ロードバイクのメンテナンスの基礎知識を伝授するコーナー。今回は、「バーテープの交換」についてレクチャーしていきます。バーテープ交換は、気軽にバイクのイメージを大きく変えられます。ワイヤー類の交換時にも必要となる作業なので、巻き方をしっかり覚えておきましょう。
【使用する工具】
ハサミ
【古いバーテープを外す】
バーテープは触れる機会が多いので汚れやすい。それが年季を感じさせていいという意見もあるが、あまりに汚れていると、ロードバイク全体の印象が悪くなってしまう。汚れたら新品に交換するのが、気分も一新できておすすめだ。最近は材質や厚み、色など多くの種類が市場に出回っている。フレームの色とコーディネートするなど、自由自在なカスタマイズが可能だ。また、ジェル入りのクッション性の高いものもある。手や腕の疲れが気になる人は交換してみるといいだろう。
さて、お気に入りのバーテープが見つかったら、すぐにでも巻き替えたいものだが、きれいに巻くにはちょっとしたコツがある。初めはうまくいかなくとも、何度か繰り返せばうまく巻けるようになるので、ぜひマスターしたい。
バーテープの巻き方には、外側から車体に向かって巻く内巻きと、車体側から外に向かって巻く外巻きがある。一般的なのは内巻きだ。その理由は、ハンドルを握ったときに、締め込む方向に力がかかることになり緩みにくいからだ。なお、ハンドルバー中央部から巻くか、グリップエンドから巻くかによる違いもある。これは個人の好みだが、中央部から巻いていくと、巻きあがったバーテープ端を止めるエンドテープを使わないで済む。
グリップラバーをめくりハンドルバーの中心部からバーテープを剥がしていく。グリップエンドに到達したら、エンドキャップを外す。バーテープの残りカスなどは、ディグリーザー(汚れ落とし)などを使って拭き取る。ワイヤー類をハンドルにビニールテープなどで固定したら、新しいバーテープを巻く工程へ。
1.手始めにグリップラバーをめくる。めくっておかないと、途中で止まってしまう。
2.中央のエンドテープを剥がし、バーテープを剥がしていく。エンドテープが剥がれない場合は、カッターなどを使う。
3.バーエンドまでテープを剥がしたら、最後にエンドキャップを外す。
4.バーテープを剥がした後、両面テープが残っている場合は、ディグリーザーなどを使ってきれいにする。
【ワイヤー類を固定】
5.最初にハンドルの溝に沿わせてブレーキのアウターワイヤーをビニールテープなどで固定しておく。
【ブラケット部をカバー】
まず、グリップエンドから内巻きする場合、ブレーキブラケットの下の部分に切ったバーテープを貼る。ここに先に貼っておかないと、その部分だけバーテープに隙間ができてしまうからだ。
6.ブラケット部分に、あらかじめバーテープの切れ端を貼っておく。
7.グリップエンドから、エンドキャップで折り込む部分を残して貼り付けていく。
【テープを重ねながら外側から内側へ】
なお、テープは3分の1程度重ねて巻いていこう。テープを多く使うブラケット部分を通り過ぎたら重ねる部分を少なくするなど調整しながら巻いていく。
8.テープを3分の1ほど重ねて緩みがな いように貼っていく。常に引っ張りな がら行うのがコツだ。
9.ブレーキブラケット部分は最初に貼ったテープを押さえて、その上から貼っていく。
10.ブレーキブラケット部分はテープを多く使うので、その後は重なりを調整して巻いていく。
【バーテープの最後を整える】
巻き終えたら、テープを斜めにカットしてしっかり貼り付け、その上からエンドテープで留める。
11.センター部分まで来たら、根元まで巻きすぎないように長さを調整する。
12.最後の部分が直線になるように、テープを斜めに切って貼り付ける。
13.斜めに切っておけば、バーテープがきれいに巻ける。
【エンドテープを巻く】
14.中央の部分が剥がれないように上からエンドテープで巻いておく。写真ではビニールテープを使っている。
【グリップエンドの処理】
グリップエンドには、エンドキャップを差し込んで固定。緩みなどがないかを確認する。エンドキャップには簡単に外れてしまうものもあるので、しっかり入れよう。固くて入らない場合は、樹脂ハンマーで叩いて入れる。
15.グリップエンドは最初に少し余らせていた分だけ、テープが飛び出しているはずだ。
16.飛び出している部分は、元に戻らないようにしっかり内側に向かって折り曲げる。
17.最後にエンドキャップを差し込んで固定する。
18.きれいに巻いていれば、それだけ外見の印象がよくなる。ポイントを押さえて、隙間なくしっかりと巻きたい。
【こちらもチェック】
ハンドルバー中央部から巻く場合の注意
バーテープをハンドル中央部から巻くと、最後はハンドルのエンドキャップで留められるため、エンドテープが不要で見た目がきれいに仕上がる。また、巻きはハンドルを握った手の力の方向と逆にしよう。同じ向きだとテープが緩みやすくなってしまうからだ。
端切れを使えば隙間ができない
以下の写真は間違った例。バーエンドから巻いていくと、ブレーキブラケットの部分に隙間ができてしまう。最初にバーテープの端切れを貼っておくのを忘れないようにしよう。
左右のバーテープを変えるオシャレ技も!
バーテープはロードバイクの顔ともいえる。一般的には、車体と同じ色、同じ柄のテープをハンドルバーに巻くが、中には左右別々の色や柄のテープを巻くライダーも見かけるようになってきた。
色とりどりのバーテープを楽しむ
近年では、バーテープの品揃えが増加。色や柄など鮮やかなものが数多く展開されている。目立つものを選べば事故防止にもつながるので季節や気分でバーテープを変えて楽しもう!