まさかの効能も!?キングジムのスマートボールペン「info+」を1か月使ってみて感じたこと

ink_pen 2019/8/21
  • X
  • Facebook
  • LINE
まさかの効能も!?キングジムのスマートボールペン「info+」を1か月使ってみて感じたこと
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

改善の余地あり! のポイントは?

逆に、使っていて「これはちょっと……」と感じたポイントもいくつかあった。

↑晴天下では、液晶が暗すぎてほぼ視認できず。移動時などはこれでは困る
↑晴天下では、液晶が暗すぎてほぼ視認できず。移動時などはこれでは困る

 

まず、日中の屋外では液晶が暗すぎて視認がつらい。外出時にインフォで着信を受け、誰からのものか確認しようと画面を見ても、表示を読み取ることができなかったのだ。屋内であれば問題ないのだけれど、ウェアラブル端末として外で使いづらいのは、もったいないだろう。

 

もうひとつ、液晶画面にかからないようにクリップがかなり短めになっているのだが、これも使いづらかった。

↑短すぎるクリップ問題。ホント、スレスレなので持ち歩きに不安だ
↑短すぎるクリップ問題。ホント、スレスレなので持ち歩きに不安だ

 

ジャケットの胸ポケットや内ポケットであれば、なんとかフチにクリップがかかるのだが、シャツの胸ポケットはギリギリか、届かないかというところ。高価な製品だけにうっかり落として壊したり紛失したりというのは避けたいのだが、これからのシーズン、ワイシャツの胸ポケットにひっかかってくれないのはちょっと怖い。

 

画面の視認性など理由はあってのこの長さとポジションだとは理解できるが、それなら画面から90度ずらした位置で、もう少し長いクリップだと良かったのになー、と感じた。

↑ボリューム操作。意識せずにこれが起きると死ぬほど驚く
↑ボリューム操作。意識せずにこれが起きると死ぬほど驚く

 

さらには、移動中にイヤホンで聴いていた音楽のボリュームが突然ハネ上がって、心臓が止まりそうなほど驚いたこともあった。これはタッチパネルがシャツポケットのフチに擦れて、勝手に操作されてしまったのが原因である(シャツが汗で湿っていて、タッチパネルに通電したらしい)。

 

これもポケットの深さに由来するトラブルなので、ジャケットなどでは起きない気もするのだけれど、とはいえ今後もありうるトラブルだ。音楽に関する操作はイヤホン側のインターフェースで行う人も多いだろうし、アプリでこの辺りの操作自体のオンオフができるようになると、ありがたい。

 

ウェアラブル端末としてのボールペンの価値

↑専用スタンドで充電中。この時は強制的に電源がオンになるので、通知が来ると丸見えになってしまう。これもちょっとマズいなーと感じるポイント
↑専用スタンドで充電中。この時は強制的に電源がオンになるので、通知が来ると丸見えになってしまう。これもちょっとマズいなーと感じるポイント

 

他にも、本人以外でも簡単に通知内容が見えてしまうセキュリティ面の弱さなど、いくつか不満はあるものの、とはいえボールペンをウェアラブル端末にするという発想は悪くない……というか、かなり良いと思うのだ。特に筆者は、腕時計の装着感が苦手でスマートウォッチを使いこなせないので、同様の機能があるスマートボールペンは純粋にありがたい。たぶん、そういう人は自分以外にもいるんじゃないだろうか。

 

お馴染みキングジムのニッチ戦略製品ということで、どれほどの人にフィットするかは不明。だが、これらの不満点を見た上でなお気になるという人なら、試してみる価値はありそうだ。

 

できればいい感じにヒットして、バージョンアップした“インフォ2”が出るくらいになってくれると、嬉しい。例えばPowerPointなどプレゼンソフトの操作ができるようになったり、スマートロックやFelica/NFCに対応してくれたりしたら最高なんだけど!

※2019年7月末には、キングジムよりインフォ本体のファームウェアアップデートが発表された。通知設定の改善のほか動作もより安定しているようなので、すでに利用しているユーザーの方はぜひファームの更新をおすすめする。

 

Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で