機能追求型と遊び追求型。多様化する最新ノートの振り幅が凄い!

ink_pen 2018/7/26
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機能追求型と遊び追求型。多様化する最新ノートの振り幅が凄い!
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

インスタ映え抜群! 写真がメッセージカードにもなるSNS向けリングノート

対して、スガイワールドから発売された「吹き出しノート」は、仕事に便利とは口が曲がっても言えない特殊なノートだ。

 

なにが特殊かって、一目瞭然だろう。マンガの吹き出し型のダイカット紙を小さなリングで束ねた、特殊形状のリングノートなのだ。

↑スガイワールド「吹き出しノート」648円

 

このノートに何かメッセージを書き込んだら顔の横に構え、自撮りでパシャリ。すると、いかにも吹き出しでしゃべっているかのように見える写真の出来上がり。動画でもない限り、撮影時の音声は画像に記録できないが、この吹き出しノートならそれが目に見える写真として残せる、という寸法だ。

 

文章+画像が基本のTwitterやFacebookと違い、画像一発勝負の感があるInstagramなど写真系SNSでは、これがかなり強い。ザ・インスタ映えノートである。

↑人物に使うときは、吹き出しをややレンズ寄りに近づけるとサイズが合いやすい

 

もちろん人物だけでなく、犬や猫、はては無生物だろうとしゃべっている風に撮れるということで、これがまたInstagram向きのかわいい写真になるのだ。誕生日を祝うメッセージなどを書いて、可愛い猫なんかと一緒に撮ってプリントすれば、メッセージカードも自作できる。

↑我が家の愛猫、ジムさん。たまに、本当にこんなことを思っていそうで怖い

 

実際にあれこれ被写体を変えて撮ったことで気付いたのだが、とにかくノートのサイズ(ほぼB5サイズ)が絶妙だ。

 

人物がしゃべっている風に撮るにはやや小さいが、顔の少し前にノートを出してやれば、遠近法でいい感じに映る。対して雑貨などの小物の横に置くなどには大きすぎず、ベストなサイズ。つまり、吹き出しの遠近をつけにくい、置いた状態での撮影にちょうどいい。

 

どんな被写体と撮っても違和感がないのは、かなりよく考えられているなと驚いた。

↑これぐらいの小物と一緒に置いて撮るとベストマッチ。メルカリなど、ネットオークションとも相性がよさそうだ

 

ほぼ同時期に発売された2冊のノートだが、仕事に超便利なもの、仕事には使えないがコミュ力はやたら高まるもの、とまったく別方向の進化を遂げているのがお分かりいただけただろうか。

 

やたらと大きく広がった進化系統樹が、今後さらにどう分岐していくのか? ノートの多様進化は、たぶんまだまだ止まらないだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

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