ロードバイクのメンテナンスの基礎知識を伝授するコーナー。今回は、「クリートの調整と着脱」についてレクチャーしていきます。初心者が頭を悩ませるのが、クリートの位置。わずかな角度の違いでペダリングが大きく変化する重要な部分です。
【使用する工具】
アーレンキー
【ビンディングペダルの装着】
クリートとはビンディングペダルに足を固定するためのパーツである。クリートの位置決めひとつでペダリングが劇的に変わるので、自分に合った位置にしっかりと調整しておこう。
1.シューズとクリートは、ペダリングが劇的に変化する重要な要素だ。
自分のクリート専用のペダルを取り付ける。メーカーの違うクリートとペダルは対応していない。
【クリートの固定力の調整】
ペダルに足を固定するのは初心者だと恐怖を覚えるかもしれない。しかし慣れるまではクリートの固定力を弱めておけば、転倒しそうなときに簡単に外せるので安心だ。
2.ビンディングのバネの強度を変えて、クリートの固定力を調整。慣れないうちは弱めにしておくのがよい。
【シューズの位置の確認】
クリートは足の親指付け根の膨らみ(拇指球)の中心にセットするとペダリングに変な癖がつかず、理想に近いペダリングができるといわれている。なお、取り付け角度は、とりあえず真っ直ぐにしよう。そして実際に走行しながら自分に合った角度に調整していく。
3.足の親指の付け根の拇指球の位置を確認してクリートを取り付ける。
【つま先が内側向き】
4.以下の写真は間違った例。シューズが内向きになり、内股になった状態。ペダルに力が加えにくく、足首の外側を傷める可能性がある。
以下の写真は間違った例。クリートが外側に傾いている。ビンディングにかけると内股になってしまう。
【つま先が外側向き】
5.以下の写真は間違った例。シューズが外向きになり、ガニ股になってしまった状態。クリートが内側を向いてしまっており、脚を傷める恐れがある。
以下の写真は間違った例。クリートが内側を向いており、ここまで傾くと確実に脚を傷めてしまう。
【適正位置】
クリートの角度が外、あるいは内に傾きすぎていると脚全体のフォームが崩れて、力がペダルに伝わりにくくなる。膝とくるぶしのラインが直線になるのが理想的な角度だ。メーカーの違うクリートとビンディングペダルは、一部を除いて対応していないので、購入時には必ずチェックしよう。
6.理想的なペダリングの体勢。膝とくるぶしのラインが直線になっており、力がペダルに伝わりやすい。
正しい位置に調整されたクリート。真っ直ぐ取り付け、またがって角度を微調節する。
【クリートのはめ方】
ビンディングペダルには様々な種類があるが、ここで取り上げているシマノの SPD ーSL では、ペダル前方部分にクリートの先端を引っ掛け、後方で固定する構造になっている。後方が固定されると「カチッ」という音がするのでわかりやすい。
7.ペダルの前方部分にクリートの先端を引っ掛けて踏み込むと自然とクリートは固定される。後方の固定ができると、カチッという音がする。
【クリートの外し方】
ペダルを踏み込むと自然にクリートは固定され、外すときは外側に足をひねると簡単に外れる。クリートの位置が決まったらシューズにマークをしておくと、次のクリート交換時に調整がラクになる。
8.外すときは、外側にかかとをひねると簡単に外せる仕組み。
9.下から見たところ。前のクリートはかかったままだが、これだけひねっただけで後ろは外れる。
10.そのままかかとを外へ回していく。
11.前のクリートも外れる。初心者は安全な場所でしばらく練習してから走り出したい。
【こちらもチェック】
クリートの位置が決まったら目印を入れておこう
クリートを調整して、自分の適性位置がわかったら、ペンで目印を付けておくといいだろう。そうすれば、クリートを取り外してもう一度付けるときに迷わなくて済むはずだ。