯を引き出すというもの。最初に1ノックしたら、あとは芯がなくなるまでノック不要で書き続けられるわけだ。

↑書き続けると芯の減りと共にパイプが後退し、ペン先を紙から離すとパイプが芯と一緒に戻ってくる仕組み。これにより、ノックなしで芯1本まるまる書き続けることが可能となる。

このペン先の動きが「カチャカチャするブレ」として感じられるから苦手という人もいるのだが、筆者の体感ではノクフリーメタルはそのブレがわりと少なかった(もちろんゼロではないが)。

少なくともこの価格でこの完成度なら、お買い得と言っても過言ではないと思う。

クッション機構を外して正解

書き味に関してもうひとつポイントがある。従来のノクフリーには強い筆圧がかかると先端が沈み込むクッション機構があったが、ノクフリーメタルはそれを外している。

クッション機構は筆圧による芯折れを防ぐためのものだが、筆記時にいきなりグニャッと沈まれてしまうと、これも人によってはブレと同様に不快感の元となり得る。

↑筆者も個人的にシャープのクッション機構はかなり苦手なので、沈み込まないカッチリとした筆記感のほうが断然ありがたい。

キャップを外さず芯を補充

書き味に直接の関係はないが、ノックキャップを外さず芯が補充できる機構も、快適に運用するうえで大きなポイントである。

芯を入れたいときはノックの中央に空いている穴にそのままスルッと入れるだけ。内部の形状が工夫されているため、軸を逆さにしても芯が逆流することはまずない。

芯補充のたびにノックキャップを外していると、机からキャップが転がり落ちたり、そのまま紛失したりと、だいたいロクな事にはならないので、このダイレクトインはすごく助かるのだ。

↑ノックキャップ穴からのダイレクトインは芯補充の手間が減って、一度慣れると離れがたくなる機能のひとつだ。

フルメタル軸のオートマチックシャープペンシルと言えば、基本的には数千円〜という価格帯のもので、まず千円台で買えるというのがありがたい。

さらに、安定したバランスやブレの少なさに由来する書きやすさ、芯のダイレクトインと、トータルで見るととにかくコスパの高さが際立っている。

見た目の派手さはないが、その分、誰が手にしても違和感がなく、これもまた使いやすさという点で優秀だ。仕事中に使えるシャープペンシルを選ぶのであれば、一番に試してみるべき1本と言えるだろう。

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