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2018/7/6 17:00

清水草一がプジョー3008を徹底解剖! 「殿、珍しく絶賛ですね!」

ベテラン自動車ライターのMJブロンディとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。SUVブームに先鞭をつけたプジョーの3008に試乗してみました!

 

[PROFILE]

永福ランプこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】プジョー 3008

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SPEC【GTライン】●全長×全幅×全高:4450×1840×1630 ㎜●車両重量:1500㎏●総排気量:1598㏄●パワーユニット:直列4気筒DOHCターボ●最高出力:165PS(121kW)/6000 rpm●最大トルク:24.5㎏-m(240Nm)/1400〜3500rpm●カタログ燃費:14.5㎞/ℓ 357万〜429万円

 

「俺ならそれでもディーゼルにする」

安ド「殿! やっぱりフランス車はオシャレでカッコいいですね!」

清水「うむ。プジョーのデザインは長らく低迷していたが、この3008でかなり復活した印象だ」

安ド「どのあたりがいいですか?」

清水「デカすぎる『口』などの過度な小細工を廃し、適度に攻撃的なイメージを、こじゃれた細部で引き立てている」

安ド「インテリアもいいですね! 従来のプジョー車って、クオリティの足りなさをデザインでごまかしてた印象があったのですが(笑)、これは車格なりか、それ以上に質感が高いと思いました!」

清水「まさにドイツ車的なクオリティに近づいています。それでいてオシャレ感も高い」

安ド「特にステアリングやシフトまわりなどがいいです!」

清水「個人的には、楕円形の小径ハンドルがスバラシイ。車幅のあるSUVをクイクイと曲げてくれる」

安ド「メーターはハンドルの上から見えますね」

清水「近年のプジョー車の定番だな。これに違和感を覚える人も少なくないようだが、なにせハンドルが小さいので、ハンドルの中にメーターを収めるのはムリ。私は好きだぞ」

安ド「殿、珍しく絶賛ですね! 走りはどうですか」

清水「SUVを感じさせない軽快さがあり、乗り味も適度にフンワリしている。フランス車らしく、もう一段フンワリでもいいと思うが」

安ド「ボディも剛性感があって、いかにも力強いSUVという感じで、頼もしかったです。ドイツ車みたいでした!」

清水「世界中のクルマがドイツ車化しているからな。昔のプジョーとは似ても似つかぬ頼もしさだ」

安ド「エンジンはどうですか? 今回は1.6Lのガソリンターボモデルです」

清水「このエンジンは、愛車だったシトロエンC5で堪能したが、可もなし不可もなしだ」

安ド「燃費は約11㎞/Lでした!」

清水「うむ。SUVでそれだけ走れば問題なかろう」

安ド「きっとディーゼルはもっと速いと思いますが、これはこれで十分と言えます」

清水「ディーゼルは2L。断然速いし、燃費もいい。ただ価格がかなり高い」

安ド「429万円です」

清水「ガソリン車より30〜60万円高い。俺ならそれでもディーゼルにするが」

安ド「それとこのクルマ、プジョー車としては初めて、ドイツ車並みの高性能な自動ブレーキを搭載したんですよね!」

清水「しかも標準装備です。BMWなどと同様の単眼カメラ&ミリ波レーダーの組み合わせで、歩行者も検知できるのだから、これまでのフランス車とはまるで違うぞ」

安ド「ひょっとしてこのクルマ、フランス車の革命では?(笑)」

清水「それでいてオシャレ。オススメできる!」

 

【注目パーツ01】小径レザーステアリング

スポーティな走りを実現するハンドル

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近年のプジョー車のトレンドですが、径を小さくすることで握りやすくし、ドライバーがスポーティに運転できるよう設計されています。また、上下面をフラットにして、視界と足元スペースが広く取れるようにしているのも特徴です。

 

【注目パーツ02】パノラミックサンルーフ

開ければ圧倒的開放感! ボタンひとつで電動開閉

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この電動開閉機能付きの大型サンルーフは、プジョー初搭載の機能なんです。爽快な風を感じさせてくれるサンルーフをいままで開けずにいたとはもったいないかぎりです。サイドウインドウの面積が小さいだけに貴重な装備です。

 

【注目パーツ03】1.6リットルターボエンジン

トレンドを踏襲した小排気量仕様

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世界のトレンドは小排気量ターボ。3008も、ボディサイズのわりに小さ過ぎるんじゃないかと思わせる小排気量ターボエンジンを搭載しています。もちろん、想像以上にパワフルで軽快な走りを実現してくれます!

 

【注目パーツ04】ウエストライン

ワイルドな風合いを 醸し出すサイドライン

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ボディサイドの窓の下のライン、いわゆるウエストラインは、車高が低いわりに高い位置にデザインされています。ドライバーの見切りは多少悪くなりますが、マッチョな感じが増して、SUVとしては成功しているのではないでしょうか。

 

【注目パーツ05】デジタルヘッドアップインストルメントパネル

デジタル表示で近未来感をアピール

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全面デジタルディスプレイになっていることから、デザインの異なる4つのディスプレイモードを選べます。ちなみにそのメニュー表示は、なんと日本語に対応!  プジョーも親日的になったものです。

 

【注目パーツ06】ヘッドライト

明るく見やすくハイデザイン

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ヘッドライトの中央部分が、見てのとおりものすごくえぐれています。このような複雑な形状にするとコストがかかると思うのですが、デザインへのこだわりと先進性を感じさせます。もちろんフルLEDを採用しています。

 

【注目パーツ07】ATシフト

まるで飛行機のようなシフトノブ

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トランスミッションは高効率な6速ATが採用されていますが、それを操るシフトノブは飛行機の操縦桿のような形をしています。プジョーはこのインテリアを「i-Cockpit」と呼んでいるので、このような形状になったのでしょうか。

 

【注目パーツ07】大型フロントグリル

顔の中心でこだわりを見せつける

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プジョーは「大型グリル」と謳っておりますが、近年の大型グリルブームのなかでは比較的小型であります。特筆すべきはその独特な形状で、横から見るとえぐれており、このこだわりの造形がクルマファンを唸らせます。

 

【注目パーツ01】トグルスイッチ

ピアノの鍵盤のような美しさ

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「トグルスイッチ」とはつまみ状のレバーを上下に倒す構造のものですが、プジョーのトグルスイッチは、このように近未来的な形状です。実用的でありながら、整然としていて工業製品ならではの美しさも備えています。

 

これぞ 感動の細部だ!安全運転支援システム

最新の運転支援デバイスを網羅

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アクティブセーフティブレーキやレーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニター、ドライバーアテンションアラート、アクティブクルーズコントロールなど、カメラ(写真左)とレーダー(写真右)をベースとした安全運転支援機能がてんこ盛り。もちろんその完成度は実用に値するレベルで、決して日本車やドイツ車にも負けてないです。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税